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再会
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僕が恐れていた幼稚園のイベント、お遊戯会はすぐにやってきた。
繋心が嬉しそうに園からもらったプリントを見せてくれた。
「僕の衣装はかっこいいのを作ってね!!」
「うん、とびっきりかっこいいのにしようね」
「やったあ!! 楽しみだなぁ」
飛び跳ねながら喜ぶ繋心を見ていた銀次さんが、プリントをヒョイと取って見始めた。
「来月かあ。繋心がかっこいいとこ、パパもちゃんと見ないとね」
「本当!? 絶対見にきてね!!」
「もちろん」
ニコニコと繋心を見る銀次さんは物語に出てくる幸せな父親そのものみたいだ。
目に映る光景は幸せそのものなのに、終わりが近づいて来ているようで怖かった。
そろそろ潮時だと思った。
優しい銀次さんに甘えて幸せを感じていたけれど、来月にはどうしたってバレてしまうんだから。
司さんをこの家に呼んで、2人を引き合わせよう。
繋心のお遊戯会で再会して2人がその場で混乱してお遊戯会が失敗になるのはダメだ。
僕なんかに出来ること、それは2人の邪魔をしないことくらいだ。
繋心のこともあるし、どうすれば良いのかずっと悩んでいた。
だけど、僕には親がいなかったから分からないけど、僕と銀次さんの仲が冷め切っているのをそばで見るのはきっと繋心の心に良くない。
5歳相手に酷なことをさせて申し訳ないけれど
もしも別れることになった時は繋心自信でどちらと暮らすか選んでもらおう。
「伊月くん? どうしたの?」
「あ、ああ。なんでもないです。繋心のお遊戯会楽しみですね」
「そうだね。繋心は何の役をやるの?」
「僕ね、狼さん!! 子豚さんのお家をビューってする!」
繋心が嬉しそうに銀次さんに報告していて微笑ましい。
プリントに書いてある繋心たちの演じる劇は3匹の子豚だった。
3匹の子豚の狼といえば悪役だけれど、繋心的には子豚役の3人の中に好きな子がいるらしくてとても張り切っているらしい。
「そうか、大役だな」
「うん!」
2人はニコニコ話していた。
数日して、僕は銀次さんのお休みの日に合わせて、松尾先生を家に呼んだ。
その日は平日で、松尾先生のお休みと、銀次さんのお休みがかぶる奇跡の1日だった。
まるで2人の再会を祝うかのように外は快晴だった。
繋心を幼稚園のバスに乗せたあと、リビングに戻ると、銀次さんは静かにコーヒーを飲んでいる。
顔を上げた銀次さんは僕を見てここに座ってとばかりに腕を広げられて、僕はそれに従った。
銀次さんの膝の上に座るとお腹に腕を回されて耳を甘噛みされた。
「んっ……銀次さんっ」
「なあに。ベットいく?」
「っ……ダメです。今日は大事なお客さんが来るんですから」
「ああ。最近仲良くなったって言ってた幼稚園の先生だっけ?」
銀次さんは少しつまらなそうに言った。
知らない人を家にあげるのは多少なり抵抗があるのかもしれない。
だけど、今から来る人は銀次さんの大事な人だ。
「でも、面白くないな。その先生男の先生なんでしょう? あんまり仲良くされると俺だって焼きもちくらい焼くんだけど?」
冗談めかすような言い方だったけど焼きもちを焼くなんて言われて嬉しくなった。
「銀次さん、好きです」
「なに? 俺も好きだよ。やっぱりベットに行きたくなった?」
「なってませんっ」
「かわいいなぁ、伊月くんは」
ニコニコと笑う銀次さんが好きだ。
優しそうで、実際、すごく優しい銀次さんが好きだ。
この6年とちょっとの幸せな時間は僕の一生の宝物だ。
ーーピンポーン
玄関でチャイムが鳴って僕は心臓が跳ねた。
来た。
約束通りの時間。
玄関を開けると、松尾先生が手土産を持って立っていた。
「ようこそ松尾先生」
「こんにちは、今日は家に呼んでいただいてありがとうございます。これ、つまらないものですが」
手土産の箱を渡されそうになって少し離れた。
「あ、あの。そこの扉から入っておいてもらえますか。手土産はそこにいる人に渡してください」
「え?」
「さあ」
「あ、ちょっと佐渡さん?」
僕がリビングの扉の前に松尾先生を連れて行くと、松尾先生は困惑しながらもここを開ければいいんですか? と聞いてくれた。
僕はコクリとうなずいた。
松尾先生が困惑しながら目の前のリビングの扉をゆっくり開けて、中を見て固まった。
「……銀次……さま」
僕からは松尾先生しか見えない。
銀次さんの反応は想像もつかない。
びっくりはしているだろうけど、すぐには信じられないかも。
