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18.胸のホールを埋めてください

400.小さな違和感…  (side会長)

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八時ちょうどにやってきたアキラ君を見て少しびっくりした。


まずバイクで来よった。
バイクを乗ることは知っていたが
その格好が…光沢のないマットなライダージャケット、クリーム色のセーターに中に着ている明るめの茶色のシャツの襟をチョイ見せしている。下はカーキ色のカーゴパンツだ…


寝癖もない素から整った顔立ちが、めちゃくちゃ様になっている。理想の彼氏コーデみたいな格好で来よった…
確かな気合を感じる、だが何か違和感がある


「おはようございます。朝から本当にすいません、どうしても気がかりなことがありまして…」


格好に反して顔色はあまりよくなく、青白い顔をしている。


「あぁおはよう、構わんよ!
わしは完全に朝方人間じゃし、皆もどちらかというと朝の方が強いんじゃよ!もう応接室にそろっとるよ…」


田中にまた昨日のことを詫びてから、応接室に進んでいく。
これ田中、鼻をすするな…我慢せい!何泣きそうになっとるんじゃ…
しかたないやつじゃな


応接室に入ると、ジョン君はいつもの窓側の机に座り紅茶とクッキーをかじっている。


ジーザスは奥のローテーブルとソファにパソコンを開いて陣取っている。


「あの…昨日はすいませんでした。
僕、記憶が…ジョン君もシノダ教授も疑うようなことを言ってしまって…」


アキラ君の言葉に二人の頬がゆるむのがわかる…
アキラ君はジョン君の前に進むと、椅子に座っているジョン君を見上げる用にしゃがんで膝をつく。
その体制はまるで跪いているようで…


なんじゃ?今日のアキラ君は…
何かがすごく違和感がある…
いつもより動きが柔らかい?この前のギャップでそう感じるだけか?


わからない違和感にとまどっていると


「ジョン君…あのちょっと聞きたいことがあって…できればあまり人のいないところに
でも君を怖がらせたくないんだ…
会長には同席してもらうから…」


ジョン君の顔に盛大に?マークがでている。
たぶんわしにもでている。


「別に僕はおじいちゃんに聞かれるなら、シノダ教授や田中さんに聞かれて困ることはないよ?
ここでかまわないよ?」


ジョン君の言葉に、アキラ君は少し悩みながら下を向き小さくため息を着いた。
右手は左胸のライダージャケットのポケットを握りしめている


決心をしたように、深く息を吸っていった。
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