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神宮寺さんとは2年付き合った。
2年付き合って、付き合う前より好きな気持ちは増した。
だけど、やっぱりどこまで行っても神宮寺さんはノンケだから。
2年たった今でも、キスは何度もしたけどセックスは数えるほどしかしていない。
そのセックスも触り合いみたいな感じで、セックスと言うより前戯止まりという感じだった。
セックスだけが全てじゃない。
だけど、付き合いたてのカップルが2年経って数えるほどしかしていないというのは脈はないってことなのだろう。
この2年、俺は楽しくて幸せで仕方なかったけど、神宮寺さんはどう思っていたんだろう。
最近、神宮寺さんの様子がおかしい。
スマホを見ている時間が増えて、俺が話しかけると挙動不審で。
この間、神宮寺さんの部屋を掃除してたら新しいパンツとか服とか沢山出てきた。
普段あまり服を買い替えるような人ではないし、買う時はいつも俺に相談してきてたのに。
デートに誘ってもおうちデートばかりになった。
そんな時、白木が彼氏と別れたと噂が流れてきた。
ああ。
だからだったのか。
神宮寺さんは俺と別れたいと思っていたのか。
神宮寺さんは優しくて、カッコ良くて、良いところばっかりだから。
きっと俺と別れて、白木に告白ができたら全てうまく行って、神宮寺さんは白木と結婚してしまうんだろう。
神宮寺さんは幸せになるべき人間だ。
人に優しくできない俺と違って、光の中で生きていくべき人間だ。
俺にできる善と言ったら神宮寺さんとすんなり別れてあげるくらいだ。
白木も神宮寺さんと似たようなところがある。
基本的に人に優しいし、親切だ。
2人はきっとお似合いのカップルになる。
俺は神宮寺さんを飲みに誘った。
今日は焼き魚を頼まなかった。
目の前の神宮寺さんは楽しそうに笑って話している。
早く、早く、ここ最近の神宮寺さんの憂いを晴らしてあげないと。
「神宮寺さん」
「ん? どうした?」
「別れましょうか」
俺がやっと口に出すと神宮寺さんはぽかんとした顔をした。
「……は?」
まさか俺から別れを切り出すなんて思っていなかったのだろう。
「じゃあ、そういう事ですので……。明日から職場で気まずいかもしれませんが、普通にできるよう心がけます。2年もの間、俺に付き合ってくれてありがとうございました」
頭を下げてお礼を伝え財布の中から飲み代として1万円を取り出して机に置いた。
「ちょっと待て、どうしたいきなり」
俺はその言葉には返事をせずに財布をカバンにしまって店を後にしようとした。
だけど腕を掴まれて止められた。
「白木さん、彼氏と別れたって噂ですよね。神宮寺さんは誠実な人だから、俺がいたらアピールできないでしょう」
「何言ってんだ……?」
神宮寺さんは俺の言ってることが本当に心底分からないというような困惑した顔をした。
「今更、俺に気を使わないでください。俺はこの2年、神宮寺さんと付き合ってもらえただけで最高に幸せだったんですから。本当にありがとうございました」
俺は神宮寺さんに掴まれた手をやんわりと外して店の外に出た。
しばらく歩いて人のいない公園に着いてからベンチに座って詰めていた息を吐き出した。
2年付き合って、付き合う前より好きな気持ちは増した。
だけど、やっぱりどこまで行っても神宮寺さんはノンケだから。
2年たった今でも、キスは何度もしたけどセックスは数えるほどしかしていない。
そのセックスも触り合いみたいな感じで、セックスと言うより前戯止まりという感じだった。
セックスだけが全てじゃない。
だけど、付き合いたてのカップルが2年経って数えるほどしかしていないというのは脈はないってことなのだろう。
この2年、俺は楽しくて幸せで仕方なかったけど、神宮寺さんはどう思っていたんだろう。
最近、神宮寺さんの様子がおかしい。
スマホを見ている時間が増えて、俺が話しかけると挙動不審で。
この間、神宮寺さんの部屋を掃除してたら新しいパンツとか服とか沢山出てきた。
普段あまり服を買い替えるような人ではないし、買う時はいつも俺に相談してきてたのに。
デートに誘ってもおうちデートばかりになった。
そんな時、白木が彼氏と別れたと噂が流れてきた。
ああ。
だからだったのか。
神宮寺さんは俺と別れたいと思っていたのか。
神宮寺さんは優しくて、カッコ良くて、良いところばっかりだから。
きっと俺と別れて、白木に告白ができたら全てうまく行って、神宮寺さんは白木と結婚してしまうんだろう。
神宮寺さんは幸せになるべき人間だ。
人に優しくできない俺と違って、光の中で生きていくべき人間だ。
俺にできる善と言ったら神宮寺さんとすんなり別れてあげるくらいだ。
白木も神宮寺さんと似たようなところがある。
基本的に人に優しいし、親切だ。
2人はきっとお似合いのカップルになる。
俺は神宮寺さんを飲みに誘った。
今日は焼き魚を頼まなかった。
目の前の神宮寺さんは楽しそうに笑って話している。
早く、早く、ここ最近の神宮寺さんの憂いを晴らしてあげないと。
「神宮寺さん」
「ん? どうした?」
「別れましょうか」
俺がやっと口に出すと神宮寺さんはぽかんとした顔をした。
「……は?」
まさか俺から別れを切り出すなんて思っていなかったのだろう。
「じゃあ、そういう事ですので……。明日から職場で気まずいかもしれませんが、普通にできるよう心がけます。2年もの間、俺に付き合ってくれてありがとうございました」
頭を下げてお礼を伝え財布の中から飲み代として1万円を取り出して机に置いた。
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俺はその言葉には返事をせずに財布をカバンにしまって店を後にしようとした。
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「何言ってんだ……?」
神宮寺さんは俺の言ってることが本当に心底分からないというような困惑した顔をした。
「今更、俺に気を使わないでください。俺はこの2年、神宮寺さんと付き合ってもらえただけで最高に幸せだったんですから。本当にありがとうございました」
俺は神宮寺さんに掴まれた手をやんわりと外して店の外に出た。
しばらく歩いて人のいない公園に着いてからベンチに座って詰めていた息を吐き出した。
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