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第一章 始まりの館
Chapter58 噂
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夕方。
忙しくなる前にエイデンがお弁当をたくさん買ってきて持って来てくれた。
「俺のおごりだ!食ってくれ」
そう言い色んな種類の惣菜を広げる。
ソーセージにサラダに漬け物、パスタや肉や魚や野菜のテリーヌなどがあった。
「あ…なるほど~!冷めても美味しい物を作ってるのね!」
アルシャインが言いながら食べる。
「ミネストローネもあるぞ」
そう言いエイデンが鍋ごと出した。
「お鍋ごと買うの?」とリナメイシー。
「違うよ、鍋を持っていって中身を買うのさ。ここでも出来るんじゃないか?」
「そんなにたくさんの事は無理~!」
ティナジゼルが言いながらスープを温める。
「みんな食べて!細長いパンとフォカッチャもあるからね!」
魚介のパスタや唐辛子のパスタやペペロンチーノなどパスタの種類が豊富だ。
「美味しいね!」とアルベルティーナ。
「このテリーヌ美味しい!」とクリストフ。
「本当に…どう作るのかしら」とフィナアリス。
「ミネストローネ美味い!」とルベルジュノー。
みんなに好評だ。
「ありがとう、エイデンさん」
「いいって。…それより、嫌がらせを受けたって?」
帰り際にエイデンが言う。
アルシャインは苦笑した。
「ええ…」
「気を付けろよ。街の噂になってる」
言いながらエイデンは外に出てアルシャインもついて行く。
「とんな噂に?」
「金の羊亭はゴキブリやネズミが出て不衛生だとか、汚い手で料理を作ってるとか、子供をこき使ってるとか悪い噂さ。俺達は見てきたから信じないが…」
「ありがとう」
「ギルドマスターにも知らせておくが、何をされるか分からんから用心しろよ」
「ええ」
答えてアルシャインは店に戻る。
「食べ終わったら手を洗ってね~」
アルシャインがそう言いキッチンに入る。
お客さんがいつもより少なかった。
宿泊客も4人だけだ。
〈もしかしたら宿屋も敵に回したかしら~?!〉
アルシャインはどうするかを考えながら料理を出した。
掃除をしながら、アルベルティーナが呟く。
「あの女の子…リボン嫌いなのかな…」
「ティーナ…」
アルシャインはアルベルティーナを抱き締める。
心を込めて作った品物を切られたのだ。
落ち込むのも無理はない。
「…ティーナのリボンは誰にも負けない程可愛いわ。きっと嫉妬してしまっただけよ…あの子にも何か事情があったのよ…許してあげましょう?」
そう言うとアルベルティーナはコクリと頷いた。
その夜、アルシャインは部屋にカシアンを呼んで2人きりで話す。
「ーーーという噂なの」
教会の噂とエイデンの街の噂を話した。
「…どうするか…」
「出どころを探らないと何も出来ないわ。レストランだけじゃなく、宿屋も…何処からかも分からないと…」
「明日は大地の日だから、客が旅に出たら休みにしないか?」
「…そうね」
その会話をドアの外でノアセルジオが聞いていた。
深夜、嫌な予感がしてノアセルジオは屋敷の外を見回る。
すると、人影が逃げていった。
「待て…!」
追い掛けようとして止まる。
アルシャインが大切にしている花が踏み荒らされていた。
「…なんて事を…!」
ノアセルジオは眉をしかめて、その場に膝をついて考える。
すると後ろからアルシャインが来てノアセルジオの肩を叩いた。
「!アイシャ…」
「やっぱり……さっき人影が窓から見えて、何かされたとは思ったけど…酷いわね」
アルシャインはしゃがんで折られたりぐちゃぐちゃにされた花を手にする。
「アイシャ…」
何か慰めの言葉を掛けようとすると、アルシャインは両手を花にかざした。
「回復!!」
パアァッと淡い光に包まれて、花が元に戻っていく。
…が、中途半端な治り方だった。
「あら、やっぱり聖水が無いと駄目ねー…明日、聖水を買って治しましょう!」
「今の…聖女の力?」
「んー…こんなモンじゃ聖女の力なんて言えないわ。さ、入りましょう…明日ね」
