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52、さすがはカーラ

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王妃の部屋に侍女のカーラが呼ばれた。

「カーラ、わざわざ悪いわね」
「いえ、とんでもございません」
「あなたを呼んだのは、大事な話があるからよ」
「大事な話とは・・・」
「カーラ、ミーティアのお腹にはバージルとの子がいるそうよ」
「誠にございますか!?ミーティア様、バージル様、誠に喜ばしい事でございます!おめでとうございます!」
「ありがとう、カーラ」
「カーラ、お願いがあるわ」
「何なりと申し付けください」
「ミーティアはまだ16歳だけど、未来の女王になる事が決まっているわ。ミーティアを害そうとするものや噂なども何が子に障るかわからない」
「そうでございますね。慎重に事を運びたいところでございます」
「それでね、子を宿している事は、陛下はもちろん周りの者達には伝えず、限られた信頼のおけるものだけで二人の周りを固めたいの」
「はい、それがよいかと思います」
「誰をつかせるか、あなたの意見を聞きたいのよ」
「そういう事でしたら、僭越ながらご意見よろしいでしょうか?」
「えぇ聞かせて頂戴」

王妃からの言葉にひるむことなく、カーラは自分の思うことを話していった。

「まず、限られた者だけで情報共有ということで、適任なのは王妃様に仕えている者で、教育の行き届いた者を安定期に入るまでお貸しいただければと」
「確かにそれが確実ね」

「それから、ミーティア様は初めてのご懐妊です。不安や慣れない事もございましょう。出産を経験している御婦人の侍女や、メイドをつけたほうがいいかと思います。体調管理や食事の管理から周りに漏れる事もございましょう」
「それは大事ね、女同士、経験者にしかわからない事もあるでしょうね」

「食事の面から考えますと、料理人も厳選したがいいでしょう。食事内容をお一人だけ変えるのも怪しいですし、何より毒の混入が心配です」
「サファイア宮に、専属の料理人を入れましょう。医者が言ったように、夏の疲れが出て静養が必要だとでも言えば、食事を共にせずともよいでしょうから」

「後は、こんな事もあろうかと、ご結婚されてからは身体のラインが見えにくいドレスを選んでおりましたが、安定期に入るまでの身体の変化も考えて、再度見直しを図ります」
「それは大事だわ。でもあまり大事にするといけないから徐々にお願いね」

内容はどれも納得の行く事ばかり。話し合いが終わり人の選定も済んで、夜には配置換えなどが秘密裏に行われていた。



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次回

あなたは知ってるでしょう?私は知らないわ
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