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31.番う軌跡
904.シバはモテる (sideバスター)
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怒られると思ってたのに、めちゃくちゃ甘やかされた。お小言だと思ってのに、ベロベロに甘やかされた。
もうこの年でそんな、頼って、我儘言って、耐えないで、甘えて!なんて言われても…
恥ずかしいんだよ!!
そんなことずっと言われてこなかったし、もう私は独り立ちして数十年になるんだぞ!…もう甘やかされるような年じゃない、おっさんなんだよ!
あの後は膝枕をされたままひたすら撫でられてキスをされて、耳を優しく噛まれて…もう恥ずかしくて顔から火がでそうだった!
そんな祝日を過ごして、仕事に戻ったのだが…
朝の打ち合わせが終わり、シバとアキラさんが退室していく、そのタイミングでシバへの連絡事項を伝え忘れたことを思い出したため、すぐに立ち上がり跡を追うと
二人の女性職員がシバの行く手を遮るようにして立ちシバが立ち止まっていた。この状況は…
一人は剣技のコーチで、大変にハキハキと気立てがよくて腕も立つ元戦士としても優秀だった。身長はシバと変わらないくらいだが、シバよりもウェイトがありそうなムキムキ体型だ。
そしてもう一人は事務員の制服を着ている。
大変に小柄で、栗毛のふわふわでカールしたもこもこのツインテール、目の大きな可愛らしい顔立、低い鼻筋にプニッとした口元がどこか愛嬌がある。たぶん人狼だろうか?
「この子さ、人狼なのよ!ちょっと人間よりな見た目だけど、先祖返りみたいでね?
シバさんとはお似合いだと思うんだけど、どうかしら?いい子なのよ?」
「あの…私、ここの施設に配属されてからずっとシバさんのことが気になってて、組もダーク様のところですよね?私もなんです。だから、接点もあるかなって…あのっこれよかったら、私が作ったんですけど…クッキーなんですけど」
告白はもっと人目の付かないところでやるものだろう、学生ではないのだから就労時間にするものではないだろう
などと正論が頭のに過るが、それ以上に私の感情が深いため息を吐かせた。
そうだよな…シバはモテるから…
あまりにもタイミングが悪いので、連絡は後にしようと踵をかえそうとすると
「すいませんが、結構です。
あと、俺はもう番申請書出しててるので、決まった番がいますから、こういうことされても困ります。」
「えっ?……でもまだ申請書ですよね?
番届じゃなければ、まだチャンスはあるってことですよね?」
「えっ?いやっ…ないですから、俺はバッ…あの、今のパートナーさんしか番う気はありませんから、こういうのはやめてください!」
今、バスターさんって言いかけたな…
あと相手の女性も見た目によらずガッツがあるな…なんてくだらない雑念が頭に過りながら、嬉しさでどうしても口元がゆるゆるに緩みそうになる。
「うっ…せめてこのクッキーだけでも受け取ってください!貴方のことを想って…」
「シバっ!すまないが、連絡事項を伝えるのを忘れていたんだ、少しいいかな?
おやっ…何かお取り込み中だったか?」
「いえ、こちらの要件は終わりましたので、わかりました。すぐに戻りますので、すいませんがそういうことですから!」
シバがくるりっと振り返るとすごくいい笑顔でこっちに向かってくる。たぶん聞いていたのわかっているのだろう…
「ふふっ…ありがとうこざいます。助けてくれたんですか?あれくらい俺一人で否せたのに、でも…ふふっ、嬉しいっ…」
小さな声で呟いてくる、顔が熱くなるならやめてほしいのだが…
「何よ!私がっせっかく作ってやったのに!
許せない…許せない…あんな犬っころが、許せない!!」
もうこの年でそんな、頼って、我儘言って、耐えないで、甘えて!なんて言われても…
恥ずかしいんだよ!!
そんなことずっと言われてこなかったし、もう私は独り立ちして数十年になるんだぞ!…もう甘やかされるような年じゃない、おっさんなんだよ!
あの後は膝枕をされたままひたすら撫でられてキスをされて、耳を優しく噛まれて…もう恥ずかしくて顔から火がでそうだった!
そんな祝日を過ごして、仕事に戻ったのだが…
朝の打ち合わせが終わり、シバとアキラさんが退室していく、そのタイミングでシバへの連絡事項を伝え忘れたことを思い出したため、すぐに立ち上がり跡を追うと
二人の女性職員がシバの行く手を遮るようにして立ちシバが立ち止まっていた。この状況は…
一人は剣技のコーチで、大変にハキハキと気立てがよくて腕も立つ元戦士としても優秀だった。身長はシバと変わらないくらいだが、シバよりもウェイトがありそうなムキムキ体型だ。
そしてもう一人は事務員の制服を着ている。
大変に小柄で、栗毛のふわふわでカールしたもこもこのツインテール、目の大きな可愛らしい顔立、低い鼻筋にプニッとした口元がどこか愛嬌がある。たぶん人狼だろうか?
「この子さ、人狼なのよ!ちょっと人間よりな見た目だけど、先祖返りみたいでね?
シバさんとはお似合いだと思うんだけど、どうかしら?いい子なのよ?」
「あの…私、ここの施設に配属されてからずっとシバさんのことが気になってて、組もダーク様のところですよね?私もなんです。だから、接点もあるかなって…あのっこれよかったら、私が作ったんですけど…クッキーなんですけど」
告白はもっと人目の付かないところでやるものだろう、学生ではないのだから就労時間にするものではないだろう
などと正論が頭のに過るが、それ以上に私の感情が深いため息を吐かせた。
そうだよな…シバはモテるから…
あまりにもタイミングが悪いので、連絡は後にしようと踵をかえそうとすると
「すいませんが、結構です。
あと、俺はもう番申請書出しててるので、決まった番がいますから、こういうことされても困ります。」
「えっ?……でもまだ申請書ですよね?
番届じゃなければ、まだチャンスはあるってことですよね?」
「えっ?いやっ…ないですから、俺はバッ…あの、今のパートナーさんしか番う気はありませんから、こういうのはやめてください!」
今、バスターさんって言いかけたな…
あと相手の女性も見た目によらずガッツがあるな…なんてくだらない雑念が頭に過りながら、嬉しさでどうしても口元がゆるゆるに緩みそうになる。
「うっ…せめてこのクッキーだけでも受け取ってください!貴方のことを想って…」
「シバっ!すまないが、連絡事項を伝えるのを忘れていたんだ、少しいいかな?
おやっ…何かお取り込み中だったか?」
「いえ、こちらの要件は終わりましたので、わかりました。すぐに戻りますので、すいませんがそういうことですから!」
シバがくるりっと振り返るとすごくいい笑顔でこっちに向かってくる。たぶん聞いていたのわかっているのだろう…
「ふふっ…ありがとうこざいます。助けてくれたんですか?あれくらい俺一人で否せたのに、でも…ふふっ、嬉しいっ…」
小さな声で呟いてくる、顔が熱くなるならやめてほしいのだが…
「何よ!私がっせっかく作ってやったのに!
許せない…許せない…あんな犬っころが、許せない!!」
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