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第一章 始まりの館
Chapter18 値上げ
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翌日は小雨だった。
朝早くにアルシャインは男性用と男の子用のレインコートを作る。
レース編みのコースター2つや羽も付けたドリームキャッチャーを2つ作った。
「それ欲しいって言われたら?」
そうティナジゼルが聞くと、アルシャインは考える。
「そうねぇ…コースターはカウンターに使っておいて…それでも欲しい人には3百、ドリームキャッチャーは窓に飾っておくから…5百かな?」
「…売るより飾りたいんだね」
いつもより高い値段なのでレオリアムが苦笑して言う。
「飾りたくて作ってるのよ、当たり前じゃないの!」
そう言いアルシャインはキッチンに立つ。
みんなはクスクス笑ってアルシャインを見た。
旅人2人はステーキやラビオリやラザニアやパイまで食べた。更にパウンドケーキを5個ずつ持ち帰りに買ったので、無くなってしまう。
アルシャインはパウンドケーキを作りながら言う。
「…ついでにクッキーも作っておきましょうか」
そう言いクッキーを作る。
「これはみんなでおやつに食べてね」
「売る時は?」とクリストフ。
「え…?」
「だって、袋に入れてカウンターに置くとみんなが欲しがるもん」とクリストフ。
みんながうんうんと頷く。
「え…えーと…」
「3枚1Gは?アイシャママは1Gが好きだから」とマリアンナ。
「2枚だよ」とレオリアム。
「うん、2枚だな」とルベルジュノー。
みんなが賛成した所にエイデンがやってくる。
「おはよう」
ロレッソが言うとみんなが
「おはよう!」と答える。
「はは!元気でいいな。外のかまどは、曇りか晴れの日でいいか?あ、コーヒーくれ」
そう言いながらロレッソがカウンターに座る。
「お、いい匂いだな…何を作ってるんだい?」とロレッソ。
「ベリーとオレンジのパウンドケーキとクッキーですよ」
笑ってアルシャインが答えると、ロレッソが笑って言う。
「その焼き立て貰えるか?ケーキは…3つでクッキーは…書いてないな」
ロレッソがメニューの黒板を見ながら言うので、ルベルジュノーが〝クッキー2枚1G〟と書いた。
「2枚ずつか…2枚くれ。美味かったら土産に貰っていくよ」
そう言って注がれたコーヒーを飲む。
「クッキー焼けましたよ」
アルシャインが言い、パウンドケーキとクッキーを出す。
そこに婦人達が入ってくる。
「素敵なレース編みね」
早速窓のドリームキャッチャーを見て言う。
「ウチにもこんな飾りがあったらいいわね」
「これは売り物?」
婦人達が聞いてくるので、リナメイシーが駆け寄って言う。
「幾らだと思いますか?」
笑って聞くと、婦人達はドリームキャッチャーを見つめながら言う。
「そうね、5百かしら…」
「いえ、8百よ。雑貨屋で見た飾りより細かいし、間違いないわ」
2人で言い合うので、レオリアムが言う。
「650ですよ、マダム」
5百と8百の間を取った。
するとマダムがそれぞれに指差して言う。
「これをくださらない?」
「はい」
答えてマリアンナとレオリアムが窓から外してお守り匂い袋と共に紙袋に入れて渡す。
マダムは7P渡してきた。
「残りのお金で紅茶とアップルパイをちょうだい。キャンディもね」
「私もよ。子供達がキャンディを欲しがってしまって…」
2人が言いながら席に着いて、慌てて言う。
「そのクッキーも…」
同時に言い、顔を見合わせて笑ってからまた同時に言う。
「4枚ね」
「ありがとうございます!」
みんなで言って笑うが、アルシャインは苦笑した。
〈やだ、いつになったら窓いっぱいに飾れるのかしら…〉
不安になりながらも、アルシャインはフルーツを切る。
ランチには街から果物売りや綿屋、布屋などの人々が来て普通に注文していた。
「値上げしてるけどいいよね?」
とティナジゼルが聞いてから注文を取った。
みんなは笑って頷いた。
「安い安い!まだチップを弾めるよ」
みんなそう答えた。