1歩、1歩と吸い寄せられるようにリビングに入って行く松尾先生が完全に僕の視界から消えた時、僕は静かに玄関から外に出た。
繋心が嬉しそうに園からもらったプリントを見せてくれた。
「僕の衣装はかっこいいのを作ってね!!」
「うん、とびっきりかっこいいのにしようね」
「やったあ!! 楽しみだなぁ」
飛び跳ねながら喜ぶ繋心を見ていた銀次さんが、プリントをヒョイと取って見始めた。
「来月かあ。繋心がかっこいいとこ、パパもちゃんと見ないとね」
「本当!? 絶対見にきてね!!」
「もちろん」
ニコニコと繋心を見る銀次さんは物語に出てくる幸せな父親そのものみたいだ。
目に映る光景は幸せそのものなのに、終わりが近づいて来ているようで怖かった。
そろそろ潮時だと思った。
優しい銀次さんに甘えて幸せを感じていたけれど、来月にはどうしたってバレてしまうんだから。
司さんをこの家に呼んで、2人を引き合わせよう。
繋心のお遊戯会で再会して2人がその場で混乱してお遊戯会が失敗になるのはダメだ。
僕なんかに出来ること、それは2人の邪魔をしないことくらいだ。
繋心のこともあるし、どうすれば良いのかずっと悩んでいた。
だけど、僕には親がいなかったから分からないけど、僕と銀次さんの仲が冷め切っているのをそばで見るのはきっと繋心の心に良くない。
5歳相手に酷なことをさせて申し訳ないけれど
もしも別れることになった時は繋心自信でどちらと暮らすか選んでもらおう。
「伊月くん? どうしたの?」
「あ、ああ。なんでもないです。繋心のお遊戯会楽しみですね」
「そうだね。繋心は何の役をやるの?」
「僕ね、狼さん!! 子豚さんのお家をビューってする!」
繋心が嬉しそうに銀次さんに報告していて微笑ましい。
プリントに書いてある繋心たちの演じる劇は3匹の子豚だった。
3匹の子豚の狼といえば悪役だけれど、繋心的には子豚役の3人の中に好きな子がいるらしくてとても張り切っているらしい。
「そうか、大役だな」
「うん!」
2人はニコニコ話していた。
数日して、僕は銀次さんのお休みの日に合わせて、松尾先生を家に呼んだ。
その日は平日で、松尾先生のお休みと、銀次さんのお休みがかぶる奇跡の1日だった。
まるで2人の再会を祝うかのように外は快晴だった。
繋心を幼稚園のバスに乗せたあと、リビングに戻ると、銀次さんは静かにコーヒーを飲んでいる。
顔を上げた銀次さんは僕を見てここに座ってとばかりに腕を広げられて、僕はそれに従った。
銀次さんの膝の上に座るとお腹に腕を回されて耳を甘噛みされた。
「んっ……銀次さんっ」
「なあに。ベットいく?」
「っ……ダメです。今日は大事なお客さんが来るんですから」
「ああ。最近仲良くなったって言ってた幼稚園の先生だっけ?」
銀次さんは少しつまらなそうに言った。
知らない人を家にあげるのは多少なり抵抗があるのかもしれない。
だけど、今から来る人は銀次さんの大事な人だ。
「でも、面白くないな。その先生男の先生なんでしょう? あんまり仲良くされると俺だって焼きもちくらい焼くんだけど?」
冗談めかすような言い方だったけど焼きもちを焼くなんて言われて嬉しくなった。
「銀次さん、好きです」
「なに? 俺も好きだよ。やっぱりベットに行きたくなった?」
「なってませんっ」
「かわいいなぁ、伊月くんは」
ニコニコと笑う銀次さんが好きだ。
優しそうで、実際、すごく優しい銀次さんが好きだ。
この6年とちょっとの幸せな時間は僕の一生の宝物だ。
ーーピンポーン
玄関でチャイムが鳴って僕は心臓が跳ねた。
来た。
約束通りの時間。
玄関を開けると、松尾先生が手土産を持って立っていた。
「ようこそ松尾先生」
「こんにちは、今日は家に呼んでいただいてありがとうございます。これ、つまらないものですが」
手土産の箱を渡されそうになって少し離れた。
「あ、あの。そこの扉から入っておいてもらえますか。手土産はそこにいる人に渡してください」
「え?」
「さあ」
「あ、ちょっと佐渡さん?」
僕がリビングの扉の前に松尾先生を連れて行くと、松尾先生は困惑しながらもここを開ければいいんですか? と聞いてくれた。
僕はコクリとうなずいた。
松尾先生が困惑しながら目の前のリビングの扉をゆっくり開けて、中を見て固まった。
「……銀次……さま」
僕からは松尾先生しか見えない。
銀次さんの反応は想像もつかない。
びっくりはしているだろうけど、すぐには信じられないかも。
1歩、1歩と吸い寄せられるようにリビングに入って行く松尾先生が完全に僕の視界から消えた時、僕は静かに玄関から外に出た。
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