7 / 11
7
しおりを挟む
その夜、イーサンはなかなか寝つけずにいた。
ベッドヘッドに背中を預け、蒸留酒で舌を湿らせる。
上衣は身に付けておらず、よく鍛えられた肉体は隆々とした筋肉に覆われており、その鎧のような肌には大小様々な傷痕が刻まれていた。
カチャと備えつけの浴室の扉が開く音に目をやれば、ほの暗いランプが灯るなかガウンをまとったエリィが出てくる。
しっとりと濃く濡れた長めの髪は片側に流されていて、あらわになった首筋が白く浮かび上がっていた。
ガウンの紐で締められた腰のラインを目でなぞりながら、ああやはり俺は・・・と、先ほどのテオとのやりとりを思い返す。
あの貴人から預けられた、黒い鳥。
あの貴人はよく「私のかわいい黒い小鳥」などと愛しげに口にしていたが、実際会った彼は、あれの欲目で語る人物とはちょっと違う気がした。
18歳にしては思慮深く大人びた人物だと聞いていたが、話した感じは年齢より幼くみえた。
最初は全く喋らず、さすがに用心深いと思ったが、出された飲み物をなんの疑いもなく飲み干すあたり豪気なのか、はたまた警戒心が皆無なのか判別がつかない。
なにも疑わず俺についてきたのもそうだ。
育ちの良さが表れてはいるが、王宮で出された食事をなんの警戒もせず口にしたというし、どこに刺客が潜んでるかも分からないなか、どうにも危機感が足りないように思う。
それにしても。
王子への忠誠は王宮随一と聞いていたが、さっきのあれはなんだったのか。
1人では服が脱げないと言われた時は、何を言ってるんだと思った。
夜も深く秘め事にはもってこいの時間、二人しかいない密室、傍らのベッド。
これは独り寝が寂しいというやつか?と、誰もが勘違いしておかしくない状況だった。
だが、王子一筋と聞いている。
まさかそんな、浮気のような真似をするはずがない。
やむをえず脱がしてやったが、なんのてらいもなくさらされた後ろ姿を見て困惑した。
しなやかで健康的な肢体はのびやかでしみひとつなく、真珠のように輝く肌をみてなぜかドキリとしたのだ。
テオは身長も高く決して女らしくないのだが、瑞々しい背中をみて邪な感情がもたげる。
そう思った瞬間すぐ我にかえった。
いつもの自分らしくない。
普段はこんな事で反応しないのに。
ボタンがはずせないと言われて、変な空気になったせいだろうか。
しかし冷静になった今、なぜボタンがはずせなかったのか、やはり疑問が残る。
明日もう少し話しを聞いた方がいいだろう。
あれの頼みでしばらくうちに預かるなら、なおさら。
ふぅ、と知らず詰めていた息がもれる。
「ため息なんて珍しいですね。さすがの貴方も今日は疲れましたか?」
眠る準備を終え、ベッドの片側に座った恋人の腰を抱き寄せながら「そうでもない」と嘯いた。
「おや?では他に疲れることでも?」
くすくすと喉で笑う恋人のしっとりと湿った長い髪を手に取る。
サイドテーブルに置いてある精油を手のひらに数滴垂らし、白いうなじに唇を落としながら、束にした髪に丁寧に丁寧に馴染ませていく。
こうして2人して穏やかに迎えられる夜は貴重だ。
こんな時間が好きだと思うイーサンだったが、ちらりと振り返る目が楽しげに細められるのを見て、ああこの顔はあの部屋で起きたこと把握してるなと思った。
それもそうだろう。
この舘はエリィが回している。
