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1章 異世界

3話 襲撃

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入ってきた者はあの嫌なオーラの持ち主だった、格好からこの国の王様っとこか。


「お、お待ちください国王様、この方は今来たばかりで良く分かっていないだけなのです、しっかり説明さえすれば分かってくれます」


ローブの男が何とか国王を説得しようとしている、俺はそれに答えることは出来んぞ。


「ふむ、では明日まで待とう、それでだめなら出て行くがいい、もちろん少しの資金はくれてやるぞ」


そう言って部屋から出て行った。


「では皆さま、部屋に案内しますので今日の所はお休みください、後あなた、残ってくださいお話があります」


俺以外が兵士に案内されて外に出て行き、ローブの男がため息をつきながら椅子に座った。


「それでどうして開示を拒んだんですか、あなたはこの状況を理解しているでしょう」


「ああそうだな、だから拒んだんだ、この国にはいたくないからな」


俺がそう言ったら男から少し怒りのオーラが出始めた。


「それはどういうことですか?」


「そのままの意味だ、お前らは信用出来ない、俺には分かる」


「そうですか、では分かってもらえないんですね」


「ああ、そうだな」


俺は直ぐに立ち上がり部屋の入り口に向かった。


「俺は直ぐに出て行く、それでいいだろう」


「分かりました、私から国王様に報告しておきます」



そう言って部屋を出た、少し歩いたら通路で小鳥遊先生が立っていた、待っていてくれるとは思わなかったから驚いたな。


「相良先生!どうしてあんなことを言ったんですか」


「先生あなたは人を疑わないのですか?」


困った顔をし始めてしまった、だがこれからはそうしないと大変だぞ。

この国はなんだか変だ、オーラがすさんだ者たちばかりで嘘ばかりをついている、魔王を倒して下さいと言ったあれすら嘘だった。

俺はオーラの揺らぎで相手の状態がわかるんだ、嘘を付いているとオーラが激しく揺れる、これはどんなに訓練しても変えられない、他にも怒っている人はオーラが燃え上がるし、優しい感情の時は桃色とかで綺麗だ、俺もそれを見て良い気分になる。

だがここの奴らはみな悪意に満ちたオーラを纏っている、正直吐き気がするよ。


「これから生徒に話に行きここを出ます、先生も来てください」


「そ、そんな!ここが何処かもわからないのに、せめてもう少しここで情報を集めましょう」


そうしたいがここは何か嫌な感じがする、なるべく早く出た方がいいと俺の勘が言っている。


「ダメです、ここに長くいると大変なことになる、これは俺の勘ですが確実です」


俺はそう言いながら通路を歩いて行った、小鳥遊先生も後ろから付いてきている・・・だが。


「危険すぎます!僕は行きませんごめんなさい」


「これで全員か」


生徒の部屋全部を周り、説明したが誰も付いてこなかった。


「しょうがないですよ、外の情報もなくここは危険だから離れようって言われても・・・だからもう少しここで」


「まあ、そうですね」


信用してもらう為に俺のステータスを見せた子もいたんだが、どうしてかだめだった。

仕方ないので、部屋に戻り休むことにした、他の方法に切り替える為にな。


「来たか」


少しして殺気を纏ったオーラが部屋に入ってきた。


「な、何故後ろに」


「まあ眠っとけ」


ベッドに寝ていた俺が後ろにいたことに驚いていたが、そんなもの速度を上げれば簡単だ。


「こいつを明日国王に突き出し、そこで生徒たちに話せばわかってくれるだろう、最悪この国の兵士を倒してでもな」


そう思いながら寝ずの夜を明かした、俺は一日くらい寝なくても平気なんだ、限界まで行けば2か月は平気かな?

やったことはない、いつもは10秒寝て済ませているからな、それで事足りるんだ。


「こいつが俺の部屋に来たんだが、どういうことだ」


国王謁見の際に俺は普通に拘束した者を引きずって入った、生徒はすごい顔をしていたな。


「ふむ、知らぬな」


「そうか、まあそれはいい、お前たちこれで分かっただろう、ここにいてもロクな事にはならん、俺と一緒にここを出よう」


これで全員と出て行けばいいはずだ、そのはずなんだが誰も何も言わない。


「ど、どうしたお前ら」


「あんた、その人が暗殺者だって証拠は何処にあるんだ」


証拠?何を言ってるんだマサト、こいつの格好からして暗殺者だろう、こいつがいることが証拠だ。


「相良先生、そこまでしてみんなを外に出したいんですか、危険かもしれないのに」


「小鳥遊先生・・・先生まで信じないんですか」


何故だ、誰も俺を信じていない、小鳥遊先生まで・・・確かにそんなに親しくはないがここにいる者たちよりは信用があるだろう。


俺の本気のステータスを見せれば・・・いやあの目は危険から遠ざかりたいという目だ、勇者の近くで国に保護されていれば安全だろうと。

今の日本人らしいな、危険を冒さず周りが言っていることをそのまま受け入れる・・・クソ!


「どうやらそなたについていく者はいないようだな」


「ああそうだな、じゃあ俺は行くよ、みんな最後に1つだけ言うぞ、他人を疑う事を覚えろ、せいぜい死なないようにな」


俺はそう言って生徒に背を向けた、最後に小鳥遊先生の顔を見たがオーラで分かった、あれは怒りだ。


「さて、何処に行くかな」


俺は力をコントロールして走り出した、誰も追いつけないほどのスピードでだ。
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