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10章動き出す者たち
189話 村の守り神
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「一体何をしたんだカッシュ」
アンナが言い寄っています、私も聞きたいわ。
「悪い事じゃないんだよ、ただ見られてるとは思わなかった」
カッシュが話てくれました、何でも秘密でモンスターを狩っていてここら辺の間引きをしてたんだって、更にそのモンスターを村に置いて来ていたそうよ。
「なんでそんなことしてるんだお前は」
「いや、そのね・・・村を助けるのにこれくらいしかできなかったんだ」
狩ってきたモンスターを出したら報酬で村がつぶれるからとか、狩ったモンスターは解体して置いていたとか色々言っています。
解体までしてたの?それならすぐに使えるし、処理の手数料とかもかからないわね。
「なんでそんな自分が得しないことしてるのよ」
「そ、それは」
私が言ったら下を向いてしまったわ、言えないのね。
「ま、まあいいじゃねぇか早く食事屋に行こうぜ」
「良くないけど、言えないならまぁいいわ、行きましょカッシュ」
私たちは取り合えず村に入って食事をする事にしました。
それにしても、マーコト商会の支援以外にもこんなことが起きてたのね、道理で家とか農具が良い物になってるわけね。
きっとそのモンスターをマーコト商会が買ってくれてるからお金があるんだわ。
「じゃあカッシュとの出会いに」
「「出会いに」」
私たちは食事屋に着き注文した物が来たので木のジョッキを掲げ飲み始めました。
「かあぁーうめぇー」
お酒を飲んでアンナが叫んでいます、まあ美味しいけど、もう少し何とかならないのかしら、あなたは女性なのよ。
「ほんとだねぇ」
カッシュがすぐに答えてくれています、アンナの状態を見てもなんとも思ってないのね。
「こんなおいしい物が食べられるのもマーコト商会のおかげね」
「だな、マコッチに感謝しないとな」
アンナが口を滑らせています、マコッチは外には名前を出していません、マーコト商会の長はケティーってクマで、代行でもパティーってシロクロのクマなんですよ、マコッチはパンダって言ってたわ、何が違うのかしら?
「でも料理を作ってるのはここの人でしょ?」
カッシュが普通に返しています、まぁ長の名前や私たちの会話を聞いても分からなかっただけかな。
「まあそうなんだが、このオーク肉の炒め物とかはここの伝統料理のアレンジだ、向こうにはねぇな」
確かにコルル街には無いわ、もっと変わってるのはあるけど、私の今のお気に入りはカレーね、最高なのよ。
「いました村長!!」
料理屋の扉の前でトムおじさんが叫んでいます、急に入って来て何を叫んでるのおじさん。
「何処じゃ」
「ほらあそこ」
カッシュを指さして走ってきたと思ったら、村長とトムおじさんが土下座し始めました。
「ちょっと困ります!顔をあげてください」
「そう言うわけにはまいりません、あなたのしてくれた事を考えればこれでも全然足りんのです」
トムおじさんが土下座したまま説明しています、まぁカッシュがしてくれた事は無償で出来る事ではないですからね。
私たちだって生活があるから少ししかできないのに、ずっとしてたなんて考えられないわ。
「今までのモンスターの報酬は少しずつ返していきますじゃ、今はこれでどうか許してほしいのじゃ」
村長がそう言ってトムおじさんが袋を出してきました、どれくらいか分からないけど、相当な額ね。
「要りません!それにどうして僕がそのモンスターを村に置いたと思ってるんですか?誰も見てないですよね」
「子供が見ていたんです、それを聞き容姿があなたにソックリなんです」
おじさんが即答しました、子供が見たのは軽装の拳闘士だったそうよ、そして男性で赤い鉢巻をしていて黒髪、今のカッシュにソックリね。
「そんな人いくらでもいるでしょ、それにモンスターを置いたって言いますけど、捨てたのかもしれないじゃないか、それを村の人が有効に使っただけでしょ」
「わざわざ解体して捨てる人はいないでしょ、それにあなたにも生活があるはずです、少しでも足しにしてください」
「要りませんって!僕生活に困ってません、村にはまだ必要な物があるでしょう、それに使って構いません、僕は要りません!」
自分がしてないって言いながらも内容からごまかしきれてないですね、不器用なところがアンナにソックリね。
「で、ではせめてここの食事の代金を」
「それはダメだ!俺が払うんだ」
アンナが怒って言ってきました、それもかなり酔っています、いつの間にかお酒の空き瓶が沢山あります、いつ飲んだのよ。
「で、では宿代を払います」
「それならよし、カッシュいいな!」
「う、分かりました」
アンナの勢いに負けて頷いてます、酔った相手の対応はこんな感じが良いわよね、拒否したらさらに大変になるところよ。
「うへへぇ~なかなか聞き分けが良いなぁ、そう言うやつは好きだぜ、どうだ俺と付き合うか?」
アンナがカッシュに絡んでいます、カッシュがいて良かったわ、私が絡まれるところよ。
「いいですよアンナ、でもお酒はそろそろやめような」
「えぇ~まだ平気だぞぉ~ほらこれにつげぇ~」
カッシュが言われるがままお酒を注いでいます、村長とトムさんは宿屋に走ったわ、今の状況を見られなくてよかったわ、きっと私たち怒られてたわね。
「なんかごめんねカッシュ」
それから少ししてさすがに私は言いましたよ、カッシュは大人の対応をしてくれていますけど、迷惑だものね。
「いえいえ、宿代も浮きましたからね、じゃあ出ましょうか、ほらアンナ」
「えへへぇ~愛してるぞカッシュゥ~」
アンナが肩を借りて歩いています、それにしても明日は大変そうだわ。
もしかして振られたことを吹っ切ってるのかしら?
「じゃあ僕は宿に行きますね」
「ありがとねカッシュ」
アンナを私の実家に連れてきてくれたんです、お茶に誘ったんですがもう遅いので断られました。
「ねぇカッシュ、聞いてもいいかしら?」
「何をですか?」
私は引っかかっていることがあります、まあ当然ですよね。
「これからもモンスターを倒して間引きをしてくれるの?」
「え!?・・・ま、まぁそうですね」
私たちには話してくれたし、村長たちをごまかしきれてないと解っているのでしょうね、後はあれね。
「ありがとね村を守ってくれて、マコッチにもお礼を言っておいてね」
「ええ!?どどど、どうして分かりました!?」
やっぱりそうでした、モンスターを狩っても報酬を貰わないなんて、そんなこと出来るのは後ろに誰か支援者がいないと無理です。
それも利益無視となると絶対いないわ、そして私はそれが出来る人を一人しか知りません。
「貴族も冒険者も無償でそんなことしないのよカッシュ、隠すならもう少しうまくやらないとね」
「そうでしたか・・・ま、まぁリサさんたちなら平気だと思いますので、どうか内密にお願いします」
どうやら素直に認めてくれたわ、お願いの仕方がマコッチにソックリね。
「分かったわ、じゃあアンナをよろしくね」
「え!?」
「当然でしょ、さっき告白されてたじゃない、きっと明日聞かれるわよ」
私はアンナがあれくらいで泥酔しないのは知ってるの、きっとカッシュに告白したくてあんな形を取ったんだわ。
「あれでいいのですか!?もっと雰囲気を出すとかあった方が」
「あれがアンナの限界なのよ、だから付き合ってもいいならよろしくね」
「まぁ僕も嫌いじゃないです・・・でも一緒には行けません、僕はここでモンスターを間引かないと」
どうやらマコッチから指示がされてるんですね、まあそれならここに来た時に会えればいいかな。
「それでいいわ、でも結婚とかになったら私からもマコッチに言うわね」
