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2章 1年1学期前半
41話 授業参加
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「では、いつものようにダンジョンを開いてください」
次の日、僕は授業に出たんだけど、僕にとってはいつもの様では無いと、ツッコミを入れたい気持ちでした。
孤児院に行こうとしていた僕たちは、予想通り門の前で待ち構えていたバルサハル先生によって止められたんだ。
「それでバルサハル先生、僕のダンジョンに入る生徒は誰ですか?」
僕は少し嫌そうな顔をして聞きます。
だってこれは、僕のダンジョンを調べるために仕組まれたことで、昨日言っていたことが現実になったんですよ。
こちらも情報は欲しいけど、決して喜ぶ事ではないと、相手に見せないといけません。
「俺たちだぜ、平民上がり」
僕の問いかけに応えたのは、先生では無くその後ろから聞こえた声でした。
銀色の鎧を着た男の子が先頭を歩き、同じ鎧の男の子がもう1人と、後ろにはローブを着た女の子たちが3人で、手紙に書かれた5人だと理解したよ。
「重装備の騎士2人に攻撃魔法士3人、知らせの人たちですか?」
「お前に行った知らせは知らんが、お前のダンジョンに入るのは俺たちだ」
「光栄に思いなさい」
分かりきった答えに僕はため息を付きました。
このPTの服装を見て、魔法攻撃特化型なのは分かります。
「他のPTもそうだったけど、1年生でそれは無謀な陣形だよ」
「何か言ったか平民上がり」
小声で指摘していると、耳が良いのか先頭の男子が質問してきます。
僕は当然答えず、またため息を漏らしたんだ。
「なんだ貴様その態度は!我々に対して失礼だろう」
「そうよ!平民上がりのくせに」
もう一人の黒髪短髪少年騎士と、紫髪をツインテールにした魔法士の女子が怒ってきたよ。
他の子たちも怒ってる感じだけど、貴族の階級としては僕と同じで、態度がどうのと言われる筋合いはない。
「それは失礼しましたね、何せ僕は平民上がりですからね。皆さんが、あまりにも魔法で突破するタイプのPTだったもので、1階層はクリア出来ないなぁっとがっかりしただけなんですよ」
はははと笑う僕は、その後深いため息を付きました。
それを見て5人が更に怒ってきたから、その元気がどこまで続くかと、僕は更に言ってやったよ。
「何だときさま!」
「よしなさいあなたたち!アレシャス君も挑発する態度は控えるようにしなさい」
「は~い」
「まったく、さぁあなたたちはダンジョンに入りなさい」
バルサハル先生が仲裁して、騎士たちは僕を睨み付けた後にダンジョンに入っていきました。
先生は、僕のダンジョン画面を魔導具でわざわざ大画面に映し出してきます。
「目立つなぁ~」
他の生徒たちも気になるようで、騎士たちまでダンジョンにも入らず、大きな画面が見れる位置で観戦し始めたよ。
「まぁ良いか。さてさて、どれくらいの腕なのかな?」
腕を組んで余裕を見せてる僕は、正直ブラフですよ。
この態度も作戦の内で、本心ではあの子たちを応援してる。
「何せ、僕のダンジョンに初めて戦闘職が入ったんだもんね」
でも、僕はその感情を表には出さず、ムスッとして観戦してる。
あまり大人しいと、僕自身が嫌がらせをされるのが分かったからです。
「先生が仕掛けてきた時点で、使用人たちを味方に付けてたから表には出ないで鎮静化したけど、そうでなければ陰でボコボコにするしかなくなってたよ」
「なんだよ、相手はスライムじゃねぇかよ」
「これならサイラス殿たちも楽勝だな」
手を回していて良かった。そう思っていると、画面を見ている騎士科の生徒たちから、楽勝ムードの声が聞けました。
魔法科とダンジョン科の生徒も同じ感じで、どんな攻撃を見せてくれるのかと期待したんだ。
「まぁ最初だし、このまま行くけどさ」
5人は難なくスライムを倒して進んでいき、魔法や剣技を見れて応援にも力が入ります。
でも、誰も気付いてないけど、全然余裕じゃないんだよ。
「あのリーダーの金髪騎士はサイラスって言うんだね・・・まぁどうでも良いけど、戦いを見直さないと問題の部屋に入ったら大変だよ?」
僕は独り言をつぶやきながら、次に必要な準備を始めます。
どうせ彼らは、部屋に入ったら死に戻りです。なぜなら、スライムに魔法は悪手だからです。
「あれは!?ラージスライム」
騎士たちが問題の部屋に差し掛かり、部屋の中に入ると、少し大きめのスライムが待っていたんです。
生徒たちは、またスライムかとがっかりな声を発していますが、その中でバルサハル先生だけが驚き、スライムの名前を口に出したんだよ。
「驚いてるね先生、でもこの先にはもっと驚くことが待ってるよ」
先はまだ見れないけどねっと、僕は収納鞄の強化版である、バックパック(中)を5個用意して行きます。
もちろん中には色々入れていて、これを素直に受け取れば、あの5人でも先に進めるでしょう。
「その為の焚き付けだったけど、果たして受け取るかな?」
「な、なんでだ!?たかがスライムにサイラス殿たちがやられた」
サイラスたちが苦戦しているところを見て、生徒たちは顔を青ざめます。
「ラージスライムに今までの様に突っ込んだからだよ。ちょっとやそっとじゃ攻撃は跳ね返されるからね」
触手を鞭のように使われ、サイラスたちは為す術もなくやられてしまったんです。
騎士科と魔法科の子たちが悲鳴の様な声を発して、戻って来たサイラスたちが悔しそうですね。
「20分ですか、お早いお帰りでしたねサイラス君。僕のダンジョンはどうでしたか?」
バルサハル先生をチラッと見ながら聞きましたけど、かなりショックを受けているようで、メガネが落ちそうです。
対するサイラスたちは、それどころではないみたいで、自信を喪失してしまったみたいです。
「どうやら戦意喪失ですかね?今日はもうやめて、明日にした方が良いんじゃないかな」
「な、なんだと!?」
サイラスが怒った目をして「まだだ!まだ俺たちはやれる」って言ってきたよ。
でも、少し涙目で可哀そうになってきます。10歳ですから仕方ないっと、簡単な助言をする事にしました。
「じゃあ頑張って。今のままではラージスライムには勝てませんからね、よく考えてね」
「そ、そんな事はない!今のは油断したからだ、今度は負けんぞ」
そう言って急いでダンジョンに入って行ってしまい、僕の予定が変わります。
まだ大人しくならないねっと、ため息を付きながら新しい装備を出し始めたんだ。
次戻ってきたら、これが必要になる程のショックを受けて来る。それでも素直に助言を聞かないなら、そっちの方向に変えなくちゃだめなんだよ。
「まぁ作戦をしっかりと立てれば、ラージスライムには勝てるよ、なにせゴブリン2匹分の強さだからね」
数値で言いますと300で、少しの出来事で変化する誤差だから、僕としてはそっちになる様に応援したい。
ちなみに、この先に出て来るスライムはもっと強いので、今相手してるのが精一杯だと次は勝てません。
「やったわ!シェネルお姉さまのバーストファイアが当たったわよ」
先に見える分岐からは更に強いモンスターも出て来る。
どんどん厄介になるよぉ~っと、必殺の一撃が小部屋のラージスライムを燃やした。
でもね、厄介なのは変わってないんだ。
「次の通路に出て来る団子スライムの強さは150、今のが限界だとたちまちやられるよ」
魔法科の子たちからの歓声が悲鳴に変わるのを予想して、「もう帰ってくるんだね」っと思っていましたよ。
そしてその未来は直ぐに訪れ、サイラスたちがやられて帰ってきました。
「くそっ!どうしてだ、どうしてスライム如きに勝てない」
膝を付き、くやしそうに床を叩いて叫び出したサイラスに誰も声を掛けられません。
そんな中で、僕は助言をすることにしましたよ。
「スライム如きってね、君たちは相手を知らなすぎだよ」
「なんだと!!」
「よく観察して戦わないからそうなるんだ、あいての強さは300だよ」
助言は少し優しくしようと心掛け、ヘコんでしまう強さに落ち込み始めます。
