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純情令息とお転婆公爵令嬢

辺境伯当主が選んだ相手

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エミリアが辺境の屋敷に滞在し数日が経った。稽古が終わり、父である当主に呼ばれ、セシルは応接室へと出向いていた。


「あぁ、セシル来たか」

「失礼します。応接室とは珍しいですね。話とはなんでしょう?」

「いい話だ。実はな、お前にいい縁談がきたんだ」

「・・・縁談・・・」

「睨むな。いい話だぞ?」

「別に・・・興味ありません」

「そうか・・・断るのは胸が痛むな・・・」

「何が言いたいのです、父上」

「お前は結婚するつもりはないのか?」

「辺境の騎士は、いつ命を落とすかわかりません。安易に結婚など・・・」

「そうは言っても、このままずっと独り身というわけにはいかんだろう?」

「しかし・・・」

「何件も釣書が届いている。その中でも一番の相手を私が選んだ」

「俺は!・・・」

「なんだ、好きな相手でもいるのか?」

「・・・」

「いないのか?だったら進めても問題ないな」

「・・・います」

「何?」

「お慕いしているご令嬢がいます」

「ほぉ・・・私が選んだご令嬢より、すばらしいご令嬢だと?」

「えぇ、そうです!」

「そうか、だったら、この縁談は断るしかないな・・・」

「えぇ、そうしてください!話は終わりでいいですね!」

「セシルよ、本当にいいんだな?」

「えぇ、かまいません」

「後悔はしないな?」

「父上、何が言いたいのです!」


辺境伯は、一旦間を置くと、どこかに向かって声をあげた。


「お断りするのは忍びないのですが、息子が言う事を聞きません。お慕いしているご令嬢がいると言うのです、どうしましょうか?」

「?」


辺境伯である父が、どこに向かって話しだしたのかと疑問を抱いていると、カーテンがゆらっと動き、人が出てきた。




ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

ち、違います、そういう事では!!

お、お慕いしているのは・・・


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