「う!?・・・はい分かりました」
ちょっと強引でしたけど、これでアンナも落ち着くかな。
アンナが言い寄っています、私も聞きたいわ。
「悪い事じゃないんだよ、ただ見られてるとは思わなかった」
カッシュが話てくれました、何でも秘密でモンスターを狩っていてここら辺の間引きをしてたんだって、更にそのモンスターを村に置いて来ていたそうよ。
「なんでそんなことしてるんだお前は」
「いや、そのね・・・村を助けるのにこれくらいしかできなかったんだ」
狩ってきたモンスターを出したら報酬で村がつぶれるからとか、狩ったモンスターは解体して置いていたとか色々言っています。
解体までしてたの?それならすぐに使えるし、処理の手数料とかもかからないわね。
「なんでそんな自分が得しないことしてるのよ」
「そ、それは」
私が言ったら下を向いてしまったわ、言えないのね。
「ま、まあいいじゃねぇか早く食事屋に行こうぜ」
「良くないけど、言えないならまぁいいわ、行きましょカッシュ」
私たちは取り合えず村に入って食事をする事にしました。
それにしても、マーコト商会の支援以外にもこんなことが起きてたのね、道理で家とか農具が良い物になってるわけね。
きっとそのモンスターをマーコト商会が買ってくれてるからお金があるんだわ。
「じゃあカッシュとの出会いに」
「「出会いに」」
私たちは食事屋に着き注文した物が来たので木のジョッキを掲げ飲み始めました。
「かあぁーうめぇー」
お酒を飲んでアンナが叫んでいます、まあ美味しいけど、もう少し何とかならないのかしら、あなたは女性なのよ。
「ほんとだねぇ」
カッシュがすぐに答えてくれています、アンナの状態を見てもなんとも思ってないのね。
「こんなおいしい物が食べられるのもマーコト商会のおかげね」
「だな、マコッチに感謝しないとな」
アンナが口を滑らせています、マコッチは外には名前を出していません、マーコト商会の長はケティーってクマで、代行でもパティーってシロクロのクマなんですよ、マコッチはパンダって言ってたわ、何が違うのかしら?
「でも料理を作ってるのはここの人でしょ?」
カッシュが普通に返しています、まぁ長の名前や私たちの会話を聞いても分からなかっただけかな。
「まあそうなんだが、このオーク肉の炒め物とかはここの伝統料理のアレンジだ、向こうにはねぇな」
確かにコルル街には無いわ、もっと変わってるのはあるけど、私の今のお気に入りはカレーね、最高なのよ。
「いました村長!!」
料理屋の扉の前でトムおじさんが叫んでいます、急に入って来て何を叫んでるのおじさん。
「何処じゃ」
「ほらあそこ」
カッシュを指さして走ってきたと思ったら、村長とトムおじさんが土下座し始めました。
「ちょっと困ります!顔をあげてください」
「そう言うわけにはまいりません、あなたのしてくれた事を考えればこれでも全然足りんのです」
トムおじさんが土下座したまま説明しています、まぁカッシュがしてくれた事は無償で出来る事ではないですからね。
私たちだって生活があるから少ししかできないのに、ずっとしてたなんて考えられないわ。
「今までのモンスターの報酬は少しずつ返していきますじゃ、今はこれでどうか許してほしいのじゃ」
村長がそう言ってトムおじさんが袋を出してきました、どれくらいか分からないけど、相当な額ね。
「要りません!それにどうして僕がそのモンスターを村に置いたと思ってるんですか?誰も見てないですよね」
「子供が見ていたんです、それを聞き容姿があなたにソックリなんです」
おじさんが即答しました、子供が見たのは軽装の拳闘士だったそうよ、そして男性で赤い鉢巻をしていて黒髪、今のカッシュにソックリね。
「そんな人いくらでもいるでしょ、それにモンスターを置いたって言いますけど、捨てたのかもしれないじゃないか、それを村の人が有効に使っただけでしょ」