ちょっと気を使った笑顔を作って、僕はしゃがんで視線を合わせた。
「君たち、スライムは炎を主食としているんだよ。だから炎を使ったゴブリン対策をしている君たちには、最悪と言って良いの相手なんだ」
「そ、そうでしたの?」
「そうだよシェネルさん。君たちは魔法を変えて、サイラスたちがこれを使えば勝てるからさ、使ってみないかな?」
僕が用意した装備は、草原ウルフという500の強さのモンスターの毛皮で出来た鎧で、冒険者たちがよく使っている装備です。
昔の僕が憧れた装備だけど、サイラスたちは直ぐに嫌そうな顔をして来たんだ。
「そ、そんな平民の装備が着れるか!俺たちは騎士だぞ」
「でもねサイラス君、その重装備じゃあラージスライムの早い攻撃はかわせないよ。受け止めたらさっきみたいに吹き飛ばされる、どうするの?」
サイラスたちのレベルは5で、まともに戦っても普通なら勝てるはずなんだ。
でも、動きを阻害する装備を着こみ、相手の好物を攻撃の主軸に使ったから勝てなくなったんだ。
「騎士は心で戦うんだ、そんな装備は使わない」
「じゃあさ、もっと陣形を考えて戦うしかないね。吹き飛ばされても平気な様に位置取るんだ、後ろの魔法士さんたちにぶつかってたら盾の意味がない」
「言いたい放題言ってくれますわね、あなた生意気よ」
「シェネルさんでしたよね?氷系が苦手みたいだけど、今の威力なら問題ない。炎はスライムにとってご飯だから使っちゃダメだよ」
装備はいつか使ってもらう事になるけど、今日はもう使わないから片付けてみんなに説明をしました。
戦いは装備の善し悪しや戦い方で変わり、冒険者はそうして戦っていると説明します。
「平民がどう戦ってるかなんて」
「シェネルさん、戦いに平民も貴族もないよ。戦い方がマネできないのなら、それの中から自分流の何かを取り入れるんだ」
そうして、僕はポイントを多く手に入れたとこの時ポロっと知らせたんだ。
サイラスたちは、次の突入でラージスライムを無傷で倒す事に成功し進んで行った。
僕の助言通りに陣形を変え氷魔法を使ったからだけど、サイラスたちの本来の実力が引き出せただけで、僕としてはその先に行ってほしいと願います。
次の日、僕は授業に出たんだけど、僕にとってはいつもの様では無いと、ツッコミを入れたい気持ちでした。
孤児院に行こうとしていた僕たちは、予想通り門の前で待ち構えていたバルサハル先生によって止められたんだ。
「それでバルサハル先生、僕のダンジョンに入る生徒は誰ですか?」
僕は少し嫌そうな顔をして聞きます。
だってこれは、僕のダンジョンを調べるために仕組まれたことで、昨日言っていたことが現実になったんですよ。
こちらも情報は欲しいけど、決して喜ぶ事ではないと、相手に見せないといけません。
「俺たちだぜ、平民上がり」
僕の問いかけに応えたのは、先生では無くその後ろから聞こえた声でした。
銀色の鎧を着た男の子が先頭を歩き、同じ鎧の男の子がもう1人と、後ろにはローブを着た女の子たちが3人で、手紙に書かれた5人だと理解したよ。
「重装備の騎士2人に攻撃魔法士3人、知らせの人たちですか?」
「お前に行った知らせは知らんが、お前のダンジョンに入るのは俺たちだ」
「光栄に思いなさい」
分かりきった答えに僕はため息を付きました。
このPTの服装を見て、魔法攻撃特化型なのは分かります。
「他のPTもそうだったけど、1年生でそれは無謀な陣形だよ」
「何か言ったか平民上がり」
小声で指摘していると、耳が良いのか先頭の男子が質問してきます。
僕は当然答えず、またため息を漏らしたんだ。
「なんだ貴様その態度は!我々に対して失礼だろう」
「そうよ!平民上がりのくせに」
もう一人の黒髪短髪少年騎士と、紫髪をツインテールにした魔法士の女子が怒ってきたよ。
他の子たちも怒ってる感じだけど、貴族の階級としては僕と同じで、態度がどうのと言われる筋合いはない。
「それは失礼しましたね、何せ僕は平民上がりですからね。皆さんが、あまりにも魔法で突破するタイプのPTだったもので、1階層はクリア出来ないなぁっとがっかりしただけなんですよ」
