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楽園編
第10話 フリースタイル・ティーチャー
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「クロウ・ニート。このクラスの担任だ」
玄咲が教室に入ってから30分後。始業時間から大分遅れて教室に入室してきたG組の担任は、そう名乗らなければ誰も担任だと信じないような恰好をしていた。血塗れの私服。顔を知ってる玄咲でさえ一瞬不審者が紛れ込んできたのかと思ったくらいだ。教室がざわつく。
「な、なんで血塗れなんですか」
生徒の一人が敬語でクロウに尋ねる。
「……朝、出勤中にたまたま賞金首を見つけてな。通学路にだぞ。眼を疑ったが間違いじゃなかった。金が落ちてる。そう思ったときには俺はそいつをぶちのめしてた。血塗れなのは返り血で汚れたから。ついでに遅れたのはギルドに行ってたからだ」
「は、はぁ……なんで着替えないんですか?」
「お前たちのために着替える暇も惜しんで急いできてやった。感謝しろ」
「……ありがとうございます」
微塵もそう思っていないが生徒のためと言っとけば角が立たないだろうとありありと書いた顔でクロウは言った。なぜ自分の都合で勝手に遅刻してきた相手に急いできたからと言ってわざわざ感謝しなければいけないんだろうとありありと書いた顔で生徒は礼を述べた。
「……なるほどな」
黒板を背にクロウが教壇に立って教室を見回す。幾人かの生徒に目を止める。数秒で生徒の見分を終えたクロウが軽く溜息をついた。
「面倒くさそうな面が揃ってやがる。今年は面倒くさい1年になりそうだ」
クロウが眼をとめた生徒の中には当然のように玄咲も含まれていた。
(クロウ・ニート――学園長がG組の不良を纏める人材を求めて学園外部から教員に強制徴用した賞金稼ぎ。魔符士としての実力は折り紙付き。だが、望まずして教師になったためかあまりやる気がない。着替えなかったのもどうせなんか面倒くさかったくらいの理由だろう。しかし……)
クロウを見る。伸ばしっぱなしの腰まで届く紫色の長い髪。その隙間から覗く生気のない、しかしカラスのように知性と鋭さを同居させた切れ長の瞳。力ない虚脱した振舞いとは裏腹に鍛え上げられた体。当たり前のように纏う強者の風格。学園長に気に入られてしまっただけはあるなと玄咲は思った。やはりクララ・サファリアが担任であって欲しかったとも、ちょっとだけ。
「さて、時間も押してるし早速授業を始めよう。今日は魔符士の必需品であるカードとAD、そしてこの学園で使用するSDについての講義を行う。“大人しく”聞くように」
大人しく、にアクセントをつけて強調するクロウ。なんとなく、過去のクロウの苦労が想像させられた。
「まずはカードについてだ」
教室最後列の玄咲の席まで明朗に響く低い割によく通る声でクロウが講義を始める。
「カード――現代カード文明の礎で、主にリード・デバイスに挿符することで様々な奇跡を引き起こす人類の叡智の結晶だ。カード裏面の魔法陣にその秘訣があり、人間の中に眠る魔力を流して魔法陣を起動し、その効果をリード・デバイスで増幅することで魔法は発動する。リード・デバイスを介さなくても一応魔法は発動できるが、その場合校門前でお前たちが見たようなちゃちなイリュージョンもどきの現象しか起こせない。基本的にカードとリード・デバイスはセットで扱うものだと覚えてくれ」
そんなこと言われなくても分かってる。そう言いたげな生徒たちの小馬鹿にするようなにやけ笑いを無視してクロウは黒板に板書を開始する。
「さて――この世には実に数多のカードが存在する。スペルカード、インフラカード、マテリアルカード、タロットカード、クレジットカード、バッテリーカード、メッセージカード、キーカード――その数、種類は上げきれないほど多岐に渡る。そんな数多あるカードを無理やり大別すると2種類に分けられる。バトルカードとその他だ。バトルカードは魔符士がカードバトルや魔物退治に使うカードだ。この学園は魔符士を育成する学園なので、そのバトルカードにのみ焦点を当てて教えていくことになる。バトルカードは全部で3種類。スぺルカード、デバイスカード、エレメンタルカードの3種だ。まずはスペルカードについて説明しよう。知らない奴はいないと思うがおさらいだと思って聞いてくれ」
要点のみを黒板に書き出したのち、クロウがポケットから一枚のカードを取り出し生徒に見せる。
「スペルカードには裏面に魔法陣、表面に魔法陣の情報が文字と絵と数字で刻まれている。具体的には、カードの左上隅に属性を示す漢字。カードの右上隅に十段階のカードの等級を示す数字。その間にカードの名前。中央に枠線に囲まれたカードのイラストが、だ」
(え?)
