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その道を選んだ
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「一先ず、ツインヘッドベアーを討伐してくれたお礼だ。受け取ってほしい」
ブラッディ―タイガーを討伐した時と同じく、特別報酬金が入った袋を渡された。
ツインヘッドベアーは地域によってはそこまで騒ぐレベルのモンスターではないが、今回ティールが立ち寄った地域では滅多に現れない強敵。
それなりに長生きしていた個体でもあるので、通常のツインヘッドベアーと比べれば手強い。
「ありがとうございます」
「……中身は確認しないのかい?」
普通の冒険者であれば、特別報酬金を受け取ったらその場で直ぐに幾ら入っているのか確認する。
だが、ティールは直ぐに亜空間の中に入れた。
「ブラッディ―タイガーを倒した時にかなり貰ったんで、そこまで気にしなくても良いと思って。それに、ギルドマスターが冒険者を相手にしょうもない真似をするとは思えないので」
「はっはっは!! これでも元冒険者だからね。中身を誤魔化す様な真似はしないよ」
袋に入っている硬貨が実は金貨ではなく銀貨だった、なんて糞野郎みたいなことをするつもりは一切無い。
そんな事をすれば、直ぐにギルドマスターの椅子から飛ばされてしまう。
そして普通に犯罪なので、牢にぶち込まれてしまう。
「さて……ブラッディ―タイガーやツインヘッドベアーを倒したティール君に提案なんだが、ちゃちゃっとランクアップしないかい」
「……やっぱりランクを上げた方が、面倒な輩から絡まれなくなりますか」
ティールからの質問を聞き、目の前の少年が何を考えているのか直ぐに解った。
(なるほど、ブラッディ―タイガーを倒してもEランクのままだったのは、そこを悩んでいたからか。確かにギルドに登録して半年も経っていないルーキーがとんとん拍子でランクを上げていけば妬む者が多く現れるのは確実だ)
オルアットの経験上、器の小さい連中は多い。
ギルドマスターまで上り詰めたオルアットも、才能ある同僚に嫉妬したことは何度もあった。
「冒険者は、嘗められたら終わりだと言う者がいる」
「そうみたいですね。知り合いの元冒険者から聞きました」
「そうか、それなら話は早い。ティール君に失礼なことを言っているのは解っている。しかし、敢えて言わせてもらうよ。君の外見と……あと体格は嘗められやすい」
「……ですよね。それは自覚あります」
まだ身長は百六十と少し。
決して低過ぎはしないが、大きい部類ではない。
そして体の線は太くなく、マッチョではあるが細め。
顔はそこまで幼くはないが、覇気のある顔ではない。
以上の理由から、大抵の冒険者はティールを嘗める傾向が強い。
「ただ、ランクがあれば君が言う面倒な輩は一歩踏み留まる。自分よりランクが高い相手であれば、もしかしたら自分より強いのではと、ブレーキを掛ける」
「その可能性はあるんですね……でも、自信過剰な冒険者は平気で絡んで来そうな気がしますけど」
「……うん、そうだね」
そんなことはないと、断言することはできなかった。
残念なことに、相手の実力を正確に測れない冒険者の方が多い。
であれば、自部の方が体が大きいという理由で実力者を下に見る愚か者が出てくるのは必然。
「ティール君は、なるべく目立ちたくない……のかな?」
「師からは冒険者になって数年ほど経つまでは、あまり目立たない方が良いと言われました」
「そうか。確かに目立てば面倒な件が絡んでくるのは間違いない。ただ、ティール君は……あれだよね、既に一定レベルで目立ってるからな」
「……モンスターを狩る量、ですよね」
「そうだな。ルーキーが狩る量ではない。今後を気を付けるのであれば、素材を売るモンスターのランクを制限することだね」
既にやってしまったことはしょうがない。
しかし今後の生活を考え、ギルドで換金するモンスターの素材を制限すれば、目立ちぐらいを多少は抑えられる。
「君のヤバさに関しても、目立つ内容をそれだけに抑えていれば厄介な輩が絡んでくる可能性は下がると思うよ……多分」
「…………オルアットさん、今回の件でランクを上げることは可能ですか」
「あ、あぁ。勿論だ。Cランクまでなら僕の権限で上げられるよ」
「一応Dランクまでにしておきます。Cランクは近いうちに正式な昇格試験を受けてから上がります」
