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第5章 グラディオン大陸編
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拷問伯爵を始末した俺はその足で伯爵の屋敷へと向かい、全財産を回収。奴の親類縁者は全員もれなく奴隷商人に売り払った。
そして他の守旧派メンバーも同じ目に合わせていく。その際、家族を人質にとられ仕方なく守旧派に従っていたという貴族はスキルで真偽を確認し、心から王に仕えていた貴族だけ助けてやった。それ以外の守旧派メンバーは伯爵と同じ場所に送った。これで国内も綺麗になっただろう。
そして俺の財布もかなり潤った。伯爵を始め、それに従っていた奴らが滅茶苦茶金を隠し持っていたのである。
それらは全てデルモートに送った。これで少しはあいつも休めるだろう。
こうしてシュトラーゼ王国から膿を排除した俺は何食わぬ顔で王達のいる町に戻った。ちなみにここまでは全て姿を消して作業し、守旧派の屋敷も更地に変えてきた。もし俺が全て関わっているとバレたら金を返せと言われかねないからな。奴隷商人もナビリア商会の息がかかっている商人だし、恐らくバレる事はないだろう。
「ジェイド殿、世話になった!」
アジトに戻ると元気になった王が頭を下げてきた。また、それに倣い改革派の面々も同様に頭を下げる。
「いや、気にするな。シュトラーゼ王国はシーメルとも交易があったからな。長い目で見ると俺にも利益があったから動いたまで。そう畏まる必要はない」
「そう言っていただけるのはありがたいのだがな。私も一国の王、しかも死にかけていたのだ。ジェイド殿には感謝してもしきれんのだよ。そこでだ、先にも言ったが礼をしたい。私に叶えられる願いなら何でも言ってくれ」
俺はどうしようか迷った。金目の物は既に回収済みだし守旧派の奴らを売り払った金もある。
「そうだなぁ……。んじゃ同盟でも組むか?」
「同盟? 属国ではなく同盟か?」
「ああ。困った時に助け合う五分の同盟で良い」
王はジェイドの器の大きさを知り感嘆の吐息を洩らした。だがもし真実を知っていたら呆れた溜め息になっていただろう。
「これでは礼にはならんな。むしろ私が多くもらっている。……そうだ! 同盟を組むならより強い繋がりが必要じゃないか? 私の娘で良ければ……」
「はぁっ!?」
「いや、結構だ」
「はぁぁぁぁっ!?」
王女がうるさい。ぶっ壊れるまでヤられた王女に興味なんて沸かんぞ。
「そうか。眼鏡にかなわなかったか……」
「ちょっとあんたっ!」
王女がつっかかってくる。
「なんだよ」
「私の何が不満だってのよ!」
「別に不満なわけじゃない。お前だって俺のとこに来るのは嫌だろ?」
「……べ、別に? 王女なんてそんなもんでしょ。自分で嫁ぎ先なんて選べないわよ」
「いやいや、お前第一王女だろ? 他に子もいないようだし、継承権あんだろうがよ」
「それならお父さま達がまた作るから良いわよ。何かお母さまも若くなってるし?」
「なにっ?」
王は言われて気付いたようだ。
「……確かに。十年前くらい……な、何があったのだ?」
「娘に言われるまで気付かないなんて……悲しいわぁ……。私には興味なんてないのかしら?」
「ち、違うぞ!? 今はほら……ジェイド殿と話をだな……」
王は妻に責められ慌てふためいていた。
「じゃあ今夜から態度で示してもらいましょうか。娘も嫁がせるのですしね」
「う、うむ……。ま、まだ病み上がりなのでほどほどにの……」
そして王女がこちらを振り向く。
「ほら、これでシュトラーゼ王国には問題はないわ」
「お前、そんな俺んとこ来たいのかよ? 俺とやれんのか?」
「ばっ……、や、やれるわよ……。経験はないけど……」
いやいやあるだろうとは言えなかった。王妃も全てわかった上で手を合わせて謝っていた。
「それと! 私はお前じゃなく【エアリア・シュトラーゼ】よ。ちゃんと名前で呼びなさいよ」
「はいはい、エアリアな」
「何でそんな投げやりなわけ!? この私が妻になってあげるんだからもっと喜びなさいよね」
こいつは何様なんだろうか。いっそ性格ごと弄れば良かっただろうか。
「ま、まぁまぁ二人とも。問題も解決した事だ。一度城に戻ろう。民にも説明しなければならぬしな」
「そうだな。特にする事もないから送ってやろう」
「何から何まですまんな」
こうして俺はシュトラーゼ王国の問題を片付けた。そしてその日の夜。
「ね、ね! もう一回!」
「はぁっ!? まだやんのかよ!?」
「だ、だって……凄く良かったんだもん……。つ、疲れたなら私が上に乗るから! ね? ね?」
一度壊れたから身体が拒絶するかと思ったがどうやら取り越し苦労だったようだ。王女はすっかり行為にはまり、今では自分から求めてくるようになっていた。
「……タフだなぁ」
一応避妊はしておく。
そして翌朝、王から国民に向け御触れが出された。
「やった! これであの玩具を扱える!」
「さすが国王様だ! いやぁ~改革派が勝ってくれて良かった良かった!」
「祝いだ祝い! 酒場でゲーム大会しようぜ!」
「あ、俺ジェンガ持ってるぞ!」
「俺は将棋だ」
「こっちには囲碁もあるぜ」
「「「「……宴だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」」」
民は一斉に沸き上がり酒場へと繰り出した。酒場が満卓になると食堂や宿の一角にまで民が押し寄せゲームに興じていた。たかがゲームだがこの民が店に落とす金もある。こうして経済が回っていくのだ。
「盛り上がってんなぁ~」
俺はそんな王都のようすを見ながらカモを探すのであった。
そして他の守旧派メンバーも同じ目に合わせていく。その際、家族を人質にとられ仕方なく守旧派に従っていたという貴族はスキルで真偽を確認し、心から王に仕えていた貴族だけ助けてやった。それ以外の守旧派メンバーは伯爵と同じ場所に送った。これで国内も綺麗になっただろう。
そして俺の財布もかなり潤った。伯爵を始め、それに従っていた奴らが滅茶苦茶金を隠し持っていたのである。
それらは全てデルモートに送った。これで少しはあいつも休めるだろう。
こうしてシュトラーゼ王国から膿を排除した俺は何食わぬ顔で王達のいる町に戻った。ちなみにここまでは全て姿を消して作業し、守旧派の屋敷も更地に変えてきた。もし俺が全て関わっているとバレたら金を返せと言われかねないからな。奴隷商人もナビリア商会の息がかかっている商人だし、恐らくバレる事はないだろう。
「ジェイド殿、世話になった!」
アジトに戻ると元気になった王が頭を下げてきた。また、それに倣い改革派の面々も同様に頭を下げる。
「いや、気にするな。シュトラーゼ王国はシーメルとも交易があったからな。長い目で見ると俺にも利益があったから動いたまで。そう畏まる必要はない」
「そう言っていただけるのはありがたいのだがな。私も一国の王、しかも死にかけていたのだ。ジェイド殿には感謝してもしきれんのだよ。そこでだ、先にも言ったが礼をしたい。私に叶えられる願いなら何でも言ってくれ」
俺はどうしようか迷った。金目の物は既に回収済みだし守旧派の奴らを売り払った金もある。
「そうだなぁ……。んじゃ同盟でも組むか?」
「同盟? 属国ではなく同盟か?」
「ああ。困った時に助け合う五分の同盟で良い」
王はジェイドの器の大きさを知り感嘆の吐息を洩らした。だがもし真実を知っていたら呆れた溜め息になっていただろう。
「これでは礼にはならんな。むしろ私が多くもらっている。……そうだ! 同盟を組むならより強い繋がりが必要じゃないか? 私の娘で良ければ……」
「はぁっ!?」
「いや、結構だ」
「はぁぁぁぁっ!?」
王女がうるさい。ぶっ壊れるまでヤられた王女に興味なんて沸かんぞ。
「そうか。眼鏡にかなわなかったか……」
「ちょっとあんたっ!」
王女がつっかかってくる。
「なんだよ」
「私の何が不満だってのよ!」
「別に不満なわけじゃない。お前だって俺のとこに来るのは嫌だろ?」
「……べ、別に? 王女なんてそんなもんでしょ。自分で嫁ぎ先なんて選べないわよ」
「いやいや、お前第一王女だろ? 他に子もいないようだし、継承権あんだろうがよ」
「それならお父さま達がまた作るから良いわよ。何かお母さまも若くなってるし?」
「なにっ?」
王は言われて気付いたようだ。
「……確かに。十年前くらい……な、何があったのだ?」
「娘に言われるまで気付かないなんて……悲しいわぁ……。私には興味なんてないのかしら?」
「ち、違うぞ!? 今はほら……ジェイド殿と話をだな……」
王は妻に責められ慌てふためいていた。
「じゃあ今夜から態度で示してもらいましょうか。娘も嫁がせるのですしね」
「う、うむ……。ま、まだ病み上がりなのでほどほどにの……」
そして王女がこちらを振り向く。
「ほら、これでシュトラーゼ王国には問題はないわ」
「お前、そんな俺んとこ来たいのかよ? 俺とやれんのか?」
「ばっ……、や、やれるわよ……。経験はないけど……」
いやいやあるだろうとは言えなかった。王妃も全てわかった上で手を合わせて謝っていた。
「それと! 私はお前じゃなく【エアリア・シュトラーゼ】よ。ちゃんと名前で呼びなさいよ」
「はいはい、エアリアな」
「何でそんな投げやりなわけ!? この私が妻になってあげるんだからもっと喜びなさいよね」
こいつは何様なんだろうか。いっそ性格ごと弄れば良かっただろうか。
「ま、まぁまぁ二人とも。問題も解決した事だ。一度城に戻ろう。民にも説明しなければならぬしな」
「そうだな。特にする事もないから送ってやろう」
「何から何まですまんな」
こうして俺はシュトラーゼ王国の問題を片付けた。そしてその日の夜。
「ね、ね! もう一回!」
「はぁっ!? まだやんのかよ!?」
「だ、だって……凄く良かったんだもん……。つ、疲れたなら私が上に乗るから! ね? ね?」
一度壊れたから身体が拒絶するかと思ったがどうやら取り越し苦労だったようだ。王女はすっかり行為にはまり、今では自分から求めてくるようになっていた。
「……タフだなぁ」
一応避妊はしておく。
そして翌朝、王から国民に向け御触れが出された。
「やった! これであの玩具を扱える!」
「さすが国王様だ! いやぁ~改革派が勝ってくれて良かった良かった!」
「祝いだ祝い! 酒場でゲーム大会しようぜ!」
「あ、俺ジェンガ持ってるぞ!」
「俺は将棋だ」
「こっちには囲碁もあるぜ」
「「「「……宴だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」」」
民は一斉に沸き上がり酒場へと繰り出した。酒場が満卓になると食堂や宿の一角にまで民が押し寄せゲームに興じていた。たかがゲームだがこの民が店に落とす金もある。こうして経済が回っていくのだ。
「盛り上がってんなぁ~」
俺はそんな王都のようすを見ながらカモを探すのであった。
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