いやにシンプルだった。ゲームではもっと威力や消費MPや効果やを数字を交えた説明文で解説するテキストなども載っていたはず――。
(あ、そうか)
そこまで考えて気付いた。カードのデザイン自体はゲームと変わりがない。ただ、ゲームではカードの下に載っていた解説テキストが表示されていないのだ。だから違和感があった。納得と戸惑いが同時にきた。
(参ったな。流石に全てのカードの性能までは把握していない。分かる範囲でやってくしかないか……)
「例えば」
玄咲の戸惑いなど無視して授業は続く。クロウは生徒に表面を見せていたカードを裏返して、カードの表面に刻まれている魔法陣の情報を読み上げる。
「このカードの左上隅には闇の文字。つまり闇属性。右上隅には数字の1。つまりランク1。その間にダーク・ライトという文字が並んでいる。これがカード名。中央を広く切り取った枠線の中には闇色の光球が棘立って発光しているイラストが描かれている。こういう魔法が発動しますよとカードの効果をイラストで解説しているわけだ。パッと見でカードの判別をしやすくするためでもある。とりあえず表面を見ればそのカードのことが大雑把にだが理解できるようになっているわけだ。ま、より詳しく知りたければカード図鑑でも読むなり、実際に魔法を見るなり、自分で使ってみるなりしてくれ。それができる環境がこの学校には整っている」
「図鑑……見る……使う……」
(ん?)
呟き。そして、紙の類にペン先を走らせる筆記音。隣を見ると、シャルナが机に広げたメモ帳にせっせとメモを取っている姿があった。集中しているようで玄咲の視線に気づく様子もない。とてもまじめな子だなと玄咲は思った。まじめで、可愛かった。
「ついでに魔力属性と符合魔法についての話もしておこう。魔力――人間の魂から発する未だ未知の部分が多い謎のエネルギー。それは必ず魔力属性を含有している。魔力属性は全部で7属性。火・水・風・土・雷・光・闇の7属性だ。基本的には一人に一つずつ持って生まれてくるが、偶に複数の属性を持って生まれてくる人間もいる。その魔力属性の把握がスペルカードの取捨選択には不可欠だ。なぜなら、人間は自分の魔力属性と同じ属性のカード魔法しか発動できないからだ。
符合魔法というのはその人間の魂の性質に合致したカード魔法のことだ。通常よりも強力なカード魔法を発動できる。魔符士は己の符合魔法を把握し、それを中心とした戦闘スタイルを確立するのが強くなる常道とされている。理由は言わなくても分かるな。少しでも強いカード魔法を使った方がいいに決まっているからだ。
この2点はよく覚えておくように。授業のあとスペルカードを買いに行ってもらうからすぐに活用することになる……はぁ」
クロウはそこで一泊、ため息を挟んだ。
「……こんなことを今更話す必要はあるのだろうか。まぁ、いいか。毎年同じこと話してるからもう脳死で話せるし、新しいことを覚えるのそれはそれで面倒だしな。よく考えたらこっちの方が都合がいい。たまに実技試験だけで通ったようなとんでもないバカが入ってくるのも事実だしな」
なぜかシャルナがビクッとした。相変わらず内面のよく見えない子だった。クロウは授業を続ける。
「……スペルカードについての説明は一先ずこれくらいでいいか。次はデバイスカード、つまりArmed Read Device――通称ADについての説明をしよう」
ダーク・ライトのカードを教壇に置いて、クロウはポケットからまた1枚のカードを取り出し、生徒に見せる。
「これがデバイスカードだ。左上に対応属性。対応属性の魔法以外は発動できない。右上隅にランクを示す数値。スペルカードと同じで10段階に分かれている。中央を広く切り取った枠線の中にはデバイスのイラスト。そして左下隅に載ってるのが補正値――デバイスの性能を数値化した値だ。理論上の最大値は999だが、今の技術力では500が限界とされている。これが大きいほどADで発動したスペルカードの効果が高くなる。補正値が高いほど強力なADと言えるだろう。
また、デバイスカードの裏面に描かれている魔法陣は次元圧縮魔法陣という特殊な魔法陣だ。魔力を流すことで超常現象を発動する魔法の本質たる魔法陣。その中でも最上位の制作難易度を誇る魔法陣だ。制作できる人間が限られていて、それがゆえにデバイスカードは非常に高価であり、市井には易々と流れない。通常のADは使ったことがあっても、デバイスカード型のADは使ったことはない人間も多いだろう。で、その次元圧縮魔法陣がどのように役立つかというと、このようにだ――」