はははと笑う僕は、その後深いため息を付きました。
それを見て5人が更に怒ってきたから、その元気がどこまで続くかと、僕は更に言ってやったよ。
「何だときさま!」
「よしなさいあなたたち!アレシャス君も挑発する態度は控えるようにしなさい」
「は~い」
「まったく、さぁあなたたちはダンジョンに入りなさい」
バルサハル先生が仲裁して、騎士たちは僕を睨み付けた後にダンジョンに入っていきました。
先生は、僕のダンジョン画面を魔導具でわざわざ大画面に映し出してきます。
「目立つなぁ~」
他の生徒たちも気になるようで、騎士たちまでダンジョンにも入らず、大きな画面が見れる位置で観戦し始めたよ。
「まぁ良いか。さてさて、どれくらいの腕なのかな?」
腕を組んで余裕を見せてる僕は、正直ブラフですよ。
この態度も作戦の内で、本心ではあの子たちを応援してる。
「何せ、僕のダンジョンに初めて戦闘職が入ったんだもんね」
でも、僕はその感情を表には出さず、ムスッとして観戦してる。
あまり大人しいと、僕自身が嫌がらせをされるのが分かったからです。
「先生が仕掛けてきた時点で、使用人たちを味方に付けてたから表には出ないで鎮静化したけど、そうでなければ陰でボコボコにするしかなくなってたよ」
「なんだよ、相手はスライムじゃねぇかよ」
「これならサイラス殿たちも楽勝だな」
手を回していて良かった。そう思っていると、画面を見ている騎士科の生徒たちから、楽勝ムードの声が聞けました。
魔法科とダンジョン科の生徒も同じ感じで、どんな攻撃を見せてくれるのかと期待したんだ。
「まぁ最初だし、このまま行くけどさ」
5人は難なくスライムを倒して進んでいき、魔法や剣技を見れて応援にも力が入ります。
でも、誰も気付いてないけど、全然余裕じゃないんだよ。
「あのリーダーの金髪騎士はサイラスって言うんだね・・・まぁどうでも良いけど、戦いを見直さないと問題の部屋に入ったら大変だよ?」
僕は独り言をつぶやきながら、次に必要な準備を始めます。
どうせ彼らは、部屋に入ったら死に戻りです。なぜなら、スライムに魔法は悪手だからです。
「あれは!?ラージスライム」
騎士たちが問題の部屋に差し掛かり、部屋の中に入ると、少し大きめのスライムが待っていたんです。
生徒たちは、またスライムかとがっかりな声を発していますが、その中でバルサハル先生だけが驚き、スライムの名前を口に出したんだよ。
「驚いてるね先生、でもこの先にはもっと驚くことが待ってるよ」
先はまだ見れないけどねっと、僕は収納鞄の強化版である、バックパック(中)を5個用意して行きます。
もちろん中には色々入れていて、これを素直に受け取れば、あの5人でも先に進めるでしょう。
「その為の焚き付けだったけど、果たして受け取るかな?」
「な、なんでだ!?たかがスライムにサイラス殿たちがやられた」
サイラスたちが苦戦しているところを見て、生徒たちは顔を青ざめます。
「ラージスライムに今までの様に突っ込んだからだよ。ちょっとやそっとじゃ攻撃は跳ね返されるからね」
触手を鞭のように使われ、サイラスたちは為す術もなくやられてしまったんです。
騎士科と魔法科の子たちが悲鳴の様な声を発して、戻って来たサイラスたちが悔しそうですね。
「20分ですか、お早いお帰りでしたねサイラス君。僕のダンジョンはどうでしたか?」
バルサハル先生をチラッと見ながら聞きましたけど、かなりショックを受けているようで、メガネが落ちそうです。
対するサイラスたちは、それどころではないみたいで、自信を喪失してしまったみたいです。
「どうやら戦意喪失ですかね?今日はもうやめて、明日にした方が良いんじゃないかな」
「な、なんだと!?」
サイラスが怒った目をして「まだだ!まだ俺たちはやれる」って言ってきたよ。
でも、少し涙目で可哀そうになってきます。10歳ですから仕方ないっと、簡単な助言をする事にしました。
「じゃあ頑張って。今のままではラージスライムには勝てませんからね、よく考えてね」
「そ、そんな事はない!今のは油断したからだ、今度は負けんぞ」
