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「泣かないでよ、ねぇ。」
「煩いなぁ!!お前には僕の気持ちがわからないからそんな事を言えるんだよ!!ばかルーナ」
目の前にいるのは大粒の涙をポロポロと流すのは、小さい頃のアネルと小さな私。果たして何故、小さなアネルと私が目の前にいるのか…………
「母さんは僕と父さんをすてて、どっかに行っちゃった。父さんは、ますます仕事ばかりするようになって家にかえって来ない。僕は、僕は家族にすてられたんだ。そんな僕の気持ちが、お前になんか分かるわけないだろ!?」
幼いながらも悲痛な思いが、込められたアネルの叫びが心に響く。
あぁ、これは、私の幼い頃の記憶だ。すっかり忘れてしまった記憶。
それにしても何故、今、こんな事を思い出すのか。先ほどまで、私はドゥム達と戦って……それで負けて……とそこからの記憶がない。あれ?もしかして、これって走馬燈という奴か?死の直前にみると言われている走馬燈なのだろうか。つまり私死にかけているって事?………まじかよ。
あぁ、それにしても懐かしい記憶。これは、そう確か私がこの世界が乙女ゲームであると気づく少し前の事だった。
アネルのお母さんが、蒸発して家を出て行き、父親は元々仕事人間だったが、そのせいでますます仕事に身を投じるようになって、家に全く帰らなくなったのだ。
まだ幼いというのに家族に捨てられたアネル。そんなアネルを見かねた私の両親が、彼の親代わりとして、世話を焼いてきたのだ。幼馴染みだが、家族当然として育てられてきた私たち。故に、どんなに嫌われようと私は彼を嫌いにはなれない。なんだかんだ言っても、彼は私の大切な家族みたいなものなのだ。嫌いになる方が難しいだろう。(……まぁ、私は嫌われたいるようだが)
走馬燈としてこの記憶を思い出したのは、気を失う直前、アネルの事を思っていたからなのだろうか。だとすると、どんな約束をアネルとしたのかこれで、思い出すかもしれない。
「家族に愛されて育っているお前に僕の気持ちなんか分からない!!お前なんて!お前なんて嫌いだ!!!」
何処にも向けることのできない感情を爆発させる彼に対して、私は何を言ったのか……
「分からないよ。分かるわけないじゃん。と言うか、その原理で人を嫌っていたらアネルは世の中の大半の人間を嫌う事になるよ。」
……何というか、うわぁ。我ながらひどい事を言ってる。お前いくら、それが事実だからって、言っていい事と悪い事があるだろ。いくら何でもそれはないだろ、自分!!
「な、なにそれ!ルーナ。じゃあ何!?皆んなは両親に愛されてるけれど、俺が捨てられたのは俺が悪いからなの?俺が悪いから捨てられたって言いたいの!?」
「いや、そこまで言ってないじゃん。違うよ……アネルは悪くないよ。………多分」
頼む私よ、もっと優しくなれよ。そこは違うと断言してやれよ。いいか、相手はショタなんだよ!?