クロウがデバイスカードを手に呪文を唱える。
「武装解放――」
そして詠唱した。
「黒爪破瓜ダーク・ロウ」
クロウが武装解放のあとに続いてADの名前を唱えた瞬間、その手に持つデバイスカードが光の塊となった。変化する。カード型から不定形へ。そして短剣の形へと。光が弾け、霧散する。1秒にも満たぬ一瞬の内に、クロウの手の中に、柄尻の大きく膨らんだ漆黒の短剣が再誕した。無骨さと鋭さを切っ先に両立させたその威容に教室からどよめきの声が漏れる。
「武装解放の呪文のあとにADの名前を詠唱することでデバイス・カードは一瞬でADへと変化する。理屈は知らん。覚える必要も考える必要もない。お前たちが目指すのはこれを作る側じゃなくて使う側だからな。で、AD形態からカード形態に戻すときは――魔符収納」
クロウが魔符収納、と唱えた瞬間、漆黒の短剣が光の塊となり、またも一瞬でカードへと変化した。
「こうだ。名前がそのまんまだから覚えやすいだろう。さて――武装解放黒爪破瓜ダークロウ。糞、まどろっこしいな。武装解放だけでいいだろ……」
愚痴りながら武装解放した漆黒の短剣を逆手に握り、その大きく膨らんだ柄尻をクロウは生徒へと見せつけるように向けた。
「見えるな? ADには必ずカードスロットと呼ばれる穴がついている。短剣の場合はこの柄尻の部分だな。カードスロット――通称スロットにも次元圧縮魔法陣なる技術が使われていて、精々1枚しか入りそうにないこの穴に最大5枚のカードが入る。デバイスの形状変化の物理法則の無視具合からしてもっと入りそうなものだが、魔法陣の反発係数がどうのこうのとかでどうしても5枚しか入らんらしい。まぁ、さっきも言った通り魔符士志望のお前らが詳しく知る必要はない。ADを使う側じゃなくて作る側の魔工技師志望の魔工学部の連中ならともかくな――すまん。話が逸れた。で、このスロットにカードを挿符して――」
クロウが短剣の柄尻に空いたカードスロットに先程机に置いたダークライトのカードを挿符した。
「カード名を唱える――詠唱すると魔法が発動する――ダークライト」
漆黒の短剣が闇属性の魔力を纏い黒く光る。そして、魔法が発動した。短剣の切っ先に闇の光球が灯る。そして、眩く光る。教室全体を覆いつくす程の光量。生徒たちが眼を瞑り、腕で覆う。誰かが思わず口にする。
「うおっ、まぶしっ!」
全く、けたたましいくらいの眩しさだった。眼を腕で覆いながら玄咲もその感想に同意した。
「魔法を終わらせるには効果時間の終了を待ってもいいが――排符・ダークライト」
クロウがそう言うと、短剣の柄からダークライトのカードが排出された。と、同時に、短剣の切っ先に灯った光球が消失する。教室はもとの白ずんだ明るみを取り戻した。
「今みたいに、排符の呪文のあとにカード名を唱えることでカードは排出される。その際魔法は強制終了する。ファイアボールなどの放出するタイプの魔法はカードを抜いても消えないがな。単に排符とだけ言うと最初に入れたカードが、排符・オールで全てのカードが一度に排出される。まぁ、これはオートマ式のデバイスの話だがな。手動でカードを入れ替えるマニュアル式のデバイスもある。一長一短だから自分に合う機構のデバイスを選ぶといい。このデバイスも授業のあと各自買いに行ってもらう」
淡々と授業を続けるクロウ。そんなクロウの講義中に、幾人かの生徒がこそこそと私語を交わす。
「ランク1魔法のダークライトであれだけの閃光を発生させるとかあの先公ただもんじゃねーゾ……」
「なんつー魔力量だよ。ブリバリじゃねーか……」
「へっ、どーせデバイス頼りの雑魚だぜ。あの強そうなデバイスがあれば俺だってあれくらいできらぁ」
「……」
クロウが無言でポケットから1枚のカードを取り出し、短剣型のデバイスに挿符する。今度はなんだと注目する生徒たちの前で、漆黒の短剣をある一人の生徒に向けてボソッと呟いた。
「ダークバレット」
「あがっ!」
横を向いて私語を交わしていた生徒――ヒロト・オライキリの側頭部に、漆黒の短剣の切っ先から放たれた黒い光の弾丸が命中。ヒロトの首が仰け反った。
「声のボリュームでカード魔法はある程度威力の調節が可能だ。ただし小さすぎたり、そもそも発音が不明瞭だと魔法自体が発動しない。例えばこう、首を絞められると、魔符士は途端に無力になる。暗殺などの危険な用途を防止するための安全弁的なシステムだが、対人戦に深く関わってくるシステムでもある。対人戦では相手の音声器官の何らかの手段での破壊が重要だ。覚えておくように」
突然の凶行。それを、まるで何事もなかったかのように授業を続けるクロウの姿に、生徒たちが戦慄する。
「あと、魔符士には己の魔力量に応じた抗魔力というものが存在する。今のダークバレットは石をも砕く威力があったが、そこのパンチパーマの抗魔力に威力を減衰されて擦過傷を負わせる程度の威力に留まった。個体差はあるが魔力によって身体能力がある程度強化されているせいでもあるな。魔符士はカード魔法では中々死なないんだ」
「お、おい。テメー!」
衝撃から回復したヒロトがクロウに啖呵を切る。
「何すんだ! バトル以外の場で犯罪者やアマルティアン以外の相手をカード魔法で傷つけるのはカード法違反だぞコノヤロー! しかも教師が生徒に手出したんだ。こりゃ問題になるよなぁ! 出るとこ出られたくなかったら俺に謝れ」
「黙れ」
ヒロトは黙った。血塗れの姿で放たれるクロウの猛禽のような眼光にビビったからだ。
「この学園はマギサ法の支配下だ。この学校では校則がカード法にも勝るルールなんだよ。ある程度の教育的指導は容認されている。お前の心配するような問題にはならない」
「ぐ……くそっ!」
ヒロトは舌打ちをして矛を収めた。クロウは嘆息して授業を続ける。
「私語はほどほどにするように……ん、スペルカードとデバイスカードの説明はもういいか。あとはエレメンタルカードだな。エレメンタルカードは精霊――この世界より高次元のアストラル界に生息する存在を召喚する魔符士の切り札となる強力なカードだ。通常のスペルカードと同じで属性、ランク、カード名、イラストが描かれている。人工的に創造することは不可能で、精霊にのみ創造可能。ゆえにその存在は非常にレアで、滅多にお目にかかることはできない。エレメンタルカードを手に入れるためには、たまたま地上に降りてきた精霊に、たまたま気に入られて、たまたまカードを渡されるという、3重の関門をくぐる必要があるからだ。まるでパチンコのクルーンのようにな。俺は結構ギャンブルが好きで、昨日も夜遅くまで――」
生徒たちの屑を見るような視線に気づいたクロウが咳払いをする。
「ゴホン。今年の1年生は真面目だな、やりにくい。去年はこの話題からスロットやパチンコの話で盛り上がったんだがな……。まぁ、そいうわけでエレメンタルカードの入手には多大な運が絡む。ラッキーボーイ&ガールにしか縁のないカードだ。当たったら大事にしろ。あ、当たるじゃなかった。もらったら大事にしろ。サンプルを見せたいところだが俺も持ってない。そんなものを手に入れられる運があれば俺は今ここにいない。学園長――あの糞婆に捕まったりなんかしていない。ハァ……たまに賞金首を狩ってパチンコ店に通うだけの自由な日々が恋しい。働きたくない……」
「……」
妙にまじめに授業をしていると思ったら取り繕っていただけのようで、段々とボロが出てきた。怠惰な天才というゲームの設定どおりだと、そんなクロウを見て玄咲は喜んだ。
だが、喜んでいるのは玄咲くらいのものだった。生徒たちのゴミを見るような視線に気づいたクロウが教壇についたチョークを掴んだ手を黒板に戻す。何もなかったと言わんばかりのすまし顔で、
「で、エレメンタルカードはその由来ゆえに仕様も特殊で全カードで唯一魔力ではなく生命力を消費して発動する。生命力は睡眠を取って魂を休める以外の回復手段が存在しない。生命力の消費量は精霊によって異なるが最大でも1日に3度までしか使えない。ま、このクラスに精霊と契約できるようなラッキーボイがいるとは思えないしざっくりとだけ解説しとく。ただ、今年の入学生の中にはエレメンタルカード持ちの生徒が何人かいる。そいつらとカードバトルするときは気を付けるように……説明しといてなんだか、これから行う試験では使わないし、ちょっと蛇足だったな。頭の片隅に留める程度に覚えておいてくれ」
カッ、カッと板書を終えたクロウが生徒に向き直り言う。
「先ほども言った通りこの授業が終わったらお前らには校舎横のカードショップでデバイスカードとスペルカードを購入してもらう。生徒カードを提示すればベーシックシリーズのデバイスカードとランク1のスペルカードを、それぞれ1枚ずつ無料で購入できる。自分の適性とスタイルに合ったカードを選んで購入しろ。そして――」
こともなげに淡々とクロウは告げた。
「お前らには今日から3日間、購入したデバイスとカードを使い全校生徒で退学を賭けたカードバトルを行ってもらう。第1回目の退学試験だ」
玄咲が教室に入ってから30分後。始業時間から大分遅れて教室に入室してきたG組の担任は、そう名乗らなければ誰も担任だと信じないような恰好をしていた。血塗れの私服。顔を知ってる玄咲でさえ一瞬不審者が紛れ込んできたのかと思ったくらいだ。教室がざわつく。
「な、なんで血塗れなんですか」
生徒の一人が敬語でクロウに尋ねる。
「……朝、出勤中にたまたま賞金首を見つけてな。通学路にだぞ。眼を疑ったが間違いじゃなかった。金が落ちてる。そう思ったときには俺はそいつをぶちのめしてた。血塗れなのは返り血で汚れたから。ついでに遅れたのはギルドに行ってたからだ」
「は、はぁ……なんで着替えないんですか?」
「お前たちのために着替える暇も惜しんで急いできてやった。感謝しろ」
「……ありがとうございます」
微塵もそう思っていないが生徒のためと言っとけば角が立たないだろうとありありと書いた顔でクロウは言った。なぜ自分の都合で勝手に遅刻してきた相手に急いできたからと言ってわざわざ感謝しなければいけないんだろうとありありと書いた顔で生徒は礼を述べた。
「……なるほどな」
黒板を背にクロウが教壇に立って教室を見回す。幾人かの生徒に目を止める。数秒で生徒の見分を終えたクロウが軽く溜息をついた。
「面倒くさそうな面が揃ってやがる。今年は面倒くさい1年になりそうだ」
クロウが眼をとめた生徒の中には当然のように玄咲も含まれていた。
(クロウ・ニート――学園長がG組の不良を纏める人材を求めて学園外部から教員に強制徴用した賞金稼ぎ。魔符士としての実力は折り紙付き。だが、望まずして教師になったためかあまりやる気がない。着替えなかったのもどうせなんか面倒くさかったくらいの理由だろう。しかし……)
クロウを見る。伸ばしっぱなしの腰まで届く紫色の長い髪。その隙間から覗く生気のない、しかしカラスのように知性と鋭さを同居させた切れ長の瞳。力ない虚脱した振舞いとは裏腹に鍛え上げられた体。当たり前のように纏う強者の風格。学園長に気に入られてしまっただけはあるなと玄咲は思った。やはりクララ・サファリアが担任であって欲しかったとも、ちょっとだけ。
「さて、時間も押してるし早速授業を始めよう。今日は魔符士の必需品であるカードとAD、そしてこの学園で使用するSDについての講義を行う。“大人しく”聞くように」
大人しく、にアクセントをつけて強調するクロウ。なんとなく、過去のクロウの苦労が想像させられた。
「まずはカードについてだ」
教室最後列の玄咲の席まで明朗に響く低い割によく通る声でクロウが講義を始める。
「カード――現代カード文明の礎で、主にリード・デバイスに挿符することで様々な奇跡を引き起こす人類の叡智の結晶だ。カード裏面の魔法陣にその秘訣があり、人間の中に眠る魔力を流して魔法陣を起動し、その効果をリード・デバイスで増幅することで魔法は発動する。リード・デバイスを介さなくても一応魔法は発動できるが、その場合校門前でお前たちが見たようなちゃちなイリュージョンもどきの現象しか起こせない。基本的にカードとリード・デバイスはセットで扱うものだと覚えてくれ」
そんなこと言われなくても分かってる。そう言いたげな生徒たちの小馬鹿にするようなにやけ笑いを無視してクロウは黒板に板書を開始する。
「さて――この世には実に数多のカードが存在する。スペルカード、インフラカード、マテリアルカード、タロットカード、クレジットカード、バッテリーカード、メッセージカード、キーカード――その数、種類は上げきれないほど多岐に渡る。そんな数多あるカードを無理やり大別すると2種類に分けられる。バトルカードとその他だ。バトルカードは魔符士がカードバトルや魔物退治に使うカードだ。この学園は魔符士を育成する学園なので、そのバトルカードにのみ焦点を当てて教えていくことになる。バトルカードは全部で3種類。スぺルカード、デバイスカード、エレメンタルカードの3種だ。まずはスペルカードについて説明しよう。知らない奴はいないと思うがおさらいだと思って聞いてくれ」
要点のみを黒板に書き出したのち、クロウがポケットから一枚のカードを取り出し生徒に見せる。
「スペルカードには裏面に魔法陣、表面に魔法陣の情報が文字と絵と数字で刻まれている。具体的には、カードの左上隅に属性を示す漢字。カードの右上隅に十段階のカードの等級を示す数字。その間にカードの名前。中央に枠線に囲まれたカードのイラストが、だ」
(え?)
