不忘探偵4 〜純粋悪〜
新宿の片隅で、しがない探偵業を営む男。彼は、どんな些細なことも忘れることができない難病を患っていた。
それが、どれほど辛い記憶であっても、決して忘れることも癒えることもない、そんな現実から逃げるように、探偵は世捨て人のように生きてきた。
しかし、そんな生活も悪くはない。騒がしい俗世と隔絶された世界が、探偵にとっては心の安寧を約束してくれるものだったから。
しかし、そんな平穏な生活を打ち破るような事件に探偵は巻き込まれることとなる。
腐れ縁の小川から、小川の遠い親戚筋の烏丸家で、居なくなった犬を探して欲しいという依頼だった。
2人が現地に赴くと、ちょうど烏丸家では待望の男子が誕生したところだった。
待望の男子の誕生で、烏丸家は沸きに沸いていた。代々家督を男子が受け継いできた烏丸家であったが、当主の妻にも愛人にも男子は産まれず、ようやく新しい愛人との間に男子を授かっただけに、当主の喜びも格別のものがあった。
しかし事件は起きた。
生まれたばかりの赤ん坊が何者かの手によって殺されたのだ。
こうして探偵は、烏丸家の人々の思惑が交錯する諍いの渦に巻き込まれていく。
それが、どれほど辛い記憶であっても、決して忘れることも癒えることもない、そんな現実から逃げるように、探偵は世捨て人のように生きてきた。
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