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最終章
第69話『恋人との夜』
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愛実と一緒にお風呂から出て、リビングでゆっくりとしている両親にお風呂が空いたことを伝えた。入浴剤を入れたらどうかとアドバイスをくれた母さんには、その旨について愛実と一緒にお礼を言った。
「楽しいお風呂になって良かったわ。じゃあ、息子カップルに倣って、今夜は私達夫婦も一緒に入りましょう? 湯船に入浴剤が入っているんだし」
「おっ、いいね。混浴温泉気分を味わえそうだ」
母さんからの提案に、父さんは結構ノリノリだった。俺と愛実のように、母さんと父さんも楽しい入浴になるんじゃないだろうか。
俺と愛実は部屋に戻って、ドライヤーで髪を乾かしたり、自分の習慣になっているマッサージをしたり、愛実はスキンケアをしたりした。
また、愛実の希望で、髪については互いに相手の髪をドライヤーで乾かした。俺の髪に触れられるのが楽しいのか、ニコニコで髪を乾かしているのが可愛かった。
「さてと……こ、これからどうしようか。リョウ君」
お互いに普段、入浴後にしていることが全て終わったとき、愛実がそう問いかけてくる。愛実は頬を赤らめていて、俺をチラチラと見ている。小学生の頃を中心にお泊まりはたくさんしたけど、恋人になってからは初めてだからかな。
「そ、そうだな……」
恋人になったから、お泊まりの夜にすることの選択肢は増える。恋人らしい触れ合いというか。愛実と一緒にお風呂に入ったから、そういったことを考えてしまう。
鈴木と須藤さんは初めてのお泊まりで……し、したんだよな、最後まで。それを考えると結構ドキドキして。愛実は頬を赤らめているから、俺と同じようなことを考えている可能性はありそうだ。
愛実は俺と目が合うと、頬の赤みをより強くして、視線を散漫させる。このままだと、2人とも黙っている時間が続いてしまいそうだ。
「……こ、これまでのお泊まりでは、お風呂の後はアニメを観ることが多いよな。コーヒーや紅茶を飲んだり、お菓子を食べたりしながら」
「そ、そうだねっ。そうすることが多いよね」
「今日はバイトがあったり、花火大会に行ったりしたから、昨日の夜に録画したアニメはまだ観ていないんだ。ラブコメのやつは愛実も観ているし、一緒に観ないか?」
今は恋人になってから初めてのお泊まり中。一緒にお風呂に入ったのもあって、緊張したり、ドキドキしたりしているけど、まずはこれまでのように一緒にアニメを観るのがいいんじゃないかと思ったのだ。
「うんっ!」
愛実は可愛らしい笑顔で返事してくれた。それがとても嬉しい。
その後、俺が淹れたアイスコーヒーを飲んだり、リビングから持ってきたチョコレートマシュマロを食べたりしながら、愛実と一緒に漫画原作のラブコメアニメを観る。その際は愛実と隣同士に座って、寄り添いながら。
最初こそは愛実と寄り添うことにドキドキした。だけど、お互いに原作の漫画を読んでいる作品なので、キャラクターやストーリーのことについて語り合う。そうしていくうちに、いつもの感じでアニメを観ることができた。
「今週も面白かったな」
「そうだね。日中に観て楽しかったから、リョウ君とも一緒に観られて良かったよ」
「そう言ってくれて嬉しいな」
「うん。リョウ君と一緒にアニメを観るのは楽しいな。一緒に過ごすのが本当に楽しい」
愛実は持ち前の優しい笑顔でそう言ってくれる。今の言葉もあって、そのことにキュンとして心が温まる。愛実の頭を優しく撫でると、愛実の口角がさらに上がった。
「この後も何かアニメを観るか?」
愛実の目を見てそう問いかける。
すると、愛実は頬をほんのりと赤くしながら、首をゆっくりと横に振った。
愛実は俺に顔を近づけ……キスしてくる。唇が重なるだけだけど、愛実の唇からはコーヒーやチョコレートマシュマロの匂いが香ってきて。口にしたときよりも濃厚に。
10秒ほどして、愛実は俺から唇を離した。そのことで、俺の視界はうっとりとした笑顔で俺を見つめる愛実でいっぱいで。
「……これより先のことをリョウ君としたい。……えっちしたい」
