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69、男は獣、だから不安
しおりを挟むオーロラは、ノアールを止められない事に緊張が走ったが、結果、ノアールはちゃんと理性を保っていた。ノアールは自身が放った白濁を綺麗にし、どさっとオーロラの横に倒れ込み、ぎゅっと抱きしめた。
「ノアール?」
「驚かせてすまん」
「えぇ、かなり焦ったわ」
「我慢・・・できなかった」
「ノアールって意外と強引なのね?力が強くて驚いたわ」
「だって・・・ずっと焦らして待てさせるから」
「それは本当に謝るわ、ごめんなさい。でも、ノアールにあんな一面があるって事を知れたわ」
「男は皆獣になる。だから、オーロラの魅力に大勢の男達が気づいてしまった今、他の男に攫われるかもしれないし、襲われやしないか不安でたまらない」
「だから、いつも他の男性の前で全力で牽制するの?」
「そうだ・・・わかっただろ?女は男より力が弱い。抵抗できない。だから、他の男にこんな事されたらなし崩しになってしまう。セシル殿下の時も怖かっただろ?」
「あぁ・・・あの時は・・・手足は拘束されてたし、力ずくで抑え込まれたりはしてないわ」
「そうか・・・そうだった・・・な・・・ん?・・・あれ・・・もしかして、俺、無駄にオーロラを怯えさせたんじゃ・・・ご、ごめん、オーロラ!」
無理矢理力ずくでとは誰もやっていないという事に気付いたノアール。オーロラは抱きしめるノアールの胸に頭を押し付ける。
「怖かったわ・・・止めてって言っても聞いてくれなくて・・・」
「うっ・・・ごめん・・・なさい・・・」
ノアールは自身がしてしまった事に後悔し、プルプルと震え始める。そんなノアールに気付き、オーロラは顔を上げるとそっと唇に優しくキスをする。
「ん・・・」
「でも、ちょっと、なんていうか・・・初夜が楽しみだわ」
「・・・初夜・・・」
「ノアールに無理矢理されるの・・・癖になりそう・・・さっき、あまりの強引さに・・・ちょっと、その・・・」
珍しく歯切れの悪いオーロラを不思議そうに見つめるノアール。
「ノアールが激しく求めてくれる事が嬉しくて・・・つい・・・興奮しちゃったわ!」
「そ、そうなのか!?」
「えぇ、力強くって逃げられない事も、今から何されるのっていうのも、怖いより、ゾクゾクっとするような変な感じだったわ。一線は越えない事を必死に止めようとしていたけど、どこかでもっとしてほしいと思ってしまった自分もいたの」
「・・・もっと?・・・結婚式が・・・」
「・・・?なに?」
「オーロラを・・・逃がさない」
「ん?」
「やめてって言ってもやめない。いやだって言ってもそのまま続ける。止めれる気がしないし、いくらでもできる気がする。俺のが勃たないならさっきみたいにいっぱい気持ちよくしてやる。もう、何も考えられなくなるくらいにぐずぐずにして、俺なしじゃ生きていけないようにする。毎日する。寝かせてやれないかもしれない。もう四六時中俺のことしか考えられなくなるくらいにオーロラの身体に覚え込ませてやる」
耳元でボソボソ話すノアールだったが、色々と聞き逃せないような言葉が耳に入ってくる。
「私の体力持つかしら・・・」
ノアールが満面の笑みでパッと顔を上げる。
「起き上がれなくなったら俺が介抱する!楽しみ!」
「いや、病気の時にやってくれればいいから。なんか、ノアールって、介抱したいが為に私の体力を奪いそうだわ」
「あ、それがいい、そうしよう!」
「いや、しなくていいって言ってるの!」
余計な事を言ってしまったと反省したオーロラだった。
その晩も夜着のリボンをお互いの腕に絡ませて眠る。
「ずっと一緒よ、ノアール」
「あぁ、ずっと一緒」
こういう夜は、ノアールは眠りにつくのが早い。スッキリして、オーロラの温もりに安心して、眠気が襲ってくるのだ。
「私の可愛いノアール・・・おやすみ」
いい夢を見ているのだろうか、ノアールがにへらっと笑った。
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次回
知らなくて驚いたよ
俺も同じがよかったのに
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