肉便器エンド!? それって最高じゃん

いちみやりょう

文字の大きさ
67 / 99

元バトラル視点 完

しおりを挟む
「ベッドはこっちだ」
「え?」
「一緒に住むなら、ベッドは同じの方が良いだろう?」

黒川さんに案内されたのは、2人で寝ても十分に余裕があるほど大きいベッドが置かれた部屋だった。ベッドの横に小さな棚があって、その上に照明が乗っているだけで、あとは何も置かれていないシンプルな部屋だ。

「圭吾……」
「んっ、黒川さん」
「ああ、圭吾の匂いだ……」
「ぁ……」

黒川さんから胸の突起を触られて、気持ちよさよりも嬉しさがこみ上げた。
大好きな大好きな黒川さんが、僕のことを求めている。触ってくれている。熱っぽい目で見てくれて、僕を求めてくれている。それがどうしようもないほどに嬉しくて、ホッとした。

「かわいい。圭吾。愛してる」

優しく耳の後ろあたりに手を添えられて、深く、深く口づけされて、溺れそうだった。

「んん……っ、おれもぉ」
「俺も?」
「黒川さんっ、が……すきぃ」
「愛してるか?」
「ぁ、ぅ……」

愛してるの言葉は、なんだか照れ臭くて、言い淀んでしまった。

「愛してる?」

優しい手つきだけど、絶妙にもどかしい手加減で全身を愛撫されて、気持ち良さで頭がおかしくなりそうになる。

「……ぁ、だ、から……すきぃ……くろかわさん」
「……っ…‥ああ、もう。次は絶対言わせてやるからな」

一瞬息を詰まらせたような間のあと、小さく息を吐いた黒川さんは、愛してると口に出せなかった僕を見逃してくれた。けれどその代わりというように、黒川さんから耳元で愛してるとささやかれ続けながら、それはそれはネチネチという言葉がぴったりなセックスをされた。
こういう行為は、バトラルの頃に無理やりされたことがあるけど、愛し愛されている相手とするのは初めてで、気持ちいいと思ったのも初めてだった。

その後、全身疲れるほど大切に抱きつくされて眠りについた。

翌朝目が覚めると、黒川さんの腕の中にいた。
暖かくてポカポカして安心できる場所だ。
黒川さんの胸にスリと擦りつくと上からふふと笑い声が聞こえた。

「起きたのか? おはよう圭吾」
「ぁ、おはよう、黒川さん……その……愛してる」

なぜか昨日は言えなかった言葉がすんなりと出てきた。
黒川さんは一瞬目を瞬かせて、それからふわりと笑った。

「俺も、圭吾を愛してる」

そう応えてくれた黒川さんは、当然のように朝から僕を抱いて、職場から呼び出しの電話が鳴るまで、離してはくれなかった。

シャワーを浴びて、慌ただしく仕事に向かった黒川さんを見送ったあとは、骨の髄まで優しく抱かれたにしても、腰に相当負担がきていた僕の体ではまともに歩くこともできなかったので、布団の中に戻った。

朝日が漏れ出たカーテンの隙間を見て、ホッと息をつく。

幸せ、という気持ちは、きっとこういうことを言うんだろう。
生まれて初めて、その感覚を味わっている気がした。

元バドラル視点 完
しおりを挟む
感想 51

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

寝てる間に××されてる!?

しづ未
BL
どこでも寝てしまう男子高校生が寝てる間に色々な被害に遭う話です。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

処理中です...