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可愛いアルファはオメガになった
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ぷくぅぅぅぅぅ。
大学のキャンパスの片隅で、俺は頬を膨らませてた。
「海兄さん!ひどいよぉ!なんで俺にひとっことも相談してくれなかったのぉ!」
「えぇえ。だって、もう僕たち大人なんだから。」
茶色の髪にまつげくるん、の甘い顔立ち。
僕の大好きな海兄さんは大学4年生。そして僕も大学4年生。
兄さんを追いかけて、高校をすっとばして中3にあがる年に大学に入学した。
「それにねえ、僕はもう北村海じゃなくて、氷室海なんだよ?もう嫁いだ身なんだから、細かいことまで陸に相談したりしないよ。相談ならちゃんと、京としたし…。」
くぅう。
そう、兄はオメガ。ちなみに俺もアルファ(仮)から後天的だけどオメガ。
オメガだからアルファの男とそりゃ運命の番にもなる。
兄の番は今や国際派俳優でハリウッドで大活躍してる氷室京だ。
ハリウッド進出のきっかけになった人気映画で主人公たちの敵役を好演して、助演男優賞をとり、押しも押されぬ役者としての基盤を作って、兄と結婚した。
でも、生活の基盤は今やアメリカだ。
たまにCMやドラマに出るために日本に帰ってくるけど。
でも、だからといって。
「兄さん、なんでアメリカの大学院に留学しちゃうのぉお!」
「ハリウッドのあるロサンゼルスに、カルフォルニア大学の学校があるんだよ。カルフォルニア大学は海洋研究が盛んでね。大学を卒業したら京と落ち着いて暮らしたかったし、できれば向こうで就職したいから、まずは留学しようって。子どももそろそろ欲しいしね。」
ぷくぅぅぅぅ。
「もうっ、にいさんのばかぁ!」
僕は猛ダッシュで逃げた。
「…………ん、もう。陸ったら、今日で18歳になるのに、いつまでも子どもなんだから。」
「にいさんのばかああああああああああああああああああああああ………ほへ。」
猛ダッシュのさなか、ひょいっとつまむように動きを止められる。
大学3年になる、上津野二。二と書いてアルと読む。
弟の空を入れて、俺たち北村3兄弟の幼馴染の男だ。
「はなせぇえ!はなせよお!」
足がばたつく。
「陸、本当に背が伸びなかったねぇ。」
「ちきしょう!お前が俺に濃厚なキスなんかして、オメガ因子目覚めさせるからだろー!兄さんを守れるカッコイイアルファになる予定だったのにぃ!」
「それは残念でした。陸は俺のオメガになるって、最初から決まってるんだよ?」
あっかんべーをしてやる。
「いい加減、あきらめな?陸。今日で18歳だよね、おめでとう。」
「…………あ、ありがと。」
「約束、覚えてる?」
「………ぐ。」
忘れるものか。
先月ヒートが来た時に、体を弄られて、体が溶けるようなキスを何度もされた。
でも、最後まではしてくれなくて。
散々じらされて高められて、手だけで発散させられて。
約束してしまったのだ。
18歳の誕生日に、処女をあげると。
大学のキャンパスの片隅で、俺は頬を膨らませてた。
「海兄さん!ひどいよぉ!なんで俺にひとっことも相談してくれなかったのぉ!」
「えぇえ。だって、もう僕たち大人なんだから。」
茶色の髪にまつげくるん、の甘い顔立ち。
僕の大好きな海兄さんは大学4年生。そして僕も大学4年生。
兄さんを追いかけて、高校をすっとばして中3にあがる年に大学に入学した。
「それにねえ、僕はもう北村海じゃなくて、氷室海なんだよ?もう嫁いだ身なんだから、細かいことまで陸に相談したりしないよ。相談ならちゃんと、京としたし…。」
くぅう。
そう、兄はオメガ。ちなみに俺もアルファ(仮)から後天的だけどオメガ。
オメガだからアルファの男とそりゃ運命の番にもなる。
兄の番は今や国際派俳優でハリウッドで大活躍してる氷室京だ。
ハリウッド進出のきっかけになった人気映画で主人公たちの敵役を好演して、助演男優賞をとり、押しも押されぬ役者としての基盤を作って、兄と結婚した。
でも、生活の基盤は今やアメリカだ。
たまにCMやドラマに出るために日本に帰ってくるけど。
でも、だからといって。
「兄さん、なんでアメリカの大学院に留学しちゃうのぉお!」
「ハリウッドのあるロサンゼルスに、カルフォルニア大学の学校があるんだよ。カルフォルニア大学は海洋研究が盛んでね。大学を卒業したら京と落ち着いて暮らしたかったし、できれば向こうで就職したいから、まずは留学しようって。子どももそろそろ欲しいしね。」
ぷくぅぅぅぅ。
「もうっ、にいさんのばかぁ!」
僕は猛ダッシュで逃げた。
「…………ん、もう。陸ったら、今日で18歳になるのに、いつまでも子どもなんだから。」
「にいさんのばかああああああああああああああああああああああ………ほへ。」
猛ダッシュのさなか、ひょいっとつまