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最終章

第41話『あおいと愛実と理沙でお風呂-前編-』

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 愛実ちゃんが浴室の扉を開けて、理沙ちゃんと私を浴室に招き入れてくれます。
 浴室は白を基調とした落ち着いた雰囲気です。私の家の浴室よりも少し広めでしょうか。これなら、3人で入浴をゆっくりと楽しめそうです。

「素敵な浴室ですね!」
「ありがとう、あおいちゃん」

 愛実ちゃんはとても嬉しそうに言いました。

「ふふっ。あと、浴槽を見た感じだと、私達3人なら普通に入れそうな気がします」
「私も浴槽を見て3人で入れそうな気持ちが膨らんだよ」
「あたしも一緒に入れそうだって思うわ」

 私達は笑顔で頷き合います。
 みんなの髪と体を洗い終わったら、3人で一緒に入れるかどうかチャレンジしてみましょう。

「今回も髪と背中を洗いっこしない?」
「いいわね。あおいはどう?」
「私も賛成です! あと、私からお願いがありまして。夕ご飯を作ってくれたお礼に、愛実ちゃんと理沙ちゃんの髪と背中を洗いたいです!」

 右手をピシッと挙げながら私はそう提案します。愛実ちゃんと理沙ちゃんが夕ご飯を作ると決まったときには、2人の髪と背中を洗いたいと申し出ようと決めていました。特に理沙ちゃんの髪と背中は。一度も洗ったことがありませんからね。
 愛実ちゃんと理沙ちゃんは柔らかい笑顔を見せて、

「あおいちゃんがそう言うなら、お願いしようかな」
「あたしもお願いするわ。あおいには一度も洗ってもらったことがないから楽しみだわ。愛実から気持ちいいって言っていたし」
「分かりました」

 私からの提案を受け入れてもらって嬉しいです。今夜は理沙ちゃんのことも気持ち良くしましょう。

「洗ってもらった後は、あたしがあおいの髪と背中を洗うわ。いいかしら?」
「もちろんですよ!」

 理沙ちゃんに洗ってもらったことは一度もないですから楽しみですね。

「愛実、どっちから洗ってもらう?」
「理沙ちゃんからでいいよ。一度も経験ないし」
「分かったわ。じゃあ、あたしの髪から洗ってもらおうかしら」
「その後に私の髪を洗ってもらおうかな。それで、ここにある私のボディータオルで理沙ちゃんと私の背中を洗ってもらおうか。今までにも私のボディータオルで理沙ちゃんと背中を洗いっこしたことあるし」
「そうね。それでかまわないわ」
「理沙ちゃんの髪、愛実ちゃんの髪、2人の背中の順番ですね。了解です」

 その後、私がここのお風呂を使うのが初めてなので、シャワーや蛇口などの使い方を愛実ちゃんに教えてもらいました。うちの浴室と大差ないので戸惑うことなく使えそうです。
 まずは理沙ちゃんの髪を洗うので、理沙ちゃんがバスチェアに座ります。理沙ちゃんの後ろ姿……とても綺麗ですね。ドキッとしてしまいます。

「あおい。お願いするわ」
「お任せください!」

 鏡越しに目が合うと、理沙ちゃんはニッコリと笑いました。入浴中ですから、髪型が普段とは違ってストレートになっていますから、その新鮮さもあって凄くいいです。
 シャワーで理沙ちゃんの髪を濡らしていきます。これから洗いますし、普段はヘアゴムでワンサイドアップの形に纏めていますが、とても真っ直ぐでサラサラとした髪です。きっと、普段から髪のケアをしっかりしているのでしょう。
 髪を濡らした後は、理沙ちゃんが持参したリンスインシャンプーで髪を洗い始めていきます。まずは、以前、愛実ちゃんが気持ちいいと言ってくれた強さで。

「理沙ちゃん、洗い方どうですか?」
「とても気持ちいいわ。愛実の言った通りね」

 理沙ちゃんはまったりとした笑顔でそう言ってくれます。いつもはこういう笑顔をあまり見ませんから新鮮ですね。可愛いです。
 でしょう? とちょっと得意げに言う愛実ちゃんの姿が鏡越しに見えます。そんな愛実ちゃんも可愛くて。

「では、この強さで洗っていきますね」
「うん。お願いします」
「かゆいところはないですか?」
「ないわ。大丈夫よ」

 その後も、理沙ちゃんの髪を洗っていきます。そのシャンプーの匂いは、理沙ちゃんの髪から普段香ってくる甘くて優しい匂いで。そのことに癒やされて。
 髪の長さが違いますが、髪の色が涼我君と同じ金色ですから、ちょっと懐かしい気分になりますね。幼稚園の頃は涼我君とお泊まりすると、一緒にお風呂に入って、髪や背中を洗いっこしましたから。いつかまた……涼我君とそういうことをしてみたいですね。

「理沙ちゃんの髪は金色で綺麗ですね。涼我君みたいに、この色は生来のものですか?」
「そうよ。お母さん譲りのね。この色好きだから、褒めてもらえて嬉しいわ」

 その言葉が本当であると示すように、理沙ちゃんは嬉しそうな笑顔を見せます。可愛いです。

「こうして誰かに洗ってもらうとお泊まりって感じがするわ」
「ふふっ、そうですか」
「理沙ちゃんとお泊まりするときは、髪や背中の洗いっこは恒例だもんね」
「お二人の言うこと分かりますね。私もお泊まりで洗いっこすることが多いですから。あとは、中学時代のテニス部の合宿でも、友達と髪や背中を洗いっこすることがありましたね。理沙ちゃんはどうですか?」
「お泊まりほどの頻度じゃないけど、友達や仲のいい先輩後輩とはやったことがあるわ。中学も高校も練習が終わると和気藹々としているから」
「そうでしたか」

 4月に陸上部のマネージャー手伝いをしましたが、練習以外の時間は和やかな雰囲気だったので、理沙ちゃんの言うことが分かります。
 話しに出たので、友達とのお泊まりや中学時代のテニス部の合宿のことを思い出します。懐かしいですね。楽しかったなぁ。
 中学時代や前の高校の友達とは今でも定期的に連絡を取っていますが、福岡の小学校で一緒だった友達とはしばらく連絡を取っていないですね。今度、久しぶりにメッセージや電話をしてみましょうかね。

「理沙ちゃん。シャワーで泡を洗い流しますので、目を瞑っていてください」
「分かったわ」

 シャワーのお湯で、理沙ちゃんの髪についたシャンプーの泡を洗い流していきます。
 その後に理沙ちゃん持参のフェイスタオルで、彼女の髪を優しく拭いていきます。そのことで、いつも以上に綺麗な髪になりました。涼我君に負けない綺麗な金髪です。

「これで理沙ちゃんの髪は終わりですね」
「ありがとう、あおい」

 理沙ちゃんはそうお礼を言うと、持参したあおいヘアゴムを使って、洗った髪をお団子の形に纏めていきました。

「ストレートもいいですが、お団子ヘアーもいいですね」
「ふふっ、ありがとう。じゃあ、次は愛実ね」
「うんっ」

 理沙ちゃんと入れ替わる形で、愛実ちゃんがバスチェアに座ります。
 愛実ちゃんも後ろ姿が綺麗ですね。可愛いと思うことが多いですから、後ろ姿も可愛いです。あと、Gカップほどの大きな胸だからか、背中の先に胸の裏側が見えます。裏乳って言うんですかね。背後からでも胸が見えるとはさすがは乳神ですっ!

「あおいちゃん、髪をお願いします。シャンプーはピンクのボトルだよ」
「分かりました」

 シャワーを使って、愛実ちゃんの髪をお湯で濡らしていきます。
 ゴールデンウィークでのお泊まりのときにも思いましたが、愛実ちゃんの髪の毛は茶髪で綺麗だなって思います。
 ラックにあるピンクのボトルからシャンプーを出して、愛実ちゃんの髪を洗っていきます。さっきの理沙ちゃんと同じくらいの強さで。

「愛実ちゃん、気持ちいいですか?」
「うん、気持ちいいよ」

 愛実ちゃんは持ち前の優しい笑顔でそう言ってくれます。ゴールデンウィークの感覚を忘れていなかったようで嬉しいです。

「かゆいところはないですか?」
「大丈夫だよ。……こうしてあおいちゃんに洗ってもらうと、ゴールデンウィークにリョウ君のお家でお泊まりしたときのことを思い出すよ」
「私もです。あのときが髪を洗うのが初めてでしたからね」
「あおいちゃんもか」
「ええ。愛実ちゃんとまたお泊まりして、髪をまた洗えて嬉しいです」
「そう言ってくれて私も嬉しいよ」

 愛実ちゃんは鏡越しに私のことを見てニコニコと笑ってくれます。愛実ちゃん、本当に可愛いです。髪を洗っている最中でなければ後ろから抱きしめていましたよ。
 愛実ちゃんの髪を洗っているので、浴室を包み込む匂いが愛実ちゃんのシャンプーの匂いに変わっていきます。これが普段のここの匂いなんですよね。愛実ちゃんの日常に触れられている感じがして嬉しくなります。

「愛実が誰かに髪を洗ってもらう姿を見るのは新鮮ね」
「お泊まりのときは理沙ちゃんと2人で入ることがほとんどだし、中学の修学旅行のときは……自分で洗っていたからね」
「隣同士に座って洗ったものね。あおいと3人で入っていい光景を見たわ」
「ふふっ、そうですか。あと、お二人は中学の修学旅行では一緒に行動したんですか?」
「同じクラスだったからね。泊まった部屋も一緒だった」
「そうだったわね」
「羨ましいです。でも、同じクラスになりましたから、2学期の修学旅行は一緒に行動できますね!」
「そうだね。楽しみだよね」
「楽しみだわ」

 鏡越しに愛実ちゃんと理沙ちゃんの楽しそうな笑顔が見えます。修学旅行でも、2人とはこうして一緒にお風呂に入ったり、同じ部屋で泊まったりしたいですね。
 あと……入浴や就寝は一緒にできませんが、涼我君と一緒に行動したいですね。できれば、そのときには恋人同士になっていたら嬉しいです。教師の目を盗んで同じ布団やベッドに入っちゃったりして。その中で何かしちゃったりして……きゃあっ。

「あおいちゃんニコニコしてる。修学旅行が凄く楽しみなんだね」
「へっ?」

 チラッと鏡を見ると、私の頬がほんのりと赤くなっていて、口角が凄く上がっていて。顔に出ちゃっていたみたいです。ちょっと恥ずかしい。

「え、ええ。みんなと同じクラスですからね。涼我君とも初めて修学旅行に行けますし」
「ふふっ、そっか」
「卒園直後に引っ越したんだものね。麻丘君と一緒に修学旅行に行けるのは嬉しいわよね」
「ええ!」

 修学旅行……楽しみですね。その前には文化祭もありますし。そう考えると、あと半月ほどで夏休みが終わってしまうことが嫌な気持ちが小さくなっていきますね。

「愛実ちゃん。泡を洗い流しますから、目を瞑ってください」
「はーい」

 愛実ちゃんの可愛らしい返事が聞こえ、目を瞑ったのを確認して、私はシャワーを使ってシャンプーの泡を洗い流します。
 洗い流した後は愛実ちゃんのタオルで髪を拭いていきます。そのことで髪を洗う前よりも艶やかな髪になりました。
 愛実ちゃんはヘアグリップを使って、洗い終わった髪を纏めました。

「これでOKっと。じゃあ、次は理沙ちゃんと私の背中を流してもらおうかな」
「そうね。あおいが洗いやすいように、愛実の隣に来るか」
「それがいいね。あと、理沙ちゃん、ピンクのボディータオルを取ってくれない?」
「分かったわ」

 理沙ちゃんはタオル掛けからピンクのボディータオルを取り、愛実ちゃんに渡します。その流れで愛実ちゃんの横に膝立ちの状態に。
 愛実ちゃんと理沙ちゃんが並んでいると、何だか艶やかな感じがしますね。2人とも髪を纏めて、背中全体が露わになったり、うなじが見えていたりするからでしょうか。女子の私でもドキドキしてきます。
 愛実ちゃんはボディータオルを濡らして、ここにあるボディーソープを泡立てていきます。そのことでピーチの優しい香りがしてきて。そういえば、以前のお泊まりで、愛実ちゃんはピーチの香りがするボディーソープを使うと言っていましたね。

「あおいちゃん、お願いします」
「分かりました」

 愛実ちゃんからボディータオルを受け取ります。いい肌触りのボディータオルです。

「愛実。どっちから洗ってもらう?」
「髪と同じで理沙ちゃんからでいいよ」
「分かったわ。……ということで、あたしからお願いできますか?」
「分かりました」

 私はボディータオルを使って理沙ちゃんの背中を洗い始めます。理沙ちゃんの肌も綺麗ですから、傷つけないためにも、まずはこの前のお泊まりで愛実ちゃんに洗ったときと同じくらいの強さで。

「理沙ちゃん、どうですか?」
「とても気持ちいいわ」
「良かったです」
「背中を流す上手さも愛実の言う通りね」
「上手だよね」

 ふふっ、と理沙ちゃんと愛実ちゃんは声に出して笑い合います。鏡越しに2人の朗らかな笑顔が見えて。私が2人のこの笑顔を引き出せたのだと思うと嬉しくなります。

「理沙ちゃん……肌がとてもスベスベで綺麗ですね。陸上部の活動で屋外にいることも多いのに白いですし。昨日のコアマでも屋外にいる時間も多かったですから」
「ありがとう。部活に行くときはもちろん、昨日もコアマに行く前は日焼け対策をしっかりとしたから。それで日焼けをあまりせずに済んでいるのだと思うわ」

 理沙ちゃんは嬉しそうな笑顔を見せました。
 それから程なくして、理沙ちゃんの背中と腰を洗い終わり、愛実ちゃんの番に。理沙ちゃんのときと同じ力加減で背中を洗っていきます。

「愛実ちゃん、いかがですか?」
「気持ちいいよ。上手だね、あおいちゃん」

 愛実ちゃんは鏡越しで私のことを見て、柔らかな笑みを浮かべます。そのことで気持ちが癒やされますね。
 ゴールデンウィークにお泊まりしたときと同じく、愛実ちゃんの肌は白くてとても綺麗です。その肌を傷つけてしまわないように、今の力加減で丁寧に洗っていきました。

「愛実ちゃん。背中と腰を洗い終わりました」
「ありがとう。あとは自分達で洗うよ」
「そうね」

 私は愛実ちゃんにボディータオルを渡し、少し後ろに下がって、愛実ちゃんと理沙ちゃんが体を洗う様子を見守ります。
 体を洗う姿を見るのは愛実ちゃんは2度目で、理沙ちゃんは初めてです。だからでしょうか。2人がいつもよりも大人の女性に見えたのでした。
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