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猛獣使い
(2)
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だから今日、突如現れた身なりも見映えも最上級の青年貴族二人が、超弩級の綺羅綺羅しいオーラを撒き散らしてザ・ジャロルズの豪奢な玄関ホールを制圧し、
「さあ監督生、君が懐かしがっていたもう一人の悪童を連れて来たぞ」
「やあ監督生、君がこんなに近いところで働いているなんて悪友の戯言かと思ったが、麗しの尊顔を再び拝めて眼福の極みだ」
と宣った時には、多少の頭痛を感じこそすれ驚きもしなかったのだが。
「…エリィ…」
アルバートの後ろに控える旧知の姿を認め、レジナルドは一瞬言葉を失った。
大学時代、空いた時間に短期の従僕として働いていた先で出会った、年下の友人。
まだあどけなさの残る少年だったにもかかわらず、当時から一流の執事にも引けを取らない技術と品格を備えていたエリオット・グレイは、従僕とホテルマン、職種は違えども顧客に満足を提供するという点で立場を同じくする者として、かけがえのない友人であり規範でもあった。
「さあ監督生、君が懐かしがっていたもう一人の悪童を連れて来たぞ」
「やあ監督生、君がこんなに近いところで働いているなんて悪友の戯言かと思ったが、麗しの尊顔を再び拝めて眼福の極みだ」
と宣った時には、多少の頭痛を感じこそすれ驚きもしなかったのだが。
「…エリィ…」
アルバートの後ろに控える旧知の姿を認め、レジナルドは一瞬言葉を失った。
大学時代、空いた時間に短期の従僕として働いていた先で出会った、年下の友人。
まだあどけなさの残る少年だったにもかかわらず、当時から一流の執事にも引けを取らない技術と品格を備えていたエリオット・グレイは、従僕とホテルマン、職種は違えども顧客に満足を提供するという点で立場を同じくする者として、かけがえのない友人であり規範でもあった。
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