僕はナイチンゲール

「ん……ふ、ぁ、ん……」

僕を抱く彼の手はいつも優しい。
だけどその瞳は僕のことなど映していない。
だから僕はいつもなるべく声を出さないように努力する。

僕の声は、彼を不快にするだろう。

僕は、あの人じゃないから……。

「ふ……ん、ん……」
「どうした、考え事か」

彼の質問にも僕は何も答えない。
だって、声を出したりして、僕の中を出入りする彼のそれが萎えたりしたら立ち直れそうもないから。

彼は何も答えない僕に舌打ちして抽挿を再開した。
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