132 / 211
純情令息とお転婆公爵令嬢
辺境伯当主が選んだ相手
しおりを挟むエミリアが辺境の屋敷に滞在し数日が経った。稽古が終わり、父である当主に呼ばれ、セシルは応接室へと出向いていた。
「あぁ、セシル来たか」
「失礼します。応接室とは珍しいですね。話とはなんでしょう?」
「いい話だ。実はな、お前にいい縁談がきたんだ」
「・・・縁談・・・」
「睨むな。いい話だぞ?」
「別に・・・興味ありません」
「そうか・・・断るのは胸が痛むな・・・」
「何が言いたいのです、父上」
「お前は結婚するつもりはないのか?」
「辺境の騎士は、いつ命を落とすかわかりません。安易に結婚など・・・」
「そうは言っても、このままずっと独り身というわけにはいかんだろう?」
「しかし・・・」
「何件も釣書が届いている。その中でも一番の相手を私が選んだ」
「俺は!・・・」
「なんだ、好きな相手でもいるのか?」
「・・・」
「いないのか?だったら進めても問題ないな」
「・・・います」
「何?」
「お慕いしているご令嬢がいます」
「ほぉ・・・私が選んだご令嬢より、すばらしいご令嬢だと?」
「えぇ、そうです!」
「そうか、だったら、この縁談は断るしかないな・・・」
「えぇ、そうしてください!話は終わりでいいですね!」
「セシルよ、本当にいいんだな?」
「えぇ、かまいません」
「後悔はしないな?」
「父上、何が言いたいのです!」
辺境伯は、一旦間を置くと、どこかに向かって声をあげた。
「お断りするのは忍びないのですが、息子が言う事を聞きません。お慕いしているご令嬢がいると言うのです、どうしましょうか?」
「?」
辺境伯である父が、どこに向かって話しだしたのかと疑問を抱いていると、カーテンがゆらっと動き、人が出てきた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
ち、違います、そういう事では!!
お、お慕いしているのは・・・
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
137
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる