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しおりを挟むやる気ならあるに決まっている。
でも実際、何もしていないのだからそう言われても仕方がないのは
分かっている。
とにもかくにも演者だ! 演技をしてくれる人材が今は必要なのだ。
だから見つけないといけないのだが、そんな人材がいるのだろうか?
そもそもそういう人材はもう演劇部に入ってしまっているだろうし、
誰かそういうのに詳しい奴はいないものかと考えてみると、居た、一人。
「なんや、なんか用かいな塚田君」
そう、謎の情報網を持っている三田村が居た。
こいつならもしかしたら、何か知っている可能性がある。
「三田村、誰か演技出来る奴、知らないか? 」
「どうしたんや急に、演技って自分らの所には立花さんがおるやんか。
どれだけ強欲やねん君ら、立花さん一人で我慢しとき」
三田村は取り付く島もない。
「いや、そうじゃないんだ。立花さんはカメラマンなんだよ。
そりゃあ、俺だって立花さんが出てくれればそれが一番よかったけど
それが無理になってしまったんだ。だから、誰か知らないか? 」
俺は三田村に頼み込む。
だってもうこれしかないのだから、早くスタートを切らないといけないのだ。
「なんやそれ、ほんまか? へぇ、立花さんってそっちやったんか。
俺はてっきり役者の方がしたいんやとばかり思っとったわ。
なんやエグイ人やと思っとったけど……どっちにしてもエグイか。
そうかそうか、それなら確かに役者は必要やな。うーん、そうやな
大体みんな部活は決めてもうてるやろうしな、そうなると厳しいな」
三田村は渋い顔をする。
「そうか。分かったよ、悪かったな急に。自分でもうちょっと探していみるよ」
俺はその場を後にした。
*****
とりあえずそれっぽい人に声をかけれみるか?
でもそれっぽい人ってどんな人なんだろうか?
取り合えずだれでもいいから声をかけてみるか?
俺は知らない生徒に声をかけてみる。
「あの~ 」
「おーい、塚田君。おったわ一人、凄いのが」
俺が声をかけたのと同時に三田村が声をかけて来た。
「すいません、大丈夫です」
俺は謝ってから、三田村の話を聞く
「なんや、もう見つけたんか? 」
「いや、まだだよ。それで誰なんだそれは」
「嗚呼そうそう。凄いのが一人おったんや。すっかり忘れたけどな
渡辺千里って知ってるか? 」
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