「嘘つかないでよ!!僕が、僕が悪いんだ。だから、父さんも母さんも僕を捨てたんだ。じゃなきゃ、なんで僕は捨てられたって言うのさ!!」
「……それは」
それははたして何故なのか。答えにするには難しすぎる質問だ。ただ、両親が悪かった。その一言で済めばいいが、その一言で済ませたらダメなのだろう。幼き頃の私も、同じように、そう思っているのか言葉を詰まらせている。
「やっぱり僕が悪いんじゃん!!」
アネルの頰に流れる大粒の涙。 その姿はあまりにも痛々しい。
「悪くないよ。悪くないから、泣かないでよ」
その姿が流石に痛痛すぎたのか、幼い私がぎゅっとアネルを抱きしめる。(私もショタを抱きしめたいよ)
「そんな言葉いらない。証拠もないのに、信じる馬鹿なことはしない」
「証拠ならあるよ。だって、今は私の家族がアネルの家族代わりなのに、アネルを捨てようとしていないじゃん。」
「捨てる。いつかいらないって皆んな僕を捨てる!!」
「捨ない、捨ないよ。」
「嘘だよ!捨てるんだ」
捨てない。捨てる。の言い合いがいつまでも続いている。果たして、いつまで続くのか。と言いたくなる程だ。
「捨ないって言ってるじゃん!!例えアネルが、私を嫌いになろうが、馬鹿にしようが、酷い事をしようが、捨ないよ。約束する。」
さすがに痺れを切らしたのか、幼い頃の私がキレかかりながら、そんなことを口走る。言い方は悪いが私よ!よく言った!イケメン!惚れる!抱いて!(……幼い自分に何言ってるんだ、私)
「………本当に?」
「うん、本当だよ。………あと、うーん。あ!そうだ!!君が大人になって、本当に大切な人を見つけて、その人と家族になるまで、私がアネルの帰る場所になるよ。」
「その言い方だと、ルーナは僕も結婚してくれないの?」
「えー、いや、ほら私転生したから精神年齢上だし?確かにショタは魅力的だけど、ショタはショタだから恋愛対象にはねぇ?」
……さっき惚れそうだったが、やっぱ無しで。あれだ、客観的に見ていて思う。私よ。こんなに痛い子だったんだ。そんなに大っぴらに転生とか言うなよ。見ていて恥ずかしいよ!!!くっ、確かにこんな子供いたら精神科に連れて行くよね。両親の判断は間違っていなかった。今になって改めてわかった。
「………ルーナって偶に変なこと言うよね。でも、まぁ、いいや。ねぇ、それならさ約束してくれる? 俺がどんなに酷いことしても、俺を捨ないって。ずっと俺の帰る場所になってよね」
「え、なにそれ、酷いする前提なの!?……いや、それで気が済むなら、いいけど。……約束するよ。アネル、私は君が望む限り君の帰る場所になってあげる」
ぎゅっと小指を結んで約束する2人。あぁ、思い出した。これがアネルが言っていた約束なのか。すっかり忘れていた。
ふと、目の前の記憶二人に手を伸ばす。だが、その瞬間、パリンっとガラスが割れるように目の前の光景が、粉々、散り散りになってしまった。既に目の前には懐かしきあの頃の記憶はなく、ただただ暗闇が広がるだけ。果たしてここはどこなのか。先程までは記憶の中。走馬燈を見ていたはず。だとすると……その走馬燈が終わってしまった今、広がるこの暗闇の世界は、死の世界なのだろうか。
永遠に続くのではないかと思われる暗闇を見つめれば、なんとなくあちらに引き寄せられているような気がした。本能的にそちらの方角が、この暗闇の奥方向なんどろうかと感じる。引き寄せられるように、そちらへと足を進め用としたその時
「っと!危ない。それ以上先に行ってもらうと困るんだよね」
手首を掴まれ、進行を阻止された。果たして、なにが起こったのか。理解できなかった。真っ暗なこの世界に私以外の人間は誰もいなかった。それなのにだ。
「さすがにこれ以上奥に行かれると、俺にも追いようがないからね。」
振り返ればそこには何故か殿下がいた。え、本当になんで!?
「夢か?夢なのか!?なんで、夢にまででてくるんだよ!」
確かに夢は深層心理を映すって言うけど!!でも、私は殿下が夢にまで、出てくることを望んでいないよ!?もしかして悪夢!?って、いやいやその前にここは死後の世界的な場所だろ?本当に何で殿下が?え、私の作り出した幻想なの?
「………ルーナ?世の中には声に出して言わない方がいいという事を教えてあげようか?」
ギリギリと思いきり握られるというか、握り潰される手首。あ、これは殿下だ。紛れなく殿下。夢じゃなくて、本物の殿下。
「……まぁ、今回だけは許してあげるよ。だけど、次回以降はないから」
「す、すみません。……え、で、でも、本当に何故、殿下がここに」
「だから、ルーナ、君を迎えに来たんだ。死ぬ……までは行かなくても、それに近い状態だったから。……流石に君に今死なれると困るからさ。」
……成る程私はやっぱり死にかけていたのか。今後の旅が思いやられるな。あはははは。
「というか、迎えに来たってどういう事ですか?と言うかここはどこなのですか?」
「あぁ、ここは、いわゆる君の精神世界みたいなものだよ。死にかけていた君は、ここを彷徨っていたんだ。多分これより奥に行くと、現実世界に戻るのは難しくなる。本当に危ないところだったよ」
つまり、精神世界だから昔の記憶を見ることもできたというわけか。にしても、これより奥に行かなくて本当に良かった。
「へー、そうなんですか。それはありがとうございます?にしても、他人の精神世界に入る事ってできるんですね。知らなかった」
というか知りたくなかった事実だ。他人の精神世界には入れるとか、プライバシーの侵害どころの話じゃないよ。
「あぁ、俺がかけた呪いのおかげで、魂が繋がっているからね。普通ならできないけれど、自由自在に入ることができるんだ。」
……成る程、成る程。つまり、あの呪いは私の命以外にも、プライバシーを侵害してきたのか。呪い、怖い!
「勝手に入ったことは悪かったと思うよ。でも、さっき言ったようにまだお前に死んでもらっては困るから迎えにきたんだ。それに、今回は俺のせいで、死にかけたものだからね」
「あぁ、やっぱりあの時のあれって殿下だったんですね」
ドゥムを取り逃がした時に流れた電流。あの時の電流はやっぱり殿下が、やった事だったのか。……私、一体この人が原因で何回死にそうになるんだろうか。
「あぁ、やっぱり気づいていたのか。………怒らないのかい?」
「いや……」
起こる怒らない以前に、あなたには既に殺されかけてますから。怒りが湧くとか、それ以前の問題ですから。それに……
「なんてと言いますか。私は殿下が、彼奴らと組んでいることを知ってして、何故組んでいるかも知っているんですよね。だから、あの時殿下が、とった行動は当たり前と言ったら当たり前なんですよね」
ドゥムを助けなくて、殿下が彼奴らに殺されたとかなっても困るし。私死ぬし。それはそれで、仕方がなかったかもしれない。
それに私は悔しながらも殿下に命を握られたコマなのだ。殿下のやる事に何かを言えるわけがない。命を握られてるからね!
「………あぁ、成る程ね。その考えはなんというか……いや、やっぱりなんでもない。………そろそろ、時間だ。さぁ、現実世界に帰るよ。」
先ほどとは違い、優しく手を掴まれる。そして、目の前が真っ白になった。
次に目を覚ますと、最初に視界に入ってきたのは何処かの天井。どうやら無事に私は生きているよう…………って!!身体の痛みが尋常じゃない!!!!
「煩いなぁ!!お前には僕の気持ちがわからないからそんな事を言えるんだよ!!ばかルーナ」
目の前にいるのは大粒の涙をポロポロと流すのは、小さい頃のアネルと小さな私。果たして何故、小さなアネルと私が目の前にいるのか…………
「母さんは僕と父さんをすてて、どっかに行っちゃった。父さんは、ますます仕事ばかりするようになって家にかえって来ない。僕は、僕は家族にすてられたんだ。そんな僕の気持ちが、お前になんか分かるわけないだろ!?」
幼いながらも悲痛な思いが、込められたアネルの叫びが心に響く。
あぁ、これは、私の幼い頃の記憶だ。すっかり忘れてしまった記憶。
それにしても何故、今、こんな事を思い出すのか。先ほどまで、私はドゥム達と戦って……それで負けて……とそこからの記憶がない。あれ?もしかして、これって走馬燈という奴か?死の直前にみると言われている走馬燈なのだろうか。つまり私死にかけているって事?………まじかよ。
あぁ、それにしても懐かしい記憶。これは、そう確か私がこの世界が乙女ゲームであると気づく少し前の事だった。
アネルのお母さんが、蒸発して家を出て行き、父親は元々仕事人間だったが、そのせいでますます仕事に身を投じるようになって、家に全く帰らなくなったのだ。
まだ幼いというのに家族に捨てられたアネル。そんなアネルを見かねた私の両親が、彼の親代わりとして、世話を焼いてきたのだ。幼馴染みだが、家族当然として育てられてきた私たち。故に、どんなに嫌われようと私は彼を嫌いにはなれない。なんだかんだ言っても、彼は私の大切な家族みたいなものなのだ。嫌いになる方が難しいだろう。(……まぁ、私は嫌われたいるようだが)
走馬燈としてこの記憶を思い出したのは、気を失う直前、アネルの事を思っていたからなのだろうか。だとすると、どんな約束をアネルとしたのかこれで、思い出すかもしれない。
「家族に愛されて育っているお前に僕の気持ちなんか分からない!!お前なんて!お前なんて嫌いだ!!!」
何処にも向けることのできない感情を爆発させる彼に対して、私は何を言ったのか……
「分からないよ。分かるわけないじゃん。と言うか、その原理で人を嫌っていたらアネルは世の中の大半の人間を嫌う事になるよ。」
……何というか、うわぁ。我ながらひどい事を言ってる。お前いくら、それが事実だからって、言っていい事と悪い事があるだろ。いくら何でもそれはないだろ、自分!!
「な、なにそれ!ルーナ。じゃあ何!?皆んなは両親に愛されてるけれど、俺が捨てられたのは俺が悪いからなの?俺が悪いから捨てられたって言いたいの!?」
「いや、そこまで言ってないじゃん。違うよ……アネルは悪くないよ。………多分」
頼む私よ、もっと優しくなれよ。そこは違うと断言してやれよ。いいか、相手はショタなんだよ!?
「嘘つかないでよ!!僕が、僕が悪いんだ。だから、父さんも母さんも僕を捨てたんだ。じゃなきゃ、なんで僕は捨てられたって言うのさ!!」
「……それは」
それははたして何故なのか。答えにするには難しすぎる質問だ。ただ、両親が悪かった。その一言で済めばいいが、その一言で済ませたらダメなのだろう。幼き頃の私も、同じように、そう思っているのか言葉を詰まらせている。
「やっぱり僕が悪いんじゃん!!」
アネルの頰に流れる大粒の涙。 その姿はあまりにも痛々しい。
「悪くないよ。悪くないから、泣かないでよ」
その姿が流石に痛痛すぎたのか、幼い私がぎゅっとアネルを抱きしめる。(私もショタを抱きしめたいよ)
「そんな言葉いらない。証拠もないのに、信じる馬鹿なことはしない」
「証拠ならあるよ。だって、今は私の家族がアネルの家族代わりなのに、アネルを捨てようとしていないじゃん。」
「捨てる。いつかいらないって皆んな僕を捨てる!!」
「捨ない、捨ないよ。」
「嘘だよ!捨てるんだ」
捨てない。捨てる。の言い合いがいつまでも続いている。果たして、いつまで続くのか。と言いたくなる程だ。
「捨ないって言ってるじゃん!!例えアネルが、私を嫌いになろうが、馬鹿にしようが、酷い事をしようが、捨ないよ。約束する。」
さすがに痺れを切らしたのか、幼い頃の私がキレかかりながら、そんなことを口走る。言い方は悪いが私よ!よく言った!イケメン!惚れる!抱いて!(……幼い自分に何言ってるんだ、私)
「………本当に?」
「うん、本当だよ。………あと、うーん。あ!そうだ!!君が大人になって、本当に大切な人を見つけて、その人と家族になるまで、私がアネルの帰る場所になるよ。」
「その言い方だと、ルーナは僕も結婚してくれないの?」
「えー、いや、ほら私転生したから精神年齢上だし?確かにショタは魅力的だけど、ショタはショタだから恋愛対象にはねぇ?」
……さっき惚れそうだったが、やっぱ無しで。あれだ、客観的に見ていて思う。私よ。こんなに痛い子だったんだ。そんなに大っぴらに転生とか言うなよ。見ていて恥ずかしいよ!!!くっ、確かにこんな子供いたら精神科に連れて行くよね。両親の判断は間違っていなかった。今になって改めてわかった。
「………ルーナって偶に変なこと言うよね。でも、まぁ、いいや。ねぇ、それならさ約束してくれる? 俺がどんなに酷いことしても、俺を捨ないって。ずっと俺の帰る場所になってよね」
「え、なにそれ、酷いする前提なの!?……いや、それで気が済むなら、いいけど。……約束するよ。アネル、私は君が望む限り君の帰る場所になってあげる」
ぎゅっと小指を結んで約束する2人。あぁ、思い出した。これがアネルが言っていた約束なのか。すっかり忘れていた。
ふと、目の前の記憶二人に手を伸ばす。だが、その瞬間、パリンっとガラスが割れるように目の前の光景が、粉々、散り散りになってしまった。既に目の前には懐かしきあの頃の記憶はなく、ただただ暗闇が広がるだけ。果たしてここはどこなのか。先程までは記憶の中。走馬燈を見ていたはず。だとすると……その走馬燈が終わってしまった今、広がるこの暗闇の世界は、死の世界なのだろうか。
永遠に続くのではないかと思われる暗闇を見つめれば、なんとなくあちらに引き寄せられているような気がした。本能的にそちらの方角が、この暗闇の奥方向なんどろうかと感じる。引き寄せられるように、そちらへと足を進め用としたその時
「っと!危ない。それ以上先に行ってもらうと困るんだよね」
手首を掴まれ、進行を阻止された。果たして、なにが起こったのか。理解できなかった。真っ暗なこの世界に私以外の人間は誰もいなかった。それなのにだ。
「さすがにこれ以上奥に行かれると、俺にも追いようがないからね。」
振り返ればそこには何故か殿下がいた。え、本当になんで!?
「夢か?夢なのか!?なんで、夢にまででてくるんだよ!」
確かに夢は深層心理を映すって言うけど!!でも、私は殿下が夢にまで、出てくることを望んでいないよ!?もしかして悪夢!?って、いやいやその前にここは死後の世界的な場所だろ?本当に何で殿下が?え、私の作り出した幻想なの?
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「……まぁ、今回だけは許してあげるよ。だけど、次回以降はないから」
「す、すみません。……え、で、でも、本当に何故、殿下がここに」
「だから、ルーナ、君を迎えに来たんだ。死ぬ……までは行かなくても、それに近い状態だったから。……流石に君に今死なれると困るからさ。」
……成る程私はやっぱり死にかけていたのか。今後の旅が思いやられるな。あはははは。
「というか、迎えに来たってどういう事ですか?と言うかここはどこなのですか?」
「あぁ、ここは、いわゆる君の精神世界みたいなものだよ。死にかけていた君は、ここを彷徨っていたんだ。多分これより奥に行くと、現実世界に戻るのは難しくなる。本当に危ないところだったよ」
つまり、精神世界だから昔の記憶を見ることもできたというわけか。にしても、これより奥に行かなくて本当に良かった。
「へー、そうなんですか。それはありがとうございます?にしても、他人の精神世界に入る事ってできるんですね。知らなかった」
というか知りたくなかった事実だ。他人の精神世界には入れるとか、プライバシーの侵害どころの話じゃないよ。
「あぁ、俺がかけた呪いのおかげで、魂が繋がっているからね。普通ならできないけれど、自由自在に入ることができるんだ。」
……成る程、成る程。つまり、あの呪いは私の命以外にも、プライバシーを侵害してきたのか。呪い、怖い!
「勝手に入ったことは悪かったと思うよ。でも、さっき言ったようにまだお前に死んでもらっては困るから迎えにきたんだ。それに、今回は俺のせいで、死にかけたものだからね」
「あぁ、やっぱりあの時のあれって殿下だったんですね」
ドゥムを取り逃がした時に流れた電流。あの時の電流はやっぱり殿下が、やった事だったのか。……私、一体この人が原因で何回死にそうになるんだろうか。
「あぁ、やっぱり気づいていたのか。………怒らないのかい?」
「いや……」
起こる怒らない以前に、あなたには既に殺されかけてますから。怒りが湧くとか、それ以前の問題ですから。それに……
「なんてと言いますか。私は殿下が、彼奴らと組んでいることを知ってして、何故組んでいるかも知っているんですよね。だから、あの時殿下が、とった行動は当たり前と言ったら当たり前なんですよね」
ドゥムを助けなくて、殿下が彼奴らに殺されたとかなっても困るし。私死ぬし。それはそれで、仕方がなかったかもしれない。
それに私は悔しながらも殿下に命を握られたコマなのだ。殿下のやる事に何かを言えるわけがない。命を握られてるからね!
「………あぁ、成る程ね。その考えはなんというか……いや、やっぱりなんでもない。………そろそろ、時間だ。さぁ、現実世界に帰るよ。」
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