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第06話 教えて? 主任のような大人になるために(上)
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――ぎゅっ、くんくん。
「やっ……匂い、嗅いじゃだめですっ」
明美とのメンター面談があったその週の土曜日、まほろは早速、聡介の一人暮らしのマンションの部屋に招かれていた。
給料日前ということで、今日は最寄り駅で待ち合わせて少しばかり食材を買ったあとに、どこかへ寄ることもなくまっすぐ聡介の部屋に向かった。まほろは初めて訪れる聡介の部屋を、失礼にならない範囲で見させてもらった。
玄関を入ってすぐ右手がキッチンで、左手のふたつのドアはそれぞれトイレと、浴室につながる洗面所。短い廊下を奥に進むとそこがダイニングで、テレビとソファがローテーブルを挟んで向かい合っている。その向こうに引き戸式のドアがあり、狭いがベッドルームになっているという。
聡介はかなり几帳面できれい好きらしく、多少家賃が高くともバス・トイレ別は絶対条件で、できれば寝室とダイニングもドアで隔てたかったのだと言った。譲れない条件を満たしつつ、少しでも家賃が低いエリアの物件を探して選んだため、会社までの通勤は少し時間がかかる。それでも、乗り換え一回ですむ圏内になんとか部屋を見つけられてよかったとのことだった。
そんな聡介の部屋でまずはとても普通に、映画を一緒に見た。二年ほど前に話題になった、ファッション雑誌の編集の仕事をする女性のヒューマンドラマだ。聡介がまほろの好みに合わせてくれた形だが、興味はあっても自分一人で見る機会はなかったので見られてよかったと、終わったあとに聡介は言った。
それから、聡介が用意しておいてくれたというはちみつカステラを食べながら、二人はそれぞれの学生時代などの話をした。付き合い始めてから一カ月半が経っているとはいえ、お互いのことはまだまだ知らないことの方が多い。同僚たちの目があるので平日は社内であってもほとんど会話をしないし、土日はなるべく会うようにしていたが会えない日もあった。その分聡介はメッセージアプリでこまめに連絡をくれたが、そのほとんどは日常会話だった。
だから、聡介が高校生の時にバレーボールの全国大会で準優勝した話などを、まほろはとても興味深く聞いた。バレーは高校卒業と同時にすっぱりと辞めたそうだが、今でも身体がなまる感覚はあまり好きではないらしく、平日の余裕がある時や土日にジムに通っているのだという。「エージェント」と陰であだ名される雰囲気と体格はそうして作られているのだろうと、言葉には出さなかったがまほろは納得した。
そうして夕方になって日が傾き、雨戸を閉めた頃。「そろそろ君をさわってもいいですか」と、聡介はおもむろに切り出した。特に拒む理由もないので、まほろはわずかに緊張しながらもこくりと頷いた。
聡介はソファに深く腰を掛けて足を開くと、その間に座るようにまほろに言った。まほろはグレーのロングスカートの生地をつまんで中央に集めながら、ちょこんと聡介の足の間に収まる。すると聡介は背後からやさしく両腕を回し、まほろの身体をぎゅっと抱きしめた。さらにはまほろの頭部付近に鼻を近付けて、くんくんとその匂いを嗅いだのだった。
「別に、変な匂いなんかしませんよ? むしろまほろの良い匂いがします」
「そ、それでも……恥ずかしいので……っ」
「困りましたね。今日から徐々に、もっと恥ずかしいことをするんですが」
まほろがしっかりと、自分のことを好きだと思ってくれた――その確認がとれた聡介は、早速次の段階に移ることにした。そう、セックスだ。しかし聡介は、考えなしにまほろを抱くつもりはなかった。恋愛もセックスも不慣れなまほろを気遣い、時間をかけてまほろの身体を開発していく予定なのだ。
