あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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踏ん張り効かず

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「くっ!!!!!」

(むっ……ギリギリ当たらなかったか)

ロングソードが下から振り上げられる瞬間、グレイズは全力で後方に飛び退いた。
結果、ティールはどこかしら切れるだろうと……切断とはいかずとも、脚か腕、胸部を切ればグッと終わりが近づくと思っていた。

しかし、ロングソードが切り裂いたのは髪の先のみ。

槍使いとしては屈辱的な展開ではあるが、グレイズは訓練時に現在のような状況になった際、勝負を決める一撃を食らわないように咄嗟に下れるように体に染み込ませていた。

(はぁ、はぁ、クソっ!! もっと……もっと集中するんだ!!!)

槍使いは、長いリーチを生かし、攻撃を行うだけではなく己の懐に入られないようにしなければならない。

だが、グレイズは結果としてあっさりとティールに侵入を許してしまった。

「すぅーーー、はぁーーー…………ッ!!!!!」

次は同じミスを起こさない。
呼吸を整え……集中力を高め、地を蹴って距離を詰め、高速の突きを繰り返す。
勿論矛先には風を纏っているため、刃だけ避ければ風に裂かれてしまう。

(…………特殊な、強化スキルとかはない、ってことで良いのかな)

後で言い訳を残させない。
だからこそ、ティールは再び懐に侵入するのではなく、繰り出される突きの攻撃範囲を見誤らないように避けて避けて避けまくる。

(っ、だからどうしたッ!!!!!!!)

まだ、一つもクリーンヒットが出ない。
その状況に、さすがのグレイズもティールの回避技術、俊敏さは認めなければならないと感じた。

それでも、彼にとって目の前の……尊敬する人のスカウトを断った野郎を、どうしても倒したい。
当らないなら、当たるまで攻撃を止めないだけ。

攻撃の質が衰えることはなく、体幹がブレず、相変わらず的確に相手が狙われたくない場所を狙う。

(……ないなら、もう良いか)

しかし、ティールはグレイズとスタミナ勝負をするつもりはない。

突きが放たれる個所を予想し、回避。
そのまま流れるように懐に潜り込む。

今回、丁寧な対応? でグレイズとの試合を引き受けたティール。
ただ……少年からすれば、グレイズの態度はこれまで自分に絡んできた面倒な連中と同じ。

そのため、脚……もしくは腕を折るつもりだった。

「ふんッ!!!!!!!!!」

「っ!!!!!?????」

懐に潜り込み、カウンターを放つ。
それがティールの想定していた流れだが……グレイスは直感ではあったものの、このタイミングでティールが懐に入り込んでくると感じ取っていた。

槍という武器を使っているからこそ、懐に潜り込まれたら不味い。
だが……そこから全く反撃できない訳ではない。

グレイズはこれまで隠していた火を槍の刃ではなく柄に纏い、同時に風を纏わせ、更に火力を上げる。
そして今度はグレイズから下から攻撃をブチかました。

(なる、ほど)

だが、柄はティールの腹に叩きこまれることはなく、咄嗟に構えたロングソードの腹に当たった。

ガードされてしまった……が、ティールにとっては予想外の攻撃であり、ガードの体勢が十分ではなかった。
下からかち上げられ、宙に飛ばされてしまうティール。

「っ、しょッ!!!!」

心の底から驚き、感心した。
それでもティールに焦りが生まれることはなく、冷静に空中で体勢を整え……天井に両足を添え、蹴り飛ばす。

「なっ!!??」

宙に浮いている相手は、本来格好の的となる。

扱う武器が槍でなくとも、ロングソードや戦斧であっても、地上に立つ者が有利な状況。
しかし、天井を蹴って移動したティールの速度は速く、なによりグレイズにとっても予想外に行動だったため、反応が遅れてしまった。

「ッ、ふんッ!!!!!!!!!!!」

「がっ!!!!!!??????」

ティールはグレイズの背後に着地。
グレイスは即座に振り返りながら跳び、距離を取ろうとしたが……その前にティールの右フックが炸裂。

その場で踏ん張ることは出来ず、グレイスは壁端まで殴り飛ばされてしまった。
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