そう言いアルシャインは中に入る。
ノアセルジオは感心しながら中に入った。
忙しくなる前にエイデンがお弁当をたくさん買ってきて持って来てくれた。
「俺のおごりだ!食ってくれ」
そう言い色んな種類の惣菜を広げる。
ソーセージにサラダに漬け物、パスタや肉や魚や野菜のテリーヌなどがあった。
「あ…なるほど~!冷めても美味しい物を作ってるのね!」
アルシャインが言いながら食べる。
「ミネストローネもあるぞ」
そう言いエイデンが鍋ごと出した。
「お鍋ごと買うの?」とリナメイシー。
「違うよ、鍋を持っていって中身を買うのさ。ここでも出来るんじゃないか?」
「そんなにたくさんの事は無理~!」
ティナジゼルが言いながらスープを温める。
「みんな食べて!細長いパンとフォカッチャもあるからね!」
魚介のパスタや唐辛子のパスタやペペロンチーノなどパスタの種類が豊富だ。
「美味しいね!」とアルベルティーナ。
「このテリーヌ美味しい!」とクリストフ。
「本当に…どう作るのかしら」とフィナアリス。
「ミネストローネ美味い!」とルベルジュノー。
みんなに好評だ。
「ありがとう、エイデンさん」
「いいって。…それより、嫌がらせを受けたって?」
帰り際にエイデンが言う。
アルシャインは苦笑した。
「ええ…」
「気を付けろよ。街の噂になってる」
言いながらエイデンは外に出てアルシャインもついて行く。
「とんな噂に?」
「金の羊亭はゴキブリやネズミが出て不衛生だとか、汚い手で料理を作ってるとか、子供をこき使ってるとか悪い噂さ。俺達は見てきたから信じないが…」
「ありがとう」
「ギルドマスターにも知らせておくが、何をされるか分からんから用心しろよ」
「ええ」
答えてアルシャインは店に戻る。
「食べ終わったら手を洗ってね~」
アルシャインがそう言いキッチンに入る。
お客さんがいつもより少なかった。
宿泊客も4人だけだ。
〈もしかしたら宿屋も敵に回したかしら~?!〉
アルシャインはどうするかを考えながら料理を出した。
掃除をしながら、アルベルティーナが呟く。
「あの女の子…リボン嫌いなのかな…」
「ティーナ…」
アルシャインはアルベルティーナを抱き締める。
心を込めて作った品物を切られたのだ。
落ち込むのも無理はない。
「…ティーナのリボンは誰にも負けない程可愛いわ。きっと嫉妬してしまっただけよ…あの子にも何か事情があったのよ…許してあげましょう?」
そう言うとアルベルティーナはコクリと頷いた。
その夜、アルシャインは部屋にカシアンを呼んで2人きりで話す。
「ーーーという噂なの」
教会の噂とエイデンの街の噂を話した。
「…どうするか…」
「出どころを探らないと何も出来ないわ。レストランだけじゃなく、宿屋も…何処からかも分からないと…」
「明日は大地の日だから、客が旅に出たら休みにしないか?」
「…そうね」
その会話をドアの外でノアセルジオが聞いていた。
深夜、嫌な予感がしてノアセルジオは屋敷の外を見回る。
すると、人影が逃げていった。
「待て…!」
追い掛けようとして止まる。
アルシャインが大切にしている花が踏み荒らされていた。
「…なんて事を…!」
ノアセルジオは眉をしかめて、その場に膝をついて考える。
すると後ろからアルシャインが来てノアセルジオの肩を叩いた。
「!アイシャ…」
「やっぱり……さっき人影が窓から見えて、何かされたとは思ったけど…酷いわね」
アルシャインはしゃがんで折られたりぐちゃぐちゃにされた花を手にする。
「アイシャ…」
何か慰めの言葉を掛けようとすると、アルシャインは両手を花にかざした。
「回復!!」
パアァッと淡い光に包まれて、花が元に戻っていく。
…が、中途半端な治り方だった。
「あら、やっぱり聖水が無いと駄目ねー…明日、聖水を買って治しましょう!」
「今の…聖女の力?」
「んー…こんなモンじゃ聖女の力なんて言えないわ。さ、入りましょう…明日ね」
そう言いアルシャインは中に入る。
ノアセルジオは感心しながら中に入った。
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