いやにシンプルだった。ゲームではもっと威力や消費MPや効果やを数字を交えた説明文で解説するテキストなども載っていたはず――。
(あ、そうか)
そこまで考えて気付いた。カードのデザイン自体はゲームと変わりがない。ただ、ゲームではカードの下に載っていた解説テキストが表示されていないのだ。だから違和感があった。納得と戸惑いが同時にきた。
(参ったな。流石に全てのカードの性能までは把握していない。分かる範囲でやってくしかないか……)
「例えば」
玄咲の戸惑いなど無視して授業は続く。クロウは生徒に表面を見せていたカードを裏返して、カードの表面に刻まれている魔法陣の情報を読み上げる。
「このカードの左上隅には闇の文字。つまり闇属性。右上隅には数字の1。つまりランク1。その間にダーク・ライトという文字が並んでいる。これがカード名。中央を広く切り取った枠線の中には闇色の光球が棘立って発光しているイラストが描かれている。こういう魔法が発動しますよとカードの効果をイラストで解説しているわけだ。パッと見でカードの判別をしやすくするためでもある。とりあえず表面を見ればそのカードのことが大雑把にだが理解できるようになっているわけだ。ま、より詳しく知りたければカード図鑑でも読むなり、実際に魔法を見るなり、自分で使ってみるなりしてくれ。それができる環境がこの学校には整っている」
「図鑑……見る……使う……」
(ん?)
呟き。そして、紙の類にペン先を走らせる筆記音。隣を見ると、シャルナが机に広げたメモ帳にせっせとメモを取っている姿があった。集中しているようで玄咲の視線に気づく様子もない。とてもまじめな子だなと玄咲は思った。まじめで、可愛かった。
「ついでに魔力属性と符合魔法についての話もしておこう。魔力――人間の魂から発する未だ未知の部分が多い謎のエネルギー。それは必ず魔力属性を含有している。魔力属性は全部で7属性。火・水・風・土・雷・光・闇の7属性だ。基本的には一人に一つずつ持って生まれてくるが、偶に複数の属性を持って生まれてくる人間もいる。その魔力属性の把握がスペルカードの取捨選択には不可欠だ。なぜなら、人間は自分の魔力属性と同じ属性のカード魔法しか発動できないからだ。
符合魔法というのはその人間の魂の性質に合致したカード魔法のことだ。通常よりも強力なカード魔法を発動できる。魔符士は己の符合魔法を把握し、それを中心とした戦闘スタイルを確立するのが強くなる常道とされている。理由は言わなくても分かるな。少しでも強いカード魔法を使った方がいいに決まっているからだ。
この2点はよく覚えておくように。授業のあとスペルカードを買いに行ってもらうからすぐに活用することになる……はぁ」
クロウはそこで一泊、ため息を挟んだ。
「……こんなことを今更話す必要はあるのだろうか。まぁ、いいか。毎年同じこと話してるからもう脳死で話せるし、新しいことを覚えるのそれはそれで面倒だしな。よく考えたらこっちの方が都合がいい。たまに実技試験だけで通ったようなとんでもないバカが入ってくるのも事実だしな」
なぜかシャルナがビクッとした。相変わらず内面のよく見えない子だった。クロウは授業を続ける。
「……スペルカードについての説明は一先ずこれくらいでいいか。次はデバイスカード、つまりArmed Read Device――通称ADについての説明をしよう」
ダーク・ライトのカードを教壇に置いて、クロウはポケットからまた1枚のカードを取り出し、生徒に見せる。
「これがデバイスカードだ。左上に対応属性。対応属性の魔法以外は発動できない。右上隅にランクを示す数値。スペルカードと同じで10段階に分かれている。中央を広く切り取った枠線の中にはデバイスのイラスト。そして左下隅に載ってるのが補正値――デバイスの性能を数値化した値だ。理論上の最大値は999だが、今の技術力では500が限界とされている。これが大きいほどADで発動したスペルカードの効果が高くなる。補正値が高いほど強力なADと言えるだろう。
また、デバイスカードの裏面に描かれている魔法陣は次元圧縮魔法陣という特殊な魔法陣だ。魔力を流すことで超常現象を発動する魔法の本質たる魔法陣。その中でも最上位の制作難易度を誇る魔法陣だ。制作できる人間が限られていて、それがゆえにデバイスカードは非常に高価であり、市井には易々と流れない。通常のADは使ったことがあっても、デバイスカード型のADは使ったことはない人間も多いだろう。で、その次元圧縮魔法陣がどのように役立つかというと、このようにだ――」
クロウがデバイスカードを手に呪文を唱える。
「武装解放――」
そして詠唱した。
「黒爪破瓜ダーク・ロウ」
クロウが武装解放のあとに続いてADの名前を唱えた瞬間、その手に持つデバイスカードが光の塊となった。変化する。カード型から不定形へ。そして短剣の形へと。光が弾け、霧散する。1秒にも満たぬ一瞬の内に、クロウの手の中に、柄尻の大きく膨らんだ漆黒の短剣が再誕した。無骨さと鋭さを切っ先に両立させたその威容に教室からどよめきの声が漏れる。
「武装解放の呪文のあとにADの名前を詠唱することでデバイス・カードは一瞬でADへと変化する。理屈は知らん。覚える必要も考える必要もない。お前たちが目指すのはこれを作る側じゃなくて使う側だからな。で、AD形態からカード形態に戻すときは――魔符収納」
クロウが魔符収納、と唱えた瞬間、漆黒の短剣が光の塊となり、またも一瞬でカードへと変化した。
「こうだ。名前がそのまんまだから覚えやすいだろう。さて――武装解放黒爪破瓜ダークロウ。糞、まどろっこしいな。武装解放だけでいいだろ……」
愚痴りながら武装解放した漆黒の短剣を逆手に握り、その大きく膨らんだ柄尻をクロウは生徒へと見せつけるように向けた。
「見えるな? ADには必ずカードスロットと呼ばれる穴がついている。短剣の場合はこの柄尻の部分だな。カードスロット――通称スロットにも次元圧縮魔法陣なる技術が使われていて、精々1枚しか入りそうにないこの穴に最大5枚のカードが入る。デバイスの形状変化の物理法則の無視具合からしてもっと入りそうなものだが、魔法陣の反発係数がどうのこうのとかでどうしても5枚しか入らんらしい。まぁ、さっきも言った通り魔符士志望のお前らが詳しく知る必要はない。ADを使う側じゃなくて作る側の魔工技師志望の魔工学部の連中ならともかくな――すまん。話が逸れた。で、このスロットにカードを挿符して――」
クロウが短剣の柄尻に空いたカードスロットに先程机に置いたダークライトのカードを挿符した。
「カード名を唱える――詠唱すると魔法が発動する――ダークライト」
漆黒の短剣が闇属性の魔力を纏い黒く光る。そして、魔法が発動した。短剣の切っ先に闇の光球が灯る。そして、眩く光る。教室全体を覆いつくす程の光量。生徒たちが眼を瞑り、腕で覆う。誰かが思わず口にする。
「うおっ、まぶしっ!」
全く、けたたましいくらいの眩しさだった。眼を腕で覆いながら玄咲もその感想に同意した。
「魔法を終わらせるには効果時間の終了を待ってもいいが――排符・ダークライト」
クロウがそう言うと、短剣の柄からダークライトのカードが排出された。と、同時に、短剣の切っ先に灯った光球が消失する。教室はもとの白ずんだ明るみを取り戻した。
「今みたいに、排符の呪文のあとにカード名を唱えることでカードは排出される。その際魔法は強制終了する。ファイアボールなどの放出するタイプの魔法はカードを抜いても消えないがな。単に排符とだけ言うと最初に入れたカードが、排符・オールで全てのカードが一度に排出される。まぁ、これはオートマ式のデバイスの話だがな。手動でカードを入れ替えるマニュアル式のデバイスもある。一長一短だから自分に合う機構のデバイスを選ぶといい。このデバイスも授業のあと各自買いに行ってもらう」
淡々と授業を続けるクロウ。そんなクロウの講義中に、幾人かの生徒がこそこそと私語を交わす。
「ランク1魔法のダークライトであれだけの閃光を発生させるとかあの先公ただもんじゃねーゾ……」
「なんつー魔力量だよ。ブリバリじゃねーか……」
「へっ、どーせデバイス頼りの雑魚だぜ。あの強そうなデバイスがあれば俺だってあれくらいできらぁ」
「……」
クロウが無言でポケットから1枚のカードを取り出し、短剣型のデバイスに挿符する。今度はなんだと注目する生徒たちの前で、漆黒の短剣をある一人の生徒に向けてボソッと呟いた。
「ダークバレット」
「あがっ!」
横を向いて私語を交わしていた生徒――ヒロト・オライキリの側頭部に、漆黒の短剣の切っ先から放たれた黒い光の弾丸が命中。ヒロトの首が仰け反った。
「声のボリュームでカード魔法はある程度威力の調節が可能だ。ただし小さすぎたり、そもそも発音が不明瞭だと魔法自体が発動しない。例えばこう、首を絞められると、魔符士は途端に無力になる。暗殺などの危険な用途を防止するための安全弁的なシステムだが、対人戦に深く関わってくるシステムでもある。対人戦では相手の音声器官の何らかの手段での破壊が重要だ。覚えておくように」