この中で起きることで、エリィが知らないことは何ひとつないのだ。
するりとベッドに身を滑らせてくる細身の体を両腕におさめながら、艶やかな髪をひと房指にまきつけ今日の長かった一日を思う。
イーサンは最初、この緊急で来たやんごとなき人からの依頼を断ろうと思った。
今までどんな困難な仕事をふられてもやり遂げてきたイーサンだったが、王宮にも誰にも気取られずに、どこかに飛び出していった黒い鳥を五体満足でひそかに捕まえてほしいと言われた時に、手に余ると思ったからだ。
だが、ふだんはイーサンと呼びすてにしてくる尊大な甥から「叔父上、どうかお願いします」とかつて見たことがないほど余裕のない切迫した様子で頼まれ断りきれなかった。
全方位に捜索をかけるため膨大な数のやさぐれまで収集をかけたが、それがいけなかった。
訓練の未熟な末端まで命令が行き届かず、やっと鳥を見つけた時には何も知らない半端者どもが鳥を取り囲み悪さをしようとしていて、馬鹿どもの考えなしな行為に全員天国にぶっぱなしてやろうかと思った。
「エリィ」
「はい」
「俺は今日、まあまあいい仕事をしたと思うんだ」
「そうですね。あの人使いの荒いお方の無茶ぶりに応えられるのは、雷の獅子と言われる貴方くらいのものです」
「そうだろう、だから褒美をくれ」
「なるほど」
「あと・・・」
「あと?」
目を閉じて思う。
今日は一瞬とはいえ、この全幅の信頼を寄せてくれる恋人とは違う相手に邪な気持ちを抱いた。
だが、エリィを前にした今ならわかる。
あれは劣情ではあったが欲情ではなかった。
腹の上にのってくる重みに、閉じていた目を開く。
どうやら恋人は俺が今日しでかした罪を許してくれるらしい。
俺を面白いおもちゃを見つけた猫のような目で見て微笑んでいる。
蠱惑的な瞳で腹の上に股がるエリィの頬を手のひらで撫でれば、すりとよせてきて、かしとかじられた。
「俺はこうしてお前の尻にしかれてるくらいがちょうどいいのかもな」
「殊勝な心がけですね。それなら、今日は特別に甘やかしてあげますよ。それこそ身も心も」
「お手柔らかに」
「甘やかしてあげると言っているのに」
はだけたロープの裾から手を差し入れて太ももをなで回せば、柔らかな尻肉が震えるのが腹に伝わる。
極上の手触りを楽しみながら、みっちりと熱い媚肉のなかに肉の穂先が含まれていくのに喉を鳴らした。
エリィの唇から熱い吐息がこぼれる。
「・・・っ、貴方のすべては、私のものでしょう・・・?」
「・・・、違いない」
甘く吐息が合わさる。
エリィの腹のなかで扱かれる穂先からびくびくと樹液が漏れていく。
ーああ、やはり俺はお前でないと。
鼓動とタイミングを高めていけば、お互いの極みはすぐそこにある。
ーお前じゃないと。
ーお前がいれば。
「ぜんぶ、受けとめろ・・・っ」
「あ、あ・・・っ」
細い腰を掴んで力強く腰を打ち込みながら、迸る思いを全て愛する者の最奥に叩きつけた。
次の日の朝。
イーサンはすっかり身支度を終えたテオを見て絶句した。
「またそれを着たのか?」
「だめでしたか?そんな汚れてないと思うんですが」
くんくんと自分を匂うテオを見て、思わず遠い目になる。
「そうか。それで今夜は誰に脱がせてもらうつもりなんだ」
「え、あ!ボタンをとめるのは普通にできたので忘れてました!」
「もっと!警戒心をもって!」
「は、はい!」
え?警戒心??