そう言って急いでダンジョンに入って行ってしまい、僕の予定が変わります。
まだ大人しくならないねっと、ため息を付きながら新しい装備を出し始めたんだ。
次戻ってきたら、これが必要になる程のショックを受けて来る。それでも素直に助言を聞かないなら、そっちの方向に変えなくちゃだめなんだよ。
「まぁ作戦をしっかりと立てれば、ラージスライムには勝てるよ、なにせゴブリン2匹分の強さだからね」
数値で言いますと300で、少しの出来事で変化する誤差だから、僕としてはそっちになる様に応援したい。
ちなみに、この先に出て来るスライムはもっと強いので、今相手してるのが精一杯だと次は勝てません。
「やったわ!シェネルお姉さまのバーストファイアが当たったわよ」
先に見える分岐からは更に強いモンスターも出て来る。
どんどん厄介になるよぉ~っと、必殺の一撃が小部屋のラージスライムを燃やした。
でもね、厄介なのは変わってないんだ。
「次の通路に出て来る団子スライムの強さは150、今のが限界だとたちまちやられるよ」
魔法科の子たちからの歓声が悲鳴に変わるのを予想して、「もう帰ってくるんだね」っと思っていましたよ。
そしてその未来は直ぐに訪れ、サイラスたちがやられて帰ってきました。
「くそっ!どうしてだ、どうしてスライム如きに勝てない」
膝を付き、くやしそうに床を叩いて叫び出したサイラスに誰も声を掛けられません。
そんな中で、僕は助言をすることにしましたよ。
「スライム如きってね、君たちは相手を知らなすぎだよ」
「なんだと!!」
「よく観察して戦わないからそうなるんだ、あいての強さは300だよ」
助言は少し優しくしようと心掛け、ヘコんでしまう強さに落ち込み始めます。
ちょっと気を使った笑顔を作って、僕はしゃがんで視線を合わせた。
「君たち、スライムは炎を主食としているんだよ。だから炎を使ったゴブリン対策をしている君たちには、最悪と言って良いの相手なんだ」
「そ、そうでしたの?」
「そうだよシェネルさん。君たちは魔法を変えて、サイラスたちがこれを使えば勝てるからさ、使ってみないかな?」
僕が用意した装備は、草原ウルフという500の強さのモンスターの毛皮で出来た鎧で、冒険者たちがよく使っている装備です。
昔の僕が憧れた装備だけど、サイラスたちは直ぐに嫌そうな顔をして来たんだ。
「そ、そんな平民の装備が着れるか!俺たちは騎士だぞ」
「でもねサイラス君、その重装備じゃあラージスライムの早い攻撃はかわせないよ。受け止めたらさっきみたいに吹き飛ばされる、どうするの?」
サイラスたちのレベルは5で、まともに戦っても普通なら勝てるはずなんだ。
でも、動きを阻害する装備を着こみ、相手の好物を攻撃の主軸に使ったから勝てなくなったんだ。
「騎士は心で戦うんだ、そんな装備は使わない」
「じゃあさ、もっと陣形を考えて戦うしかないね。吹き飛ばされても平気な様に位置取るんだ、後ろの魔法士さんたちにぶつかってたら盾の意味がない」
「言いたい放題言ってくれますわね、あなた生意気よ」
「シェネルさんでしたよね?氷系が苦手みたいだけど、今の威力なら問題ない。炎はスライムにとってご飯だから使っちゃダメだよ」
装備はいつか使ってもらう事になるけど、今日はもう使わないから片付けてみんなに説明をしました。
戦いは装備の善し悪しや戦い方で変わり、冒険者はそうして戦っていると説明します。
「平民がどう戦ってるかなんて」
「シェネルさん、戦いに平民も貴族もないよ。戦い方がマネできないのなら、それの中から自分流の何かを取り入れるんだ」
そうして、僕はポイントを多く手に入れたとこの時ポロっと知らせたんだ。
サイラスたちは、次の突入でラージスライムを無傷で倒す事に成功し進んで行った。
僕の助言通りに陣形を変え氷魔法を使ったからだけど、サイラスたちの本来の実力が引き出せただけで、僕としてはその先に行ってほしいと願います。
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