今日はまず、あらゆる方法であらゆる場所をさわるつもりだった。身体と身体がふれ合うのは恥ずかしいが気持ちいい――まほろが心から自然とそう思えるようになるまで、聡介はいくらでも時間をかける気でいる。
「もっと、って……あの……どこまで……」
「ん? ああ、先に言っておいた方がいいですかね。まあ、臨機応変にするつもりですが……今日はとにかく、君の身体をさわります」
「さわる、とは……」
「文字通りですよ。まずは俺にふれられることに慣れてください」
聡介はそう言うと、まほろのお腹をなでた。ストライプ模様の綿布の半袖生地はすべりがよく、お腹だけでなくそのまま背中まで楽に手のひらがスライドする。
「まほろ、こちらを向いてくれますか。キスをしましょう」
そう言われたまほろはおずおずと背後に振り向いた。そして、聡介の唇に甘ったるく唇を食まれつつ、服の上から腰、太もも、臀部、背中と、あらゆるところをさわられた。まるでマッサージでもしているかのような聡介の手付きは決して性急なものではなく、まほろは無言のままにその手付きの動きを受け入れていた。
時間は計測していないが、ずいぶんと長いこと、聡介は本当に文字通りまほろをさわり続けた。自分はソファに深く腰掛けたまま動かない代わりに、まほろの方にソファに両足を乗せてもらい、服の上からまほろの匂いを嗅ぎながら、太もももふくらはぎも足首さえも、余すことなくなで続ける。
それがあまりにも長い時間続くものだから、まほろの心の中からは恥ずかしいという感情が消えていた。合間に交わす深くてゆったりとしたキスによって頭の中に幸せホルモンが出ているのか、こうして聡介に全身をなでられることは心地よいことなのだと、ぼんやりと感じていた。
夕方はそれくらいにして、二人でポトフとゆで卵のサラダ、それにバターチキンという夕食を作る。その夕飯後、まほろは聡介から勧められてお風呂に入った。メンズ用のシャンプーやトリートメントしかないと聞いていたので、まほろは事前に、旅行用の小さなシャンプーセットを用意していた。メイクも落としてすっぴんを見せることは恥ずかしかったが、すっぴんのまほろにも聡介は事あるごとに「かわいい、かわいい」と言い続けた。
それから聡介と二人、彼のベッドに横たわる。夜でもまだ暑さが残る季節なので、掛けるのは薄手のタオルケットだけだ。
「まほろ、さわってもいいですか」
「ど……どうぞ」
横向きで背後から抱きしめられたまほろは、異性と同衾して眠るという状況に緊張してなかななか寝つくことができない。元カレと付き合っていた頃は実家住まいだったので外泊など芽衣との卒業旅行以外に当然したことがなく、家族でもない男性と共に寝るという経験はこの日が人生で初めてのことだった。
――ふに、さすさす。
夕方と同じように、聡介は手のひら全体を使ってゆっくりとまほろの腰や腹、臀部や太ももをなでた。背の高い聡介に抱きしめられているまほろは、自分が抱き枕か何かになったような気がした。
「寝る時はいつも、ブラトップを着るんですか」
まほろが薄い生地の寝間着の下にキャミソールタイプの下着を着ていることに気付き、聡介はあけすけなく尋ねた。
「いえ……」
「なら、今だって着なくてもいいのに」
「そ、それは……さすがに……恥ずかしくて……」
まほろは困ったように否定した。
聡介はお付き合いをしていて、この先いつかのタイミングでセックスもする予定の相手であるとはいえ、初めてのお泊まりでそこまでラフな格好はできない。それが乙女心というものだ。
「無理強いはしませんが……仕方ありませんね」
(な、何のこと……?)
