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確信
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数日して、僕は只野さんの家を尋ねていた。
「珍しいな。どうした?」
「あ……、以前銀次さんが只野さんの家の倉庫に入れたって言ってたものを、その……、見せてもらいたいんです」
「あー、あの中にお前が見ても面白いもんなんてないが」
「……分かってます。けど、お願いです」
只野さんは僕を探るような目で見ていたけど、僕も必死で見つめ返した。
結局は只野さんが折れてくれてその場所まで案内してくれた。
だけどそこは倉庫でもなんでもなく、2階の1室だった。
綺麗に荷物が積まれていて、棚には写真立てと蝋燭の代わりなのかアロマキャンドルが置かれていた。
写真立ての中の写真を覗くと思った通り、着なれていない詰襟の制服を着て入学式と書かれた看板の前でハニカム、今より若い姿の銀次さん。そして松尾先生が写っていた。
ドクドクと心臓が鳴った。
やっぱり。
「只野さん……」
部屋の入り口に立ったまま入ってこない只野さんに呼びかけた。
「なんだ」
「司さんのお葬式は参列されましたか」
「した。今更それがどうした」
只野さんは怪訝そうな顔をして僕を見ている。
「……お顔は……見ましたか」
「は?」
只野さんだって未だに司さんを偲んでいる。
それなのにこんなことを聞いて僕は嫌なやつだろう。
それでも聞かなければいけないと思った。
「いや……、顔は見てない。見ない方がいい死に顔だと……言われたからな。だが、大きな葬式で、たくさんの人が参列していた。佐渡は葬式にも参加させてもらえなかったが」
「そう、ですか。教えてくださってありがとうございました」
写真で確認してしまって松尾先生は司さんと言うことは、揺るぎない真実になった。
家に帰って、銀次さんと繋心の好物ばかり作った。
2人ともこれは何のパーティーなのかと仕切りに聞いてきてとても喜んでいた。
僕は罪悪感でいっぱいだ。
だって、僕は銀次さんの隣が、繋心と3人で暮らすこの生活が手放せない。
本当は僕が居るべき場所じゃないのに、本当は司さんをこの家に連れてきて銀次さんと会わせるべきなのに、僕はそれをしないでいる。
いつかは隠していたことなんてバレる。
それもきっとすぐに。
幼稚園では運動会やお遊戯会や保護者参観など様々なイベントが行われる。
忙しい銀次さんだって、繋心のためなら休んで参加したがるだろう。
だからすぐにバレるのに、それなのに僕は意図を持って黙っているんだ。
バレるまででいい。後ほんの少しの間でいいから、銀次さんのそばに居たい。
僕がこんなに最低なやつだって知られたら、きっと銀次さんに嫌われる。
いや、司さんが生きていると知れば、僕の存在も忘れてしまうかもしれない。
幸せなこの生活は、僕なんかが願って良いものではなかったことを、あと少しで突きつけられるんだ。
夜になり、銀次さんと一緒に布団に入ると抱き寄せてくれた。
「伊月くん、相談があるんだけど」
ドッドッと銀次さんの心臓の音が伝わってくる。
緊張しているようなその早い鼓動に何の相談なのか不安になった。
「なんですか?」
「繋心も5歳になって、落ち着いてきたけど1人っ子だと寂しいかなと思うんだ」
「……? はい」
「えーっと。だからね、もう1人どうかな。もちろん伊月くんに負担がかかるから無理にとは言わないけど」
「え」
「あ、すぐに返事が欲しいわけじゃないよ。今日はとりあえずどうかなーって聞いてみただけだから……ね?」
そう言って僕の背中をポンポンとゆっくりとしたリズムで叩き始めた。
もう一人……。正直、司さんの件がなければすぐにでも同じ気持ちだと返事をしただろう。
だけど、僕はすぐに返事ができなかった。
「珍しいな。どうした?」
「あ……、以前銀次さんが只野さんの家の倉庫に入れたって言ってたものを、その……、見せてもらいたいんです」
「あー、あの中にお前が見ても面白いもんなんてないが」
「……分かってます。けど、お願いです」
只野さんは僕を探るような目で見ていたけど、僕も必死で見つめ返した。
結局は只野さんが折れてくれてその場所まで案内してくれた。
だけどそこは倉庫でもなんでもなく、2階の1室だった。
綺麗に荷物が積まれていて、棚には写真立てと蝋燭の代わりなのかアロマキャンドルが置かれていた。
写真立ての中の写真を覗くと思った通り、着なれていない詰襟の制服を着て入学式と書かれた看板の前でハニカム、今より若い姿の銀次さん。そして松尾先生が写っていた。
ドクドクと心臓が鳴った。
やっぱり。
「只野さん……」
部屋の入り口に立ったまま入ってこない只野さんに呼びかけた。
「なんだ」
「司さんのお葬式は参列されましたか」
「した。今更それがどうした」
只野さんは怪訝そうな顔をして僕を見ている。
「……お顔は……見ましたか」
「は?」
只野さんだって未だに司さんを偲んでいる。
それなのにこんなことを聞いて僕は嫌なやつだろう。
それでも聞かなければいけないと思った。
「いや……、顔は見てない。見ない方がいい死に顔だと……言われたからな。だが、大きな葬式で、たくさんの人が参列していた。佐渡は葬式にも参加させてもらえなかったが」
「そう、ですか。教えてくださってありがとうございました」
写真で確認してしまって松尾先生は司さんと言うことは、揺るぎない真実になった。
家に帰って、銀次さんと繋心の好物ばかり作った。
2人ともこれは何のパーティーなのかと仕切りに聞いてきてとても喜んでいた。
僕は罪悪感でいっぱいだ。
だって、僕は銀次さんの隣が、繋心と3人で暮らすこの生活が手放せない。
本当は僕が居るべき場所じゃないのに、本当は司さんをこの家に連れてきて銀次さんと会わせるべきなのに、僕はそれをしないでいる。
いつかは隠していたことなんてバレる。
それもきっとすぐに。
幼稚園では運動会やお遊戯会や保護者参観など様々なイベントが行われる。
忙しい銀次さんだって、繋心のためなら休んで参加したがるだろう。
だからすぐにバレるのに、それなのに僕は意図を持って黙っているんだ。
バレるまででいい。後ほんの少しの間でいいから、銀次さんのそばに居たい。
僕がこんなに最低なやつだって知られたら、きっと銀次さんに嫌われる。
いや、司さんが生きていると知れば、僕の存在も忘れてしまうかもしれない。
幸せなこの生活は、僕なんかが願って良いものではなかったことを、あと少しで突きつけられるんだ。
夜になり、銀次さんと一緒に布団に入ると抱き寄せてくれた。
「伊月くん、相談があるんだけど」
ドッドッと銀次さんの心臓の音が伝わってくる。
緊張しているようなその早い鼓動に何の相談なのか不安になった。
「なんですか?」
「繋心も5歳になって、落ち着いてきたけど1人っ子だと寂しいかなと思うんだ」
「……? はい」
「えーっと。だからね、もう1人どうかな。もちろん伊月くんに負担がかかるから無理にとは言わないけど」
「え」
「あ、すぐに返事が欲しいわけじゃないよ。今日はとりあえずどうかなーって聞いてみただけだから……ね?」
そう言って僕の背中をポンポンとゆっくりとしたリズムで叩き始めた。
もう一人……。正直、司さんの件がなければすぐにでも同じ気持ちだと返事をしただろう。
だけど、僕はすぐに返事ができなかった。
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