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20、私はあなたを望まない
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「ライアン殿下、マーガレットとカトレアには何度も会っておられたな?」
「ええ、こちらの王宮での茶会や夜会などで何度もお会いしてますよ。年々美しくなられて引く手数多でしょう?」
「まぁ、殿下はお世辞がお上手ですわ、ねぇ、マーガレットお姉様」
「ええ、ライアン殿下は令嬢みんなに優しいのだから」
「いやいや、本当の事しか言えないだけですよ」
「して、ライアン殿下は今回の滞在で、行きたい場所や見たいものはあるのか?」
国王が案内場所の詮索をする様に尋ねた。
「そうですね、こちらの国は繊維事業が盛んだと聞いてますので、技術や知恵などを勉強できたら嬉しいですね。ミーティア王女殿下との今後も考えて、教会やドレス、宝飾品など参考にできる店も見ておきたいですね」
「まぁ、ライアン殿下、ミーティアとそのようなお話まで進んでいるのですね!」
「ち、違いますわ、カトレアお姉様!」
「ミーティア王女殿下、そのように照れなくても良いのですよ?いずれ必要になる物ですし、今から考えておくのも悪くないでしょう?」
「わたくしは望んでおりませんわ!」
「まぁ、ミーティアよ、食事の場でそんなに声を荒げるな」
「そうですわよミーティア、淑女として恥ずかしいですわよ、ねぇマーガレットお姉様」
「そうよ、もっとお淑やかにしないと、ライアン殿下に嫌われますわよ?」
「べ、別に構わないわ!」
(もう、いや!早くここから去りたい)
俯くミーティアを心配そうに見つめるバージルであったが、それをライアンはしたり顔で見ていた。
「照れていらっしゃるようだ、そんなミーティア王女殿下もお可愛らしいですよ」
「・・・わ・・・わたくし、食欲がありませんわ・・・失礼します」
力なく呟くような声で言ったミーティアは部屋を出る。少し歩いた先の通路で苦しくて涙が出た。
「うっ・・・うっ・・・」
「ティア・・・」
「いつもそう・・・誰も助けてはくれない・・・止めてもくれない」
ミーティアは、バージルの腕の中にすっぽりとおさまるように体を預けた。
「なんでこんな事になるの・・・もう無理よ・・・」
「ティア、庭園に行こうか、少し話をしよう」
そう言うと、バージルはミーティアを抱き上げ、王宮の通路をゆっくり歩いた。
もう3月も終わろうとしているが、夜風は冷たい。
庭園のベンチにミーティアを乗せて座る。
二人はお互いの温もりを確かめるように、静かに抱き合った。
「ええ、こちらの王宮での茶会や夜会などで何度もお会いしてますよ。年々美しくなられて引く手数多でしょう?」
「まぁ、殿下はお世辞がお上手ですわ、ねぇ、マーガレットお姉様」
「ええ、ライアン殿下は令嬢みんなに優しいのだから」
「いやいや、本当の事しか言えないだけですよ」
「して、ライアン殿下は今回の滞在で、行きたい場所や見たいものはあるのか?」
国王が案内場所の詮索をする様に尋ねた。
「そうですね、こちらの国は繊維事業が盛んだと聞いてますので、技術や知恵などを勉強できたら嬉しいですね。ミーティア王女殿下との今後も考えて、教会やドレス、宝飾品など参考にできる店も見ておきたいですね」
「まぁ、ライアン殿下、ミーティアとそのようなお話まで進んでいるのですね!」
「ち、違いますわ、カトレアお姉様!」
「ミーティア王女殿下、そのように照れなくても良いのですよ?いずれ必要になる物ですし、今から考えておくのも悪くないでしょう?」
「わたくしは望んでおりませんわ!」
「まぁ、ミーティアよ、食事の場でそんなに声を荒げるな」
「そうですわよミーティア、淑女として恥ずかしいですわよ、ねぇマーガレットお姉様」
「そうよ、もっとお淑やかにしないと、ライアン殿下に嫌われますわよ?」
「べ、別に構わないわ!」
(もう、いや!早くここから去りたい)
俯くミーティアを心配そうに見つめるバージルであったが、それをライアンはしたり顔で見ていた。
「照れていらっしゃるようだ、そんなミーティア王女殿下もお可愛らしいですよ」
「・・・わ・・・わたくし、食欲がありませんわ・・・失礼します」
力なく呟くような声で言ったミーティアは部屋を出る。少し歩いた先の通路で苦しくて涙が出た。
「うっ・・・うっ・・・」
「ティア・・・」
「いつもそう・・・誰も助けてはくれない・・・止めてもくれない」
ミーティアは、バージルの腕の中にすっぽりとおさまるように体を預けた。
「なんでこんな事になるの・・・もう無理よ・・・」
「ティア、庭園に行こうか、少し話をしよう」
そう言うと、バージルはミーティアを抱き上げ、王宮の通路をゆっくり歩いた。
もう3月も終わろうとしているが、夜風は冷たい。
庭園のベンチにミーティアを乗せて座る。
二人はお互いの温もりを確かめるように、静かに抱き合った。
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