まほろは不思議に思ったが、はっきりと尋ねることはしなかった。
――むに。
「っ……」
尋ねなくても、聡介の意図はすぐにわかった。
夕方にはあえて避けられていた乳房を、聡介がふいに揉んだのだ。長い指は広がり、まほろの胸をブラトップのカップごと包み込む。そして、手のひら全体で円を描くようにしながら、聡介はまほろの胸のやわらかさを堪能した。
「聡介、さん……っ」
「はい」
「あ、あの……っ」
「ああ、大丈夫。今日はここまでです。こうやっていやらしく俺にふれられることにも慣れてください」
「えっと……はい……」
聡介の手で胸を揉まれながら、足もからめられる。互いに寝間着は短パンなので、膝から下の皮膚と皮膚が当たる。くすぐったいような、なんだか慣れない感触だ。
(なんか……もどかしい……)
今日はここまで。これ以上はされない。先には進まない。
けれどもまほろは、言葉にしがたい不足を感じた。
「おやすみ、まほろ」
「はい……おやすみなさい」
しばらく聡介の手は動いていたが、ある程度満足したのかそれとも眠気がきたのか、電源をオフにされたようにその手は止まる。そして二人はそれぞれのペースで眠りについたのだった。
◆◇◆◇◆
「やっ……匂い、嗅いじゃだめですっ」
明美とのメンター面談があったその週の土曜日、まほろは早速、聡介の一人暮らしのマンションの部屋に招かれていた。
給料日前ということで、今日は最寄り駅で待ち合わせて少しばかり食材を買ったあとに、どこかへ寄ることもなくまっすぐ聡介の部屋に向かった。まほろは初めて訪れる聡介の部屋を、失礼にならない範囲で見させてもらった。
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聡介はかなり几帳面できれい好きらしく、多少家賃が高くともバス・トイレ別は絶対条件で、できれば寝室とダイニングもドアで隔てたかったのだと言った。譲れない条件を満たしつつ、少しでも家賃が低いエリアの物件を探して選んだため、会社までの通勤は少し時間がかかる。それでも、乗り換え一回ですむ圏内になんとか部屋を見つけられてよかったとのことだった。
そんな聡介の部屋でまずはとても普通に、映画を一緒に見た。二年ほど前に話題になった、ファッション雑誌の編集の仕事をする女性のヒューマンドラマだ。聡介がまほろの好みに合わせてくれた形だが、興味はあっても自分一人で見る機会はなかったので見られてよかったと、終わったあとに聡介は言った。
それから、聡介が用意しておいてくれたというはちみつカステラを食べながら、二人はそれぞれの学生時代などの話をした。付き合い始めてから一カ月半が経っているとはいえ、お互いのことはまだまだ知らないことの方が多い。同僚たちの目があるので平日は社内であってもほとんど会話をしないし、土日はなるべく会うようにしていたが会えない日もあった。その分聡介はメッセージアプリでこまめに連絡をくれたが、そのほとんどは日常会話だった。
だから、聡介が高校生の時にバレーボールの全国大会で準優勝した話などを、まほろはとても興味深く聞いた。バレーは高校卒業と同時にすっぱりと辞めたそうだが、今でも身体がなまる感覚はあまり好きではないらしく、平日の余裕がある時や土日にジムに通っているのだという。「エージェント」と陰であだ名される雰囲気と体格はそうして作られているのだろうと、言葉には出さなかったがまほろは納得した。
そうして夕方になって日が傾き、雨戸を閉めた頃。「そろそろ君をさわってもいいですか」と、聡介はおもむろに切り出した。特に拒む理由もないので、まほろはわずかに緊張しながらもこくりと頷いた。
聡介はソファに深く腰を掛けて足を開くと、その間に座るようにまほろに言った。まほろはグレーのロングスカートの生地をつまんで中央に集めながら、ちょこんと聡介の足の間に収まる。すると聡介は背後からやさしく両腕を回し、まほろの身体をぎゅっと抱きしめた。さらにはまほろの頭部付近に鼻を近付けて、くんくんとその匂いを嗅いだのだった。
「別に、変な匂いなんかしませんよ? むしろまほろの良い匂いがします」
「そ、それでも……恥ずかしいので……っ」
「困りましたね。今日から徐々に、もっと恥ずかしいことをするんですが」
まほろがしっかりと、自分のことを好きだと思ってくれた――その確認がとれた聡介は、早速次の段階に移ることにした。そう、セックスだ。しかし聡介は、考えなしにまほろを抱くつもりはなかった。恋愛もセックスも不慣れなまほろを気遣い、時間をかけてまほろの身体を開発していく予定なのだ。
今日はまず、あらゆる方法であらゆる場所をさわるつもりだった。身体と身体がふれ合うのは恥ずかしいが気持ちいい――まほろが心から自然とそう思えるようになるまで、聡介はいくらでも時間をかける気でいる。
