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【アリエルside】いい熊さんにはご褒美
しおりを挟む執務室を一緒にしたのは正解だったな。常に近くにリシェがいる。執務が楽しく感じてはかどるぞ。でも、リシェは俺がサボってると思っているらしく、執務に集中させようと素っ気ない態度をとってくる。しかし、実はもう・・・終わってるのだ。そう、俺はリシェに構って欲しくて仕方ない。
「リシェ、俺の膝に来ないか?」
「いいえ、執務がまだ残っておりますから、遠慮しますわ」
リシェを抱っこしたい・・・遠慮などせず、どんどん甘えてくれていいのに
「リシェ、お茶にしよう」
「さっき、休憩したばかりですよ?」
あぁ・・・リシェが構ってくれない・・・俺はリシェといちゃいちゃしたいのだ!
「リシェ、ちょっとこっち向いてくれないか?」
「後でいくらでも見ていいですから、まずはお仕事しましょう?」
リシェの可愛い顔が見たい。こっち向け、こっち向いてくれ、俺を見てくれ!もう、執務は終わってるんだ・・・リシェに構って欲しくてさっきから終わってないふりをしているだけなんだ。
「執務が終わらないなら、今夜は一緒に寝れませんわね?」
な、なに!?なんという罰だ!そんなの辛い。あの辛さはヤバい・・・もう味わいたくない。
「い、いや、もう終わってる!」
「あら、いつの間に」
「褒めてもいいぞ?」
リシェ、褒めてくれ。頭をヨシヨシしてもいいぞ?ご褒美をくれ・・・あ、あれ!?リ、リシェ、どこに行くんだ!?
「リ、リシェ!どこに行くんだ!?俺も一緒に」
俺がしつこかったから嫌になったか?ちょっとウザかったか・・・どこに行くんだ?お前の行くところに俺も行くぞ!後ろをついて回りたいぐ・・・らい・・・だ?
「・・・リシェ?」
リシェ?なんでソファに?
ポンポン。
「休憩しましょう?」
休憩?膝を叩いて・・・ひ、膝枕か!?頭をヨシヨシなど想像していた俺をはるかに超えてくるではないか!なんたるご褒美だ!いかん、感動している場合じゃない、膝枕!!
「リシェー!」
はぁ・・・やっとリシェに触れられた。これは本当に幸せだ。俺はリシェに出会うまで、こうやって甘える幸せを知らなかった。悔やまれる・・・はぁ・・・幸せだ。俺がいとも簡単にデレデレになってしまうなんて・・・リシェは凄いな。本当に魔法使いだな。しかし、その魅了魔法は他の男に使うんじゃないぞ?寄ってくる男が増えてしまうではないか。ただでさえ多いというのに、これ以上増えたら気が気じゃない。魔法は俺だけにしか使うなと言わなければな。なんなら俺には魔法は必要ない。もう、リシェにメロメロなんだからな。
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次回
とにかく医者を呼べ
俺の身体は頑丈にできているからな
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