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恋した君と愛する君

本邸でのお茶の時間

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次の日。


マーガレットは自室でハンカチに刺繍をしていた。サイラスにプレゼントしようと名前を入れる。


「レット、今日は本邸に行く」

「本邸ですか?」


サイラスの弟であるクライスとその夫人が、サイラスとマーガレットをお茶に誘ってきた事で本邸に出向くことになった。


「マーガレットさん、ここでの暮らしはどうですか?不便はないですか?」

「はい、とてもよくしていただいています」


クライスの問いに、マーガレットはにっこりと微笑みを返す。その様子を見ていたサイラスの顔は不機嫌そうだ。


「マーガレットさんは可愛らしいわ!なんだか妹ができたみたい!」

「兄上、可愛らしいお嫁さんが来てくれてよかったですね」

「・・・あぁ、やらんぞ」

「兄上がそんなこと言うなんて思わなかったな」

「おかしいか?」

「いいえ、嫉妬する事もあるのかと思っただけですよ」

「嫉妬か・・・」


サイラスが、マーガレットの腰にまわしていた手に力を入れた。マーガレットはそれに気付き驚いていた。


「兄上達がうまくいっているのは嬉しいよ」

「えぇ、とってもお似合いですもの」

「マーガレットさんには負担をかけます・・・僕のせいですみません・・・」

「?」

「僕が機能不全なんかでなければ・・・よかったんですが」


クライスの背中を夫人が優しく撫でている。事情を知らないマーガレットは初めて聞く内容に、何の話かとクライスを見つめる。


「あっ・・・」


サイラスにぐっと抱き寄せられた。


「マーガレットさん?どうなされたの?」

「・・・あぁ、レットは少し気分がすぐれないようだ。そろそろ失礼するよ」

「えぇ、お大事に。また、お茶しましょうね」


サイラスは部屋を出ると、マーガレットを抱き上げ足速に本邸を後にした。



「だ、旦那様!?」

「・・・俺を嫉妬させて楽しいか?煽っているのか、マーガレット」

「煽ってる?何もそんなつもりは・・・」

「まぁ、いい、時間はたっぷりあるからな。僕のマーガレット」


優しい笑みを浮かべるも、その瞳の奥は笑っているようには見えなかった。




ーーーーーーーーーーーーー

次回

クライスに色目を使って・・・どういうつもりだ?





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