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少年期[930]地上であれば
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「はぁ~~~~……本当に良い階層だな」
強い魔物がうじゃうじゃといる方がゼルートの好みではあるが、そういった階層が多い中でのほぼビーチの空間。
即席の椅子をつくり、ルウナも含めて三人は日光浴を楽しんでいた。
「なぁ、商人達がここで商売すれば、どんな商品を割り増し価格で売っても売れるんじゃないか?」
「こういう階層があるダンジョンでは、そういった商売をする商売根性が逞しい証人もいるみたいだけど……まぁ、まず無理ね」
ゼルートの言葉をあっさりと両断。
そもそも商人ではないため、特に追及する意味はないが、無理だと断言する理由は知りたい。
「なんでそんな簡単に無理って断言するんだ?」
「ここは二十五階層。商売するにしても、ここまで辿り着ける実力がないと無理じゃない。高ランクの冒険者たちにキャリーしてもらうにしても、拠点を構えて以降も降りるまで護衛を頼めば、そこまで利益は取れないでしょうね」
ニ十階層のヴィールクラブを突破して二十一階層に転移できたとしても、そこから四階層は毎回降りなければならない。
コスパ面を考えると、決して良いとは言えない。
「それに、このダンジョンはどこにある?」
「……海中だな」
「そうよね。ダンジョンの中で戦闘の邪魔にならない実力を持っていたとしても、海中を泳いでこのダンジョンに無事到着できるか否か……まず無理でしょうね」
「なるほど。でも、商人からすればこの階層は、是非とも冒険者たちに採集依頼を出したいだろうな」
二十五階層には地上でも珍しい果実が多く実っている。
現在、ゼルートたちはその果実を口にしながらバカンスタイムを満喫している。
「色々と面倒な条件はあるけど、是非ともこの果実は欲しいでしょうね……うん、美味しい!!」
ちなみに、従魔組は透明度の高い海を自由に探索し、ゲイルたちなりにバカンスタイムを満喫していた。
(とりあえず、明日はあの小島を回ってみるか)
英気を養った翌日、二十五階層に存在する多数の小島を探索。
(海中にあってもおかしくない! って思ってたけど、普通に考えれば無理がある話だよな)
階層とは……階段。
当然ではあるが、海中に階段があれば海水が浸水していく。
そうなれば、結果として二十五階層以降の階層が水没……してもおかしくはない。
(それならそれで、次の階層へ続くか階段を探すのなんて簡単じゃんと思うかもしれないけど……中々に多くて遠いんだよな)
二十五階層はとんでもなく広い。
少々特殊な方法で移動するゼルートたちでなければ、小島から小島に移動するだけでそれなりの体力を消耗する。
(こりゃ小舟とか使って移動しないと、果てしなく面倒な移動だな……ビーチから離れたらそれなりに魔物もいるし、小型で移動は無理があるか?)
なにはともあれ、数時間後には二十六階層に続く階段を発見。
「……クソがっ!!!!」
マッピング担当であるゼルート……発見した階段が、正確にどの位置にあるのか忘れてしまい、飛んでわざわざ
二十五階層に降りる階段まで戻り、最初に見える小島から幾つ分の小島を移動すればいいのかを頭に叩き込む。
「はぁ~~~、ごめん。待たせた」
「全然待ってないわよ。それにしても、別にギルドに任されてる訳でもないのに頑張るわね」
「ん~~~……一応探索が終わればギルドに見せる訳だし、個人的に細かく書きたいって気持ちが強いんだよな」
適当にマッピングした地図をギルドに渡せば、後で自身の名誉が地に落ちる!!!! なんてことは一切頭になく、純粋に良い地図を書きたいという気持ちで探索を続け……一旦地上に戻る時間も含めて、七日後に三十階層へ到着。
「うぉ~~~、それっぽいボスじゃんか」
ボス部屋に佇む強敵は、ウォータードラゴンと三体のシーサーペント。