突然の凶行。それを、まるで何事もなかったかのように授業を続けるクロウの姿に、生徒たちが戦慄する。
「あと、魔符士には己の魔力量に応じた抗魔力というものが存在する。今のダークバレットは石をも砕く威力があったが、そこのパンチパーマの抗魔力に威力を減衰されて擦過傷を負わせる程度の威力に留まった。個体差はあるが魔力によって身体能力がある程度強化されているせいでもあるな。魔符士はカード魔法では中々死なないんだ」
「お、おい。テメー!」
衝撃から回復したヒロトがクロウに啖呵を切る。
「何すんだ! バトル以外の場で犯罪者やアマルティアン以外の相手をカード魔法で傷つけるのはカード法違反だぞコノヤロー! しかも教師が生徒に手出したんだ。こりゃ問題になるよなぁ! 出るとこ出られたくなかったら俺に謝れ」
「黙れ」
ヒロトは黙った。血塗れの姿で放たれるクロウの猛禽のような眼光にビビったからだ。
「この学園はマギサ法の支配下だ。この学校では校則がカード法にも勝るルールなんだよ。ある程度の教育的指導は容認されている。お前の心配するような問題にはならない」
「ぐ……くそっ!」
ヒロトは舌打ちをして矛を収めた。クロウは嘆息して授業を続ける。
「私語はほどほどにするように……ん、スペルカードとデバイスカードの説明はもういいか。あとはエレメンタルカードだな。エレメンタルカードは精霊――この世界より高次元のアストラル界に生息する存在を召喚する魔符士の切り札となる強力なカードだ。通常のスペルカードと同じで属性、ランク、カード名、イラストが描かれている。人工的に創造することは不可能で、精霊にのみ創造可能。ゆえにその存在は非常にレアで、滅多にお目にかかることはできない。エレメンタルカードを手に入れるためには、たまたま地上に降りてきた精霊に、たまたま気に入られて、たまたまカードを渡されるという、3重の関門をくぐる必要があるからだ。まるでパチンコのクルーンのようにな。俺は結構ギャンブルが好きで、昨日も夜遅くまで――」
生徒たちの屑を見るような視線に気づいたクロウが咳払いをする。
「ゴホン。今年の1年生は真面目だな、やりにくい。去年はこの話題からスロットやパチンコの話で盛り上がったんだがな……。まぁ、そいうわけでエレメンタルカードの入手には多大な運が絡む。ラッキーボーイ&ガールにしか縁のないカードだ。当たったら大事にしろ。あ、当たるじゃなかった。もらったら大事にしろ。サンプルを見せたいところだが俺も持ってない。そんなものを手に入れられる運があれば俺は今ここにいない。学園長――あの糞婆に捕まったりなんかしていない。ハァ……たまに賞金首を狩ってパチンコ店に通うだけの自由な日々が恋しい。働きたくない……」
「……」
妙にまじめに授業をしていると思ったら取り繕っていただけのようで、段々とボロが出てきた。怠惰な天才というゲームの設定どおりだと、そんなクロウを見て玄咲は喜んだ。
だが、喜んでいるのは玄咲くらいのものだった。生徒たちのゴミを見るような視線に気づいたクロウが教壇についたチョークを掴んだ手を黒板に戻す。何もなかったと言わんばかりのすまし顔で、
「で、エレメンタルカードはその由来ゆえに仕様も特殊で全カードで唯一魔力ではなく生命力を消費して発動する。生命力は睡眠を取って魂を休める以外の回復手段が存在しない。生命力の消費量は精霊によって異なるが最大でも1日に3度までしか使えない。ま、このクラスに精霊と契約できるようなラッキーボイがいるとは思えないしざっくりとだけ解説しとく。ただ、今年の入学生の中にはエレメンタルカード持ちの生徒が何人かいる。そいつらとカードバトルするときは気を付けるように……説明しといてなんだか、これから行う試験では使わないし、ちょっと蛇足だったな。頭の片隅に留める程度に覚えておいてくれ」
カッ、カッと板書を終えたクロウが生徒に向き直り言う。
「先ほども言った通りこの授業が終わったらお前らには校舎横のカードショップでデバイスカードとスペルカードを購入してもらう。生徒カードを提示すればベーシックシリーズのデバイスカードとランク1のスペルカードを、それぞれ1枚ずつ無料で購入できる。自分の適性とスタイルに合ったカードを選んで購入しろ。そして――」
こともなげに淡々とクロウは告げた。
「お前らには今日から3日間、購入したデバイスとカードを使い全校生徒で退学を賭けたカードバトルを行ってもらう。第1回目の退学試験だ」
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