ここでティールは低ランクのまま活動することを諦め、目立つ未来が待っていたとしてもランクを上げる道を選んだ。
ブラッディ―タイガーを討伐した時と同じく、特別報酬金が入った袋を渡された。
ツインヘッドベアーは地域によってはそこまで騒ぐレベルのモンスターではないが、今回ティールが立ち寄った地域では滅多に現れない強敵。
それなりに長生きしていた個体でもあるので、通常のツインヘッドベアーと比べれば手強い。
「ありがとうございます」
「……中身は確認しないのかい?」
普通の冒険者であれば、特別報酬金を受け取ったらその場で直ぐに幾ら入っているのか確認する。
だが、ティールは直ぐに亜空間の中に入れた。
「ブラッディ―タイガーを倒した時にかなり貰ったんで、そこまで気にしなくても良いと思って。それに、ギルドマスターが冒険者を相手にしょうもない真似をするとは思えないので」
「はっはっは!! これでも元冒険者だからね。中身を誤魔化す様な真似はしないよ」
袋に入っている硬貨が実は金貨ではなく銀貨だった、なんて糞野郎みたいなことをするつもりは一切無い。
そんな事をすれば、直ぐにギルドマスターの椅子から飛ばされてしまう。
そして普通に犯罪なので、牢にぶち込まれてしまう。
「さて……ブラッディ―タイガーやツインヘッドベアーを倒したティール君に提案なんだが、ちゃちゃっとランクアップしないかい」
「……やっぱりランクを上げた方が、面倒な輩から絡まれなくなりますか」
ティールからの質問を聞き、目の前の少年が何を考えているのか直ぐに解った。
(なるほど、ブラッディ―タイガーを倒してもEランクのままだったのは、そこを悩んでいたからか。確かにギルドに登録して半年も経っていないルーキーがとんとん拍子でランクを上げていけば妬む者が多く現れるのは確実だ)
オルアットの経験上、器の小さい連中は多い。
ギルドマスターまで上り詰めたオルアットも、才能ある同僚に嫉妬したことは何度もあった。
「冒険者は、嘗められたら終わりだと言う者がいる」
「そうみたいですね。知り合いの元冒険者から聞きました」
「そうか、それなら話は早い。ティール君に失礼なことを言っているのは解っている。しかし、敢えて言わせてもらうよ。君の外見と……あと体格は嘗められやすい」
「……ですよね。それは自覚あります」
まだ身長は百六十と少し。
決して低過ぎはしないが、大きい部類ではない。
そして体の線は太くなく、マッチョではあるが細め。
顔はそこまで幼くはないが、覇気のある顔ではない。
以上の理由から、大抵の冒険者はティールを嘗める傾向が強い。
「ただ、ランクがあれば君が言う面倒な輩は一歩踏み留まる。自分よりランクが高い相手であれば、もしかしたら自分より強いのではと、ブレーキを掛ける」
「その可能性はあるんですね……でも、自信過剰な冒険者は平気で絡んで来そうな気がしますけど」
「……うん、そうだね」
そんなことはないと、断言することはできなかった。
残念なことに、相手の実力を正確に測れない冒険者の方が多い。
であれば、自部の方が体が大きいという理由で実力者を下に見る愚か者が出てくるのは必然。
「ティール君は、なるべく目立ちたくない……のかな?」
「師からは冒険者になって数年ほど経つまでは、あまり目立たない方が良いと言われました」
「そうか。確かに目立てば面倒な件が絡んでくるのは間違いない。ただ、ティール君は……あれだよね、既に一定レベルで目立ってるからな」
「……モンスターを狩る量、ですよね」
「そうだな。ルーキーが狩る量ではない。今後を気を付けるのであれば、素材を売るモンスターのランクを制限することだね」
既にやってしまったことはしょうがない。
しかし今後の生活を考え、ギルドで換金するモンスターの素材を制限すれば、目立ちぐらいを多少は抑えられる。
「君のヤバさに関しても、目立つ内容をそれだけに抑えていれば厄介な輩が絡んでくる可能性は下がると思うよ……多分」
「…………オルアットさん、今回の件でランクを上げることは可能ですか」
「あ、あぁ。勿論だ。Cランクまでなら僕の権限で上げられるよ」
「一応Dランクまでにしておきます。Cランクは近いうちに正式な昇格試験を受けてから上がります」
ここでティールは低ランクのまま活動することを諦め、目立つ未来が待っていたとしてもランクを上げる道を選んだ。
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