「わざわざ解体して捨てる人はいないでしょ、それにあなたにも生活があるはずです、少しでも足しにしてください」
「要りませんって!僕生活に困ってません、村にはまだ必要な物があるでしょう、それに使って構いません、僕は要りません!」
自分がしてないって言いながらも内容からごまかしきれてないですね、不器用なところがアンナにソックリね。
「で、ではせめてここの食事の代金を」
「それはダメだ!俺が払うんだ」
アンナが怒って言ってきました、それもかなり酔っています、いつの間にかお酒の空き瓶が沢山あります、いつ飲んだのよ。
「で、では宿代を払います」
「それならよし、カッシュいいな!」
「う、分かりました」
アンナの勢いに負けて頷いてます、酔った相手の対応はこんな感じが良いわよね、拒否したらさらに大変になるところよ。
「うへへぇ~なかなか聞き分けが良いなぁ、そう言うやつは好きだぜ、どうだ俺と付き合うか?」
アンナがカッシュに絡んでいます、カッシュがいて良かったわ、私が絡まれるところよ。
「いいですよアンナ、でもお酒はそろそろやめような」
「えぇ~まだ平気だぞぉ~ほらこれにつげぇ~」
カッシュが言われるがままお酒を注いでいます、村長とトムさんは宿屋に走ったわ、今の状況を見られなくてよかったわ、きっと私たち怒られてたわね。
「なんかごめんねカッシュ」
それから少ししてさすがに私は言いましたよ、カッシュは大人の対応をしてくれていますけど、迷惑だものね。
「いえいえ、宿代も浮きましたからね、じゃあ出ましょうか、ほらアンナ」
「えへへぇ~愛してるぞカッシュゥ~」
アンナが肩を借りて歩いています、それにしても明日は大変そうだわ。
もしかして振られたことを吹っ切ってるのかしら?
「じゃあ僕は宿に行きますね」
「ありがとねカッシュ」
アンナを私の実家に連れてきてくれたんです、お茶に誘ったんですがもう遅いので断られました。
「ねぇカッシュ、聞いてもいいかしら?」
「何をですか?」
私は引っかかっていることがあります、まあ当然ですよね。
「これからもモンスターを倒して間引きをしてくれるの?」
「え!?・・・ま、まぁそうですね」
私たちには話してくれたし、村長たちをごまかしきれてないと解っているのでしょうね、後はあれね。
「ありがとね村を守ってくれて、マコッチにもお礼を言っておいてね」
「ええ!?どどど、どうして分かりました!?」
やっぱりそうでした、モンスターを狩っても報酬を貰わないなんて、そんなこと出来るのは後ろに誰か支援者がいないと無理です。
それも利益無視となると絶対いないわ、そして私はそれが出来る人を一人しか知りません。
「貴族も冒険者も無償でそんなことしないのよカッシュ、隠すならもう少しうまくやらないとね」
「そうでしたか・・・ま、まぁリサさんたちなら平気だと思いますので、どうか内密にお願いします」
どうやら素直に認めてくれたわ、お願いの仕方がマコッチにソックリね。
「分かったわ、じゃあアンナをよろしくね」
「え!?」
「当然でしょ、さっき告白されてたじゃない、きっと明日聞かれるわよ」
私はアンナがあれくらいで泥酔しないのは知ってるの、きっとカッシュに告白したくてあんな形を取ったんだわ。
「あれでいいのですか!?もっと雰囲気を出すとかあった方が」
「あれがアンナの限界なのよ、だから付き合ってもいいならよろしくね」
「まぁ僕も嫌いじゃないです・・・でも一緒には行けません、僕はここでモンスターを間引かないと」
どうやらマコッチから指示がされてるんですね、まあそれならここに来た時に会えればいいかな。
「それでいいわ、でも結婚とかになったら私からもマコッチに言うわね」
「う!?・・・はい分かりました」
ちょっと強引でしたけど、これでアンナも落ち着くかな。
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