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拗らせすぎた片想い

★☆結婚式のその日に

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「はぁ・・・全く、なんで俺が4つも上のあんたと結婚しなければならないのさ」


侯爵家へと移り住んだ初日、夕食も済ませそれぞれが部屋に戻り、シルビアはセドリックの自室に呼ばれていた。その自室でセドリックは、先ほどまで可もなく不可もない態度を一変、悪態をつきはじめた。


「こう見えて俺結構モテるんだ。あんたなんかじゃなくて、もっと若い綺麗な女はいくらでもいる。父上が公爵家との縁を欲しがっただけ。それだけだ。俺はあんたに対する情は一切ない。だから何も期待しない事だな。俺はまだ遊びたいからな。あんたも家に迷惑かけない程度には自由に遊べばいいよ。まぁ、あんたみたいな年増を相手にするような男、オッサンぐらいしかいないだろうけど」


自分は望まれない花嫁だと突き刺された。セドリックは宣言通り、毎日外に出かけては他の女と遊び歩いているようだ。毎日のように香水の匂いがし、髪や服が乱れたまま帰る事も少なくない。生活は保障されている。何も辛いことなんてない。そうやって自分を必死に慰めていた。


三カ月が過ぎ、結婚式の日になった。式は滞りなく進み、披露パーティへと移った。この後は初夜となるが、どうするのだろうとシルビアは考えていた。パーティの最中にセドリックの姿が見えなくなり、どうするのか聞くこともできずにメイドに連れられ初夜の準備に入ることになった。体を磨かれ、透けた薄い夜着を着せられた。自室から内扉で繋がる夫婦の寝室に足を踏み入れるが人のいる気配はない。待っていればいいのだろうかと寝台に腰を落ち着ける。しばらくするとどこからか声がする。隣のセドリックの部屋のようだった。今、部屋に戻り湯浴みをしているのかもしれないと思った。しかし、それは間違いであると気付く。耳を塞ぎたくなくような声が聞こえ始めたのだ。




「あっ、あんっ、セド、リックさまぁ、んっ」

「キャシー、可愛いな、こんなに溢れさせて・・・」

「あんっ、あっ、いあっ、あっ、もっと、もっとぉ・・・」

「ははっ、もっとか・・・おねだりが上手だなっ、ほらっ」

「あああぁぁっ、すごっ、いっ、はげしっ、あっ、あん、んんっ」

「ガタガタ身体を震わせてっ、そんなに俺のがいいか?・・・っ・・・射精すぞっ!」

「はいっ、ください」


シルビアは息が詰まりそうだった。壁一枚、隣の部屋で夫となったセドリックが、他の女性を引き込んで肌を重ねている。結婚式のその日にだ。気付けば足速に自室に戻っていた。シーツにくるまり一夜を明かした。当然眠れるはずがなく、一晩中二人の声が脳内から離れなかった。


翌朝も寝台から出ることはできず、そのまま過ごした。侯爵夫妻は初夜と昨日の結婚式で疲れているのだろうとそのままにしていた。メイドや侍従達もセドリックの部屋の寝台が使われた跡があった為、疑いもしなかった。そう、シルビアが純潔を失ったのだと誰もが思っていた。


それからもセドリックは毎日のように出かけていった。シルビアとはほとんど顔を合わせることもなく。





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次回

お義父様、お義母様、いいのです。一日だけください。





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