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元バトラル視点 完
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「ベッドはこっちだ」
「え?」
「一緒に住むなら、ベッドは同じの方が良いだろう?」
黒川さんに案内されたのは、2人で寝ても十分に余裕があるほど大きいベッドが置かれた部屋だった。ベッドの横に小さな棚があって、その上に照明が乗っているだけで、あとは何も置かれていないシンプルな部屋だ。
「圭吾……」
「んっ、黒川さん」
「ああ、圭吾の匂いだ……」
「ぁ……」
黒川さんから胸の突起を触られて、気持ちよさよりも嬉しさがこみ上げた。
大好きな大好きな黒川さんが、僕のことを求めている。触ってくれている。熱っぽい目で見てくれて、僕を求めてくれている。それがどうしようもないほどに嬉しくて、ホッとした。
「かわいい。圭吾。愛してる」
優しく耳の後ろあたりに手を添えられて、深く、深く口づけされて、溺れそうだった。
「んん……っ、おれもぉ」
「俺も?」
「黒川さんっ、が……すきぃ」
「愛してるか?」
「ぁ、ぅ……」
愛してるの言葉は、なんだか照れ臭くて、言い淀んでしまった。
「愛してる?」
優しい手つきだけど、絶妙にもどかしい手加減で全身を愛撫されて、気持ち良さで頭がおかしくなりそうになる。
「……ぁ、だ、から……すきぃ……くろかわさん」
「……っ…‥ああ、もう。次は絶対言わせてやるからな」
一瞬息を詰まらせたような間のあと、小さく息を吐いた黒川さんは、愛してると口に出せなかった僕を見逃してくれた。けれどその代わりというように、黒川さんから耳元で愛してるとささやかれ続けながら、それはそれはネチネチという言葉がぴったりなセックスをされた。
こういう行為は、バトラルの頃に無理やりされたことがあるけど、愛し愛されている相手とするのは初めてで、気持ちいいと思ったのも初めてだった。
その後、全身疲れるほど大切に抱きつくされて眠りについた。
翌朝目が覚めると、黒川さんの腕の中にいた。
暖かくてポカポカして安心できる場所だ。
黒川さんの胸にスリと擦りつくと上からふふと笑い声が聞こえた。
「起きたのか? おはよう圭吾」
「ぁ、おはよう、黒川さん……その……愛してる」
なぜか昨日は言えなかった言葉がすんなりと出てきた。
黒川さんは一瞬目を瞬かせて、それからふわりと笑った。
「俺も、圭吾を愛してる」
そう応えてくれた黒川さんは、当然のように朝から僕を抱いて、職場から呼び出しの電話が鳴るまで、離してはくれなかった。
シャワーを浴びて、慌ただしく仕事に向かった黒川さんを見送ったあとは、骨の髄まで優しく抱かれたにしても、腰に相当負担がきていた僕の体ではまともに歩くこともできなかったので、布団の中に戻った。
朝日が漏れ出たカーテンの隙間を見て、ホッと息をつく。
幸せ、という気持ちは、きっとこういうことを言うんだろう。
生まれて初めて、その感覚を味わっている気がした。
元バドラル視点 完
「え?」
「一緒に住むなら、ベッドは同じの方が良いだろう?」
黒川さんに案内されたのは、2人で寝ても十分に余裕があるほど大きいベッドが置かれた部屋だった。ベッドの横に小さな棚があって、その上に照明が乗っているだけで、あとは何も置かれていないシンプルな部屋だ。
「圭吾……」
「んっ、黒川さん」
「ああ、圭吾の匂いだ……」
「ぁ……」
黒川さんから胸の突起を触られて、気持ちよさよりも嬉しさがこみ上げた。
大好きな大好きな黒川さんが、僕のことを求めている。触ってくれている。熱っぽい目で見てくれて、僕を求めてくれている。それがどうしようもないほどに嬉しくて、ホッとした。
「かわいい。圭吾。愛してる」
優しく耳の後ろあたりに手を添えられて、深く、深く口づけされて、溺れそうだった。
「んん……っ、おれもぉ」
「俺も?」
「黒川さんっ、が……すきぃ」
「愛してるか?」
「ぁ、ぅ……」
愛してるの言葉は、なんだか照れ臭くて、言い淀んでしまった。
「愛してる?」
優しい手つきだけど、絶妙にもどかしい手加減で全身を愛撫されて、気持ち良さで頭がおかしくなりそうになる。
「……ぁ、だ、から……すきぃ……くろかわさん」
「……っ…‥ああ、もう。次は絶対言わせてやるからな」
一瞬息を詰まらせたような間のあと、小さく息を吐いた黒川さんは、愛してると口に出せなかった僕を見逃してくれた。けれどその代わりというように、黒川さんから耳元で愛してるとささやかれ続けながら、それはそれはネチネチという言葉がぴったりなセックスをされた。
こういう行為は、バトラルの頃に無理やりされたことがあるけど、愛し愛されている相手とするのは初めてで、気持ちいいと思ったのも初めてだった。
その後、全身疲れるほど大切に抱きつくされて眠りについた。
翌朝目が覚めると、黒川さんの腕の中にいた。
暖かくてポカポカして安心できる場所だ。
黒川さんの胸にスリと擦りつくと上からふふと笑い声が聞こえた。
「起きたのか? おはよう圭吾」
「ぁ、おはよう、黒川さん……その……愛してる」
なぜか昨日は言えなかった言葉がすんなりと出てきた。
黒川さんは一瞬目を瞬かせて、それからふわりと笑った。
「俺も、圭吾を愛してる」
そう応えてくれた黒川さんは、当然のように朝から僕を抱いて、職場から呼び出しの電話が鳴るまで、離してはくれなかった。
シャワーを浴びて、慌ただしく仕事に向かった黒川さんを見送ったあとは、骨の髄まで優しく抱かれたにしても、腰に相当負担がきていた僕の体ではまともに歩くこともできなかったので、布団の中に戻った。
朝日が漏れ出たカーテンの隙間を見て、ホッと息をつく。
幸せ、という気持ちは、きっとこういうことを言うんだろう。
生まれて初めて、その感覚を味わっている気がした。
元バドラル視点 完
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