「もっと、って……あの……どこまで……」
「ん? ああ、先に言っておいた方がいいですかね。まあ、臨機応変にするつもりですが……今日はとにかく、君の身体をさわります」
「さわる、とは……」
「文字通りですよ。まずは俺にふれられることに慣れてください」
聡介はそう言うと、まほろのお腹をなでた。ストライプ模様の綿布の半袖生地はすべりがよく、お腹だけでなくそのまま背中まで楽に手のひらがスライドする。
「まほろ、こちらを向いてくれますか。キスをしましょう」
そう言われたまほろはおずおずと背後に振り向いた。そして、聡介の唇に甘ったるく唇を食まれつつ、服の上から腰、太もも、臀部、背中と、あらゆるところをさわられた。まるでマッサージでもしているかのような聡介の手付きは決して性急なものではなく、まほろは無言のままにその手付きの動きを受け入れていた。
時間は計測していないが、ずいぶんと長いこと、聡介は本当に文字通りまほろをさわり続けた。自分はソファに深く腰掛けたまま動かない代わりに、まほろの方にソファに両足を乗せてもらい、服の上からまほろの匂いを嗅ぎながら、太もももふくらはぎも足首さえも、余すことなくなで続ける。
それがあまりにも長い時間続くものだから、まほろの心の中からは恥ずかしいという感情が消えていた。合間に交わす深くてゆったりとしたキスによって頭の中に幸せホルモンが出ているのか、こうして聡介に全身をなでられることは心地よいことなのだと、ぼんやりと感じていた。
夕方はそれくらいにして、二人でポトフとゆで卵のサラダ、それにバターチキンという夕食を作る。その夕飯後、まほろは聡介から勧められてお風呂に入った。メンズ用のシャンプーやトリートメントしかないと聞いていたので、まほろは事前に、旅行用の小さなシャンプーセットを用意していた。メイクも落としてすっぴんを見せることは恥ずかしかったが、すっぴんのまほろにも聡介は事あるごとに「かわいい、かわいい」と言い続けた。
それから聡介と二人、彼のベッドに横たわる。夜でもまだ暑さが残る季節なので、掛けるのは薄手のタオルケットだけだ。
「まほろ、さわってもいいですか」
「ど……どうぞ」
横向きで背後から抱きしめられたまほろは、異性と同衾して眠るという状況に緊張してなかななか寝つくことができない。元カレと付き合っていた頃は実家住まいだったので外泊など芽衣との卒業旅行以外に当然したことがなく、家族でもない男性と共に寝るという経験はこの日が人生で初めてのことだった。
――ふに、さすさす。
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「寝る時はいつも、ブラトップを着るんですか」
まほろが薄い生地の寝間着の下にキャミソールタイプの下着を着ていることに気付き、聡介はあけすけなく尋ねた。
「いえ……」
「なら、今だって着なくてもいいのに」
「そ、それは……さすがに……恥ずかしくて……」
まほろは困ったように否定した。
聡介はお付き合いをしていて、この先いつかのタイミングでセックスもする予定の相手であるとはいえ、初めてのお泊まりでそこまでラフな格好はできない。それが乙女心というものだ。
「無理強いはしませんが……仕方ありませんね」
(な、何のこと……?)
まほろは不思議に思ったが、はっきりと尋ねることはしなかった。
――むに。
「っ……」
尋ねなくても、聡介の意図はすぐにわかった。
夕方にはあえて避けられていた乳房を、聡介がふいに揉んだのだ。長い指は広がり、まほろの胸をブラトップのカップごと包み込む。そして、手のひら全体で円を描くようにしながら、聡介はまほろの胸のやわらかさを堪能した。
「聡介、さん……っ」
「はい」
「あ、あの……っ」
「ああ、大丈夫。今日はここまでです。こうやっていやらしく俺にふれられることにも慣れてください」
「えっと……はい……」
聡介の手で胸を揉まれながら、足もからめられる。互いに寝間着は短パンなので、膝から下の皮膚と皮膚が当たる。くすぐったいような、なんだか慣れない感触だ。
(なんか……もどかしい……)
今日はここまで。これ以上はされない。先には進まない。
けれどもまほろは、言葉にしがたい不足を感じた。
「おやすみ、まほろ」
「はい……おやすみなさい」
しばらく聡介の手は動いていたが、ある程度満足したのかそれとも眠気がきたのか、電源をオフにされたようにその手は止まる。そして二人はそれぞれのペースで眠りについたのだった。
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