Bランクの魔物が一体とCランクの魔物が三体……ボス部屋の環境もあって、挑戦者たちの不利は否めないが、ゼルートたちはこれまで通り冷静に魔物たちの動きを観察しながら調査を進めた。
強い魔物がうじゃうじゃといる方がゼルートの好みではあるが、そういった階層が多い中でのほぼビーチの空間。
即席の椅子をつくり、ルウナも含めて三人は日光浴を楽しんでいた。
「なぁ、商人達がここで商売すれば、どんな商品を割り増し価格で売っても売れるんじゃないか?」
「こういう階層があるダンジョンでは、そういった商売をする商売根性が逞しい証人もいるみたいだけど……まぁ、まず無理ね」
ゼルートの言葉をあっさりと両断。
そもそも商人ではないため、特に追及する意味はないが、無理だと断言する理由は知りたい。
「なんでそんな簡単に無理って断言するんだ?」
「ここは二十五階層。商売するにしても、ここまで辿り着ける実力がないと無理じゃない。高ランクの冒険者たちにキャリーしてもらうにしても、拠点を構えて以降も降りるまで護衛を頼めば、そこまで利益は取れないでしょうね」
ニ十階層のヴィールクラブを突破して二十一階層に転移できたとしても、そこから四階層は毎回降りなければならない。
コスパ面を考えると、決して良いとは言えない。
「それに、このダンジョンはどこにある?」
「……海中だな」
「そうよね。ダンジョンの中で戦闘の邪魔にならない実力を持っていたとしても、海中を泳いでこのダンジョンに無事到着できるか否か……まず無理でしょうね」
「なるほど。でも、商人からすればこの階層は、是非とも冒険者たちに採集依頼を出したいだろうな」
二十五階層には地上でも珍しい果実が多く実っている。
現在、ゼルートたちはその果実を口にしながらバカンスタイムを満喫している。
「色々と面倒な条件はあるけど、是非ともこの果実は欲しいでしょうね……うん、美味しい!!」
ちなみに、従魔組は透明度の高い海を自由に探索し、ゲイルたちなりにバカンスタイムを満喫していた。
(とりあえず、明日はあの小島を回ってみるか)
英気を養った翌日、二十五階層に存在する多数の小島を探索。
(海中にあってもおかしくない! って思ってたけど、普通に考えれば無理がある話だよな)
階層とは……階段。
当然ではあるが、海中に階段があれば海水が浸水していく。
そうなれば、結果として二十五階層以降の階層が水没……してもおかしくはない。
(それならそれで、次の階層へ続くか階段を探すのなんて簡単じゃんと思うかもしれないけど……中々に多くて遠いんだよな)
二十五階層はとんでもなく広い。
少々特殊な方法で移動するゼルートたちでなければ、小島から小島に移動するだけでそれなりの体力を消耗する。
(こりゃ小舟とか使って移動しないと、果てしなく面倒な移動だな……ビーチから離れたらそれなりに魔物もいるし、小型で移動は無理があるか?)
なにはともあれ、数時間後には二十六階層に続く階段を発見。
「……クソがっ!!!!」
マッピング担当であるゼルート……発見した階段が、正確にどの位置にあるのか忘れてしまい、飛んでわざわざ
二十五階層に降りる階段まで戻り、最初に見える小島から幾つ分の小島を移動すればいいのかを頭に叩き込む。
「はぁ~~~、ごめん。待たせた」
「全然待ってないわよ。それにしても、別にギルドに任されてる訳でもないのに頑張るわね」
「ん~~~……一応探索が終わればギルドに見せる訳だし、個人的に細かく書きたいって気持ちが強いんだよな」
適当にマッピングした地図をギルドに渡せば、後で自身の名誉が地に落ちる!!!! なんてことは一切頭になく、純粋に良い地図を書きたいという気持ちで探索を続け……一旦地上に戻る時間も含めて、七日後に三十階層へ到着。
「うぉ~~~、それっぽいボスじゃんか」
ボス部屋に佇む強敵は、ウォータードラゴンと三体のシーサーペント。
Bランクの魔物が一体とCランクの魔物が三体……ボス部屋の環境もあって、挑戦者たちの不利は否めないが、ゼルートたちはこれまで通り冷静に魔物たちの動きを観察しながら調査を進めた。
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