「良かったねアイシャ。まだ来てくれるよ」
ノアセルジオが言うと、アルシャインは苦笑した。
朝早くにアルシャインは男性用と男の子用のレインコートを作る。
レース編みのコースター2つや羽も付けたドリームキャッチャーを2つ作った。
「それ欲しいって言われたら?」
そうティナジゼルが聞くと、アルシャインは考える。
「そうねぇ…コースターはカウンターに使っておいて…それでも欲しい人には3百、ドリームキャッチャーは窓に飾っておくから…5百かな?」
「…売るより飾りたいんだね」
いつもより高い値段なのでレオリアムが苦笑して言う。
「飾りたくて作ってるのよ、当たり前じゃないの!」
そう言いアルシャインはキッチンに立つ。
みんなはクスクス笑ってアルシャインを見た。
旅人2人はステーキやラビオリやラザニアやパイまで食べた。更にパウンドケーキを5個ずつ持ち帰りに買ったので、無くなってしまう。
アルシャインはパウンドケーキを作りながら言う。
「…ついでにクッキーも作っておきましょうか」
そう言いクッキーを作る。
「これはみんなでおやつに食べてね」
「売る時は?」とクリストフ。
「え…?」
「だって、袋に入れてカウンターに置くとみんなが欲しがるもん」とクリストフ。
みんながうんうんと頷く。
「え…えーと…」
「3枚1Gは?アイシャママは1Gが好きだから」とマリアンナ。
「2枚だよ」とレオリアム。
「うん、2枚だな」とルベルジュノー。
みんなが賛成した所にエイデンがやってくる。
「おはよう」
ロレッソが言うとみんなが
「おはよう!」と答える。
「はは!元気でいいな。外のかまどは、曇りか晴れの日でいいか?あ、コーヒーくれ」
そう言いながらロレッソがカウンターに座る。
「お、いい匂いだな…何を作ってるんだい?」とロレッソ。
「ベリーとオレンジのパウンドケーキとクッキーですよ」
笑ってアルシャインが答えると、ロレッソが笑って言う。
「その焼き立て貰えるか?ケーキは…3つでクッキーは…書いてないな」
ロレッソがメニューの黒板を見ながら言うので、ルベルジュノーが〝クッキー2枚1G〟と書いた。
「2枚ずつか…2枚くれ。美味かったら土産に貰っていくよ」
そう言って注がれたコーヒーを飲む。
「クッキー焼けましたよ」
アルシャインが言い、パウンドケーキとクッキーを出す。
そこに婦人達が入ってくる。
「素敵なレース編みね」
早速窓のドリームキャッチャーを見て言う。
「ウチにもこんな飾りがあったらいいわね」
「これは売り物?」
婦人達が聞いてくるので、リナメイシーが駆け寄って言う。
「幾らだと思いますか?」
笑って聞くと、婦人達はドリームキャッチャーを見つめながら言う。
「そうね、5百かしら…」
「いえ、8百よ。雑貨屋で見た飾りより細かいし、間違いないわ」
2人で言い合うので、レオリアムが言う。
「650ですよ、マダム」
5百と8百の間を取った。
するとマダムがそれぞれに指差して言う。
「これをくださらない?」
「はい」
答えてマリアンナとレオリアムが窓から外してお守り匂い袋と共に紙袋に入れて渡す。
マダムは7P渡してきた。
「残りのお金で紅茶とアップルパイをちょうだい。キャンディもね」
「私もよ。子供達がキャンディを欲しがってしまって…」
2人が言いながら席に着いて、慌てて言う。
「そのクッキーも…」
同時に言い、顔を見合わせて笑ってからまた同時に言う。
「4枚ね」
「ありがとうございます!」
みんなで言って笑うが、アルシャインは苦笑した。
〈やだ、いつになったら窓いっぱいに飾れるのかしら…〉
不安になりながらも、アルシャインはフルーツを切る。
ランチには街から果物売りや綿屋、布屋などの人々が来て普通に注文していた。
「値上げしてるけどいいよね?」
とティナジゼルが聞いてから注文を取った。
みんなは笑って頷いた。
「安い安い!まだチップを弾めるよ」
みんなそう答えた。
「良かったねアイシャ。まだ来てくれるよ」
ノアセルジオが言うと、アルシャインは苦笑した。
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