とテオは戸惑っていたが、放置だ。
ボタンの特殊性については説明してあったのに、いくらあれの頼みとはいえ、これじゃ先が思いやられる。
「まあいい。その服は目立つから着替えてもらう。いま手伝いが来る」
「おはようございます」
「あ、エリィさん、おはようございます。わぁここにはチビッ子もいるんですね」
ちょうど部屋に入ってきたエリィと、その後ろについてきた10歳くらいの男の子を見て、テオが顔をほころばせた。
「テオ。こいつはアイルだ。まだ子供だが腕はたつ。これをテオにつける。先ずは着替えの手伝いから」
「えっ、でもあのボタンって王族にしかはずせないんでしょう?」
「アイルならはずせるだろう。俺の子だから」
「えっ、こんな大きなお子さんが」
「ついでに言うなら俺たちの子供だ」
「えー!」
アイルを真ん中にエリィの肩を抱いて引き寄せる。
テオのビックリした顔を見て、イーサンの溜飲がどこかさがった。
ベッドヘッドに背中を預け、蒸留酒で舌を湿らせる。
上衣は身に付けておらず、よく鍛えられた肉体は隆々とした筋肉に覆われており、その鎧のような肌には大小様々な傷痕が刻まれていた。
カチャと備えつけの浴室の扉が開く音に目をやれば、ほの暗いランプが灯るなかガウンをまとったエリィが出てくる。
しっとりと濃く濡れた長めの髪は片側に流されていて、あらわになった首筋が白く浮かび上がっていた。
ガウンの紐で締められた腰のラインを目でなぞりながら、ああやはり俺は・・・と、先ほどのテオとのやりとりを思い返す。
あの貴人から預けられた、黒い鳥。
あの貴人はよく「私のかわいい黒い小鳥」などと愛しげに口にしていたが、実際会った彼は、あれの欲目で語る人物とはちょっと違う気がした。
18歳にしては思慮深く大人びた人物だと聞いていたが、話した感じは年齢より幼くみえた。
最初は全く喋らず、さすがに用心深いと思ったが、出された飲み物をなんの疑いもなく飲み干すあたり豪気なのか、はたまた警戒心が皆無なのか判別がつかない。
なにも疑わず俺についてきたのもそうだ。
育ちの良さが表れてはいるが、王宮で出された食事をなんの警戒もせず口にしたというし、どこに刺客が潜んでるかも分からないなか、どうにも危機感が足りないように思う。
それにしても。
王子への忠誠は王宮随一と聞いていたが、さっきのあれはなんだったのか。
1人では服が脱げないと言われた時は、何を言ってるんだと思った。
夜も深く秘め事にはもってこいの時間、二人しかいない密室、傍らのベッド。
これは独り寝が寂しいというやつか?と、誰もが勘違いしておかしくない状況だった。
だが、王子一筋と聞いている。
まさかそんな、浮気のような真似をするはずがない。
やむをえず脱がしてやったが、なんのてらいもなくさらされた後ろ姿を見て困惑した。
しなやかで健康的な肢体はのびやかでしみひとつなく、真珠のように輝く肌をみてなぜかドキリとしたのだ。
テオは身長も高く決して女らしくないのだが、瑞々しい背中をみて邪な感情がもたげる。
そう思った瞬間すぐ我にかえった。
いつもの自分らしくない。
普段はこんな事で反応しないのに。
ボタンがはずせないと言われて、変な空気になったせいだろうか。
しかし冷静になった今、なぜボタンがはずせなかったのか、やはり疑問が残る。
明日もう少し話しを聞いた方がいいだろう。
あれの頼みでしばらくうちに預かるなら、なおさら。
ふぅ、と知らず詰めていた息がもれる。
「ため息なんて珍しいですね。さすがの貴方も今日は疲れましたか?」
眠る準備を終え、ベッドの片側に座った恋人の腰を抱き寄せながら「そうでもない」と嘯いた。
「おや?では他に疲れることでも?」
くすくすと喉で笑う恋人のしっとりと湿った長い髪を手に取る。
サイドテーブルに置いてある精油を手のひらに数滴垂らし、白いうなじに唇を落としながら、束にした髪に丁寧に丁寧に馴染ませていく。
こうして2人して穏やかに迎えられる夜は貴重だ。
こんな時間が好きだと思うイーサンだったが、ちらりと振り返る目が楽しげに細められるのを見て、ああこの顔はあの部屋で起きたこと把握してるなと思った。
それもそうだろう。
この舘はエリィが回している。
この中で起きることで、エリィが知らないことは何ひとつないのだ。
