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勘違いするじゃないか
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「疲れたかい?何か飲み物を取ってこよう。」
「あっ……!」
そんなことは自分でできるのに、クリムは甲斐甲斐しい。
もうすぐ王太子になろうって奴が、こんなにしてくれなくてもいいのに。
俺たちは嘘の婚約者なんだから。
正直、こんなに大切にされると勘違いしそうだ。
なんだろう。
クリムがこんなふうに大切にする子は、きっと、あのミリアさんみたいに素敵な女性だろう。
こんな突然貴族になって、礼儀作法も染みついていないような粗野な男ではなく。
もしかしたら、ミリアさんが王太子妃候補に返り咲くってことだって考えられる。
そう、全てが解決したら。
銀髪の細身で、芯が一本通ったような、女神アルテミスのようなミリア様。
ミリア様とあいつは、お似合いだった。
ぎゅっ。
なんで、こんなこと考えるのかな。
全てが終わって、こんな風に近くにいられなくなるのが寂しいだなんて。
「ねえ、トロワって…。」
遠目から見ていて、ボヌールに声をかける。
「うん、間違いなく本当にクリム王子のことが好きになってきてる気がする。」
「どうしよう、王太子妃ってやっぱり子どもが産めないとだめなのかなぁ。」
サンはケヴィンを見上げた。
「側妃を設ける手もあるし、兄弟の子を指名してもいいから、絶対ではないとは思う。」
王太子になるからには、跡取りを求められるのは変わらないが。
「…それにしても、君たちは、自分のことなら鈍感なのに、他人のことならすぐわかるんだね。」
「もう!デュークったら!」
ぱちーんとボヌールに背をたたかれると、デュークはむせた。
「予定より早く、明後日にはクリムについてトロワは向こうへ渡る。騎士団から侍従は派遣するが、危険だろう。私たちも頑張ろう。」
もちろん!
みんなが、幸せになりますように。
「あっ……!」
そんなことは自分でできるのに、クリムは甲斐甲斐しい。
もうすぐ王太子になろうって奴が、こんなにしてくれなくてもいいのに。
俺たちは嘘の婚約者なんだから。
正直、こんなに大切にされると勘違いしそうだ。
なんだろう。
クリムがこんなふうに大切にする子は、きっと、あのミリアさんみたいに素敵な女性だろう。
こんな突然貴族になって、礼儀作法も染みついていないような粗野な男ではなく。
もしかしたら、ミリアさんが王太子妃候補に返り咲くってことだって考えられる。
そう、全てが解決したら。
銀髪の細身で、芯が一本通ったような、女神アルテミスのようなミリア様。
ミリア様とあいつは、お似合いだった。
ぎゅっ。
なんで、こんなこと考えるのかな。
全てが終わって、こんな風に近くにいられなくなるのが寂しいだなんて。
「ねえ、トロワって…。」
遠目から見ていて、ボヌールに声をかける。
「うん、間違いなく本当にクリム王子のことが好きになってきてる気がする。」
「どうしよう、王太子妃ってやっぱり子どもが産めないとだめなのかなぁ。」
サンはケヴィンを見上げた。
「側妃を設ける手もあるし、兄弟の子を指名してもいいから、絶対ではないとは思う。」
王太子になるからには、跡取りを求められるのは変わらないが。
「…それにしても、君たちは、自分のことなら鈍感なのに、他人のことならすぐわかるんだね。」
「もう!デュークったら!」
ぱちーんとボヌールに背をたたかれると、デュークはむせた。
「予定より早く、明後日にはクリムについてトロワは向こうへ渡る。騎士団から侍従は派遣するが、危険だろう。私たちも頑張ろう。」
もちろん!
みんなが、幸せになりますように。
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