とても甘い声色で、俺にしか聞こえないくらいの声の大きさで愛実はそう言ってきた。
今の愛実の言葉が両耳からすっと入ってきて。それが強い熱に変わって、一瞬で全身へと広がっていくのが分かった。きっと、今の愛実に負けないくらいに顔が赤くなっていると思う。
「愛実……」
「……リョウ君のことが好きだから、結構前からキスすることとかその先のことを考えてた。告白した直後……いつリョウ君に『恋人になる』って返事されて、えっちする流れになっても大丈夫なように、リョウ君につけてもらうものを買ってたの」
「そ、そうだったのか。俺も……愛実と付き合おうって決めた直後に買ったよ」
「リョウ君も買っていたんだね。ちゃんと考えてくれていて嬉しい。……美里ちゃんが、鈴木君との初めてのお泊まりで最後までしたって話していたから、私もしたいなって思って。リョウ君からお泊まりを誘われたとき、今夜しようって決めたの。ただ、さっきは勇気が出なかったから言えなかったんだけどね」
「そうだったんだな」
さっき、愛実は頬を中心に顔を赤くして俺をチラチラと見ていたけど、やっぱり最後までしようって考えていたんだな。
「実は俺もそのとき、鈴木と須藤さんの話を思い出してて。愛実としようかどうか考えていたんだ」
「そうだったんだね。その……え、えっちしてくれますか?」
「もちろんだよ、愛実」
「ありがとう、リョウ君」
顔を真っ赤にしながらも笑顔でお礼を言う愛実が本当に可愛らしい。
「ちなみに、その……リョウ君はえっちは初めて?」
「初めてだよ。愛実は?」
「私も初めて。じゃあ、お互いに初体験だね」
「そうだな。初めてだから上手くできるか分からないけど、その……よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。ただ、初めてだから……優しくしてくれると嬉しいです」
「分かった」
「ありがとう、リョウ君。大好き」
そう言うと、愛実は俺に向かい合う形で跨がり、キスしてきた。そんな愛実を俺はしっかりと抱きしめた。
その後は主にベッドの中で、愛実と俺はたくさん肌を重ねた。
初めて見る一糸纏わぬ愛実の姿はとても綺麗で、大人っぽくて。そして……可愛くて。そんな愛実の姿を見たり、触れたり、重ねたりすると、愛実への欲がどんどん膨らんでいき、愛実のことを求めていった。その中で笑顔を見せてくれる愛実がとても可愛くて。
愛実も俺のことを求めてきて。普段は大人しい愛実が積極的に動き、リードする場面もあって。
肌を重ねる中で、愛実と俺はたくさん好きと言ったり、唇を中心に全身にキスしたり。様々な形で、お互いの好きな気持ちを現していった。だから、心身共に満たされていくのが分かって。とても幸せな時間になった。
「とても気持ち良かったね」
「気持ち良かったな。だから、気付けばいっぱいしてたな」
「そうだねっ」
愛実は俺の左腕をそっと抱きしめながら笑ってくる。本当に可愛い笑顔だ。今もお互いに何も着ていないから、左腕は愛実の温もりと柔らかさを直に感じ、優しく包まれている。
今は部屋の照明は消えており、ベッドライトだけが点けている。それでも、愛実の体がとても綺麗なことがよく分かる。
「リョウ君とは体の相性もいいんだなって思ったよ」
「俺もそう思った」
肌を重ねる中で、気持ちいいと思うことがたくさんあったからな。
「事前に準備はしていたけど……夢のようだよ。私と付き合うってリョウ君が返事してくれて、一緒にお風呂に入って、えっちできるなんて。本当に幸せな時間だったから」
「そうか。ただ、俺が愛実を選んだことも、一緒にお風呂に入ったことも、え……えっちしたことも現実だ。俺も凄く幸せだよ。そして、この先ずっと愛実と一緒にいることも現実していきたい」
「リョウ君……」
愛実は嬉しそうな笑顔を向けてくれる。
肌を重ねていく中で、愛実とずっと一緒にいたい。離したくないっていう気持ちがより強くなった。肌を重ねたときの愛実の美しくて可愛らしい姿は俺以外の人には一切見せたくないとも。
「リョウ君がそう言ってくれて嬉しいよ。ずっと一緒にいようね」
「ああ。……俺は愛実だけのものだからな」
「ありがとう。私もリョウ君だけのものだからね」
愛実らしい可愛い笑顔でそう言ってくれる。それがとても嬉しい。
「ありがとう、愛実」
「こちらこそ。……ねえ、オープンキャンパスのときに話した中学時代に書いた進路希望調査票の話って覚えてる?」
「覚えているよ。就職って○を付けて、俺のお嫁さんって書いたんだろう?」
「うん。その進路希望をいつか……叶えさせてください。リョウ君のお嫁さんにしてくれますか?」
愛実は俺の目を見つめながらそう言ってきた。もうプロポーズだな、これは。ただ、愛実が俺に抱く好意の強さを実感できて嬉しく思える。もちろん、今の愛実の言葉に、
「喜んで」
と、返事した。
今の年齢では結婚できないし、実際に結婚するのはいつになるかは分からない。ただ、いつか必ず愛実と結婚したい。そう思えるほどに愛実のことが大好きだ。
「ありがとう!」
とても嬉しそうにお礼を言うと、俺にキスしてきた。約束のキスだろうか。肌を重ねる中で数え切れないほどにキスしたけど、愛実とのキスは本当に気持ちが良くて、いいなって思わせてくれる。
愛実は唇を離すと、幸せな様子で俺の左腕を抱きしめる力を強くした。そのことで、愛実の体からは温もりと柔らかさがよりはっきりと伝わってくる。
そんな中、愛実は「ふわああっ……」と可愛らしいあくびをする。俺の目の前であくびをしたからか、愛実ははにかみながら俺を見る。
「もうそろそろ寝ようか。花火大会に行ったし、ここでリョウ君と一緒に体をたくさん動かしたから眠くなってきちゃった」
「そうだな。俺もいい感じに眠くなってきた」
「そっか。リョウ君のおかげで、今夜は凄くいい夢が見られそうだよ」
「見られるといいな。おやすみ、愛実」
「おやすみ、リョウ君」
ちゅっ、と愛実は俺におやすみのキスをして、ゆっくりと目を閉じる。
たくさん体を動かした後で、強い眠気が襲ってきていたのだろうか。目を瞑った直後、愛実は可愛らしい寝息を立て始める。愛実の寝顔はまるで天使のような可愛さで。愛おしい気持ちが膨らんでいく。
「おやすみ、愛実」
愛実が起きないように小声でそう言い、額にそっとキスした。
ベッドライトを消して、俺も目を瞑る。
愛実とあおいに告白の返事をし、愛実と恋人として付き合うことになって。愛実とお泊まりして。愛実と初めて体を重ねて。愛実を俺のお嫁さんにする約束をして。今日という日を忘れることはないだろう。
「楽しいお風呂になって良かったわ。じゃあ、息子カップルに倣って、今夜は私達夫婦も一緒に入りましょう? 湯船に入浴剤が入っているんだし」
「おっ、いいね。混浴温泉気分を味わえそうだ」
母さんからの提案に、父さんは結構ノリノリだった。俺と愛実のように、母さんと父さんも楽しい入浴になるんじゃないだろうか。
俺と愛実は部屋に戻って、ドライヤーで髪を乾かしたり、自分の習慣になっているマッサージをしたり、愛実はスキンケアをしたりした。
また、愛実の希望で、髪については互いに相手の髪をドライヤーで乾かした。俺の髪に触れられるのが楽しいのか、ニコニコで髪を乾かしているのが可愛かった。
「さてと……こ、これからどうしようか。リョウ君」
お互いに普段、入浴後にしていることが全て終わったとき、愛実がそう問いかけてくる。愛実は頬を赤らめていて、俺をチラチラと見ている。小学生の頃を中心にお泊まりはたくさんしたけど、恋人になってからは初めてだからかな。
「そ、そうだな……」
恋人になったから、お泊まりの夜にすることの選択肢は増える。恋人らしい触れ合いというか。愛実と一緒にお風呂に入ったから、そういったことを考えてしまう。
鈴木と須藤さんは初めてのお泊まりで……し、したんだよな、最後まで。それを考えると結構ドキドキして。愛実は頬を赤らめているから、俺と同じようなことを考えている可能性はありそうだ。
愛実は俺と目が合うと、頬の赤みをより強くして、視線を散漫させる。このままだと、2人とも黙っている時間が続いてしまいそうだ。
「……こ、これまでのお泊まりでは、お風呂の後はアニメを観ることが多いよな。コーヒーや紅茶を飲んだり、お菓子を食べたりしながら」
「そ、そうだねっ。そうすることが多いよね」
「今日はバイトがあったり、花火大会に行ったりしたから、昨日の夜に録画したアニメはまだ観ていないんだ。ラブコメのやつは愛実も観ているし、一緒に観ないか?」
今は恋人になってから初めてのお泊まり中。一緒にお風呂に入ったのもあって、緊張したり、ドキドキしたりしているけど、まずはこれまでのように一緒にアニメを観るのがいいんじゃないかと思ったのだ。
「うんっ!」
愛実は可愛らしい笑顔で返事してくれた。それがとても嬉しい。
その後、俺が淹れたアイスコーヒーを飲んだり、リビングから持ってきたチョコレートマシュマロを食べたりしながら、愛実と一緒に漫画原作のラブコメアニメを観る。その際は愛実と隣同士に座って、寄り添いながら。
最初こそは愛実と寄り添うことにドキドキした。だけど、お互いに原作の漫画を読んでいる作品なので、キャラクターやストーリーのことについて語り合う。そうしていくうちに、いつもの感じでアニメを観ることができた。
「今週も面白かったな」
「そうだね。日中に観て楽しかったから、リョウ君とも一緒に観られて良かったよ」
「そう言ってくれて嬉しいな」
「うん。リョウ君と一緒にアニメを観るのは楽しいな。一緒に過ごすのが本当に楽しい」
愛実は持ち前の優しい笑顔でそう言ってくれる。今の言葉もあって、そのことにキュンとして心が温まる。愛実の頭を優しく撫でると、愛実の口角がさらに上がった。
「この後も何かアニメを観るか?」
愛実の目を見てそう問いかける。
すると、愛実は頬をほんのりと赤くしながら、首をゆっくりと横に振った。
愛実は俺に顔を近づけ……キスしてくる。唇が重なるだけだけど、愛実の唇からはコーヒーやチョコレートマシュマロの匂いが香ってきて。口にしたときよりも濃厚に。
10秒ほどして、愛実は俺から唇を離した。そのことで、俺の視界はうっとりとした笑顔で俺を見つめる愛実でいっぱいで。
「……これより先のことをリョウ君としたい。……えっちしたい」
とても甘い声色で、俺にしか聞こえないくらいの声の大きさで愛実はそう言ってきた。
今の愛実の言葉が両耳からすっと入ってきて。それが強い熱に変わって、一瞬で全身へと広がっていくのが分かった。きっと、今の愛実に負けないくらいに顔が赤くなっていると思う。
「愛実……」
「……リョウ君のことが好きだから、結構前からキスすることとかその先のことを考えてた。告白した直後……いつリョウ君に『恋人になる』って返事されて、えっちする流れになっても大丈夫なように、リョウ君につけてもらうものを買ってたの」
「そ、そうだったのか。俺も……愛実と付き合おうって決めた直後に買ったよ」
「リョウ君も買っていたんだね。ちゃんと考えてくれていて嬉しい。……美里ちゃんが、鈴木君との初めてのお泊まりで最後までしたって話していたから、私もしたいなって思って。リョウ君からお泊まりを誘われたとき、今夜しようって決めたの。ただ、さっきは勇気が出なかったから言えなかったんだけどね」
「そうだったんだな」
さっき、愛実は頬を中心に顔を赤くして俺をチラチラと見ていたけど、やっぱり最後までしようって考えていたんだな。
「実は俺もそのとき、鈴木と須藤さんの話を思い出してて。愛実としようかどうか考えていたんだ」
「そうだったんだね。その……え、えっちしてくれますか?」
「もちろんだよ、愛実」
「ありがとう、リョウ君」
顔を真っ赤にしながらも笑顔でお礼を言う愛実が本当に可愛らしい。
「ちなみに、その……リョウ君はえっちは初めて?」
「初めてだよ。愛実は?」
「私も初めて。じゃあ、お互いに初体験だね」
「そうだな。初めてだから上手くできるか分からないけど、その……よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。ただ、初めてだから……優しくしてくれると嬉しいです」
「分かった」
「ありがとう、リョウ君。大好き」
そう言うと、愛実は俺に向かい合う形で跨がり、キスしてきた。そんな愛実を俺はしっかりと抱きしめた。
その後は主にベッドの中で、愛実と俺はたくさん肌を重ねた。
初めて見る一糸纏わぬ愛実の姿はとても綺麗で、大人っぽくて。そして……可愛くて。そんな愛実の姿を見たり、触れたり、重ねたりすると、愛実への欲がどんどん膨らんでいき、愛実のことを求めていった。その中で笑顔を見せてくれる愛実がとても可愛くて。
愛実も俺のことを求めてきて。普段は大人しい愛実が積極的に動き、リードする場面もあって。
肌を重ねる中で、愛実と俺はたくさん好きと言ったり、唇を中心に全身にキスしたり。様々な形で、お互いの好きな気持ちを現していった。だから、心身共に満たされていくのが分かって。とても幸せな時間になった。
「とても気持ち良かったね」
「気持ち良かったな。だから、気付けばいっぱいしてたな」
「そうだねっ」
愛実は俺の左腕をそっと抱きしめながら笑ってくる。本当に可愛い笑顔だ。今もお互いに何も着ていないから、左腕は愛実の温もりと柔らかさを直に感じ、優しく包まれている。
今は部屋の照明は消えており、ベッドライトだけが点けている。それでも、愛実の体がとても綺麗なことがよく分かる。
「リョウ君とは体の相性もいいんだなって思ったよ」
「俺もそう思った」
肌を重ねる中で、気持ちいいと思うことがたくさんあったからな。
「事前に準備はしていたけど……夢のようだよ。私と付き合うってリョウ君が返事してくれて、一緒にお風呂に入って、えっちできるなんて。本当に幸せな時間だったから」
「そうか。ただ、俺が愛実を選んだことも、一緒にお風呂に入ったことも、え……えっちしたことも現実だ。俺も凄く幸せだよ。そして、この先ずっと愛実と一緒にいることも現実していきたい」
「リョウ君……」
愛実は嬉しそうな笑顔を向けてくれる。
肌を重ねていく中で、愛実とずっと一緒にいたい。離したくないっていう気持ちがより強くなった。肌を重ねたときの愛実の美しくて可愛らしい姿は俺以外の人には一切見せたくないとも。
「リョウ君がそう言ってくれて嬉しいよ。ずっと一緒にいようね」
「ああ。……俺は愛実だけのものだからな」
「ありがとう。私もリョウ君だけのものだからね」
愛実らしい可愛い笑顔でそう言ってくれる。それがとても嬉しい。
「ありがとう、愛実」
「こちらこそ。……ねえ、オープンキャンパスのときに話した中学時代に書いた進路希望調査票の話って覚えてる?」
「覚えているよ。就職って○を付けて、俺のお嫁さんって書いたんだろう?」
「うん。その進路希望をいつか……叶えさせてください。リョウ君のお嫁さんにしてくれますか?」
愛実は俺の目を見つめながらそう言ってきた。もうプロポーズだな、これは。ただ、愛実が俺に抱く好意の強さを実感できて嬉しく思える。もちろん、今の愛実の言葉に、
「喜んで」
と、返事した。
今の年齢では結婚できないし、実際に結婚するのはいつになるかは分からない。ただ、いつか必ず愛実と結婚したい。そう思えるほどに愛実のことが大好きだ。
「ありがとう!」
とても嬉しそうにお礼を言うと、俺にキスしてきた。約束のキスだろうか。肌を重ねる中で数え切れないほどにキスしたけど、愛実とのキスは本当に気持ちが良くて、いいなって思わせてくれる。
愛実は唇を離すと、幸せな様子で俺の左腕を抱きしめる力を強くした。そのことで、愛実の体からは温もりと柔らかさがよりはっきりと伝わってくる。
そんな中、愛実は「ふわああっ……」と可愛らしいあくびをする。俺の目の前であくびをしたからか、愛実ははにかみながら俺を見る。
「もうそろそろ寝ようか。花火大会に行ったし、ここでリョウ君と一緒に体をたくさん動かしたから眠くなってきちゃった」
「そうだな。俺もいい感じに眠くなってきた」
「そっか。リョウ君のおかげで、今夜は凄くいい夢が見られそうだよ」
「見られるといいな。おやすみ、愛実」
「おやすみ、リョウ君」
ちゅっ、と愛実は俺におやすみのキスをして、ゆっくりと目を閉じる。
たくさん体を動かした後で、強い眠気が襲ってきていたのだろうか。目を瞑った直後、愛実は可愛らしい寝息を立て始める。愛実の寝顔はまるで天使のような可愛さで。愛おしい気持ちが膨らんでいく。
「おやすみ、愛実」
愛実が起きないように小声でそう言い、額にそっとキスした。
ベッドライトを消して、俺も目を瞑る。
愛実とあおいに告白の返事をし、愛実と恋人として付き合うことになって。愛実とお泊まりして。愛実と初めて体を重ねて。愛実を俺のお嫁さんにする約束をして。今日という日を忘れることはないだろう。
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