するりとベッドに身を滑らせてくる細身の体を両腕におさめながら、艶やかな髪をひと房指にまきつけ今日の長かった一日を思う。
イーサンは最初、この緊急で来たやんごとなき人からの依頼を断ろうと思った。
今までどんな困難な仕事をふられてもやり遂げてきたイーサンだったが、王宮にも誰にも気取られずに、どこかに飛び出していった黒い鳥を五体満足でひそかに捕まえてほしいと言われた時に、手に余ると思ったからだ。
だが、ふだんはイーサンと呼びすてにしてくる尊大な甥から「叔父上、どうかお願いします」とかつて見たことがないほど余裕のない切迫した様子で頼まれ断りきれなかった。
全方位に捜索をかけるため膨大な数のやさぐれまで収集をかけたが、それがいけなかった。
訓練の未熟な末端まで命令が行き届かず、やっと鳥を見つけた時には何も知らない半端者どもが鳥を取り囲み悪さをしようとしていて、馬鹿どもの考えなしな行為に全員天国にぶっぱなしてやろうかと思った。
「エリィ」
「はい」
「俺は今日、まあまあいい仕事をしたと思うんだ」
「そうですね。あの人使いの荒いお方の無茶ぶりに応えられるのは、雷の獅子と言われる貴方くらいのものです」
「そうだろう、だから褒美をくれ」
「なるほど」
「あと・・・」
「あと?」
目を閉じて思う。
今日は一瞬とはいえ、この全幅の信頼を寄せてくれる恋人とは違う相手に邪な気持ちを抱いた。
だが、エリィを前にした今ならわかる。
あれは劣情ではあったが欲情ではなかった。
腹の上にのってくる重みに、閉じていた目を開く。
どうやら恋人は俺が今日しでかした罪を許してくれるらしい。
俺を面白いおもちゃを見つけた猫のような目で見て微笑んでいる。
蠱惑的な瞳で腹の上に股がるエリィの頬を手のひらで撫でれば、すりとよせてきて、かしとかじられた。
「俺はこうしてお前の尻にしかれてるくらいがちょうどいいのかもな」
「殊勝な心がけですね。それなら、今日は特別に甘やかしてあげますよ。それこそ身も心も」
「お手柔らかに」
「甘やかしてあげると言っているのに」
はだけたロープの裾から手を差し入れて太ももをなで回せば、柔らかな尻肉が震えるのが腹に伝わる。
極上の手触りを楽しみながら、みっちりと熱い媚肉のなかに肉の穂先が含まれていくのに喉を鳴らした。
エリィの唇から熱い吐息がこぼれる。
「・・・っ、貴方のすべては、私のものでしょう・・・?」
「・・・、違いない」
甘く吐息が合わさる。
エリィの腹のなかで扱かれる穂先からびくびくと樹液が漏れていく。
ーああ、やはり俺はお前でないと。
鼓動とタイミングを高めていけば、お互いの極みはすぐそこにある。
ーお前じゃないと。
ーお前がいれば。
「ぜんぶ、受けとめろ・・・っ」
「あ、あ・・・っ」
細い腰を掴んで力強く腰を打ち込みながら、迸る思いを全て愛する者の最奥に叩きつけた。
次の日の朝。
イーサンはすっかり身支度を終えたテオを見て絶句した。
「またそれを着たのか?」
「だめでしたか?そんな汚れてないと思うんですが」
くんくんと自分を匂うテオを見て、思わず遠い目になる。
「そうか。それで今夜は誰に脱がせてもらうつもりなんだ」
「え、あ!ボタンをとめるのは普通にできたので忘れてました!」
「もっと!警戒心をもって!」
「は、はい!」
え?警戒心??
とテオは戸惑っていたが、放置だ。
ボタンの特殊性については説明してあったのに、いくらあれの頼みとはいえ、これじゃ先が思いやられる。
「まあいい。その服は目立つから着替えてもらう。いま手伝いが来る」
「おはようございます」
「あ、エリィさん、おはようございます。わぁここにはチビッ子もいるんですね」
ちょうど部屋に入ってきたエリィと、その後ろについてきた10歳くらいの男の子を見て、テオが顔をほころばせた。
「テオ。こいつはアイルだ。まだ子供だが腕はたつ。これをテオにつける。先ずは着替えの手伝いから」
「えっ、でもあのボタンって王族にしかはずせないんでしょう?」
「アイルならはずせるだろう。俺の子だから」
「えっ、こんな大きなお子さんが」
「ついでに言うなら俺たちの子供だ」
「えー!」
アイルを真ん中にエリィの肩を抱いて引き寄せる。
テオのビックリした顔を見て、イーサンの溜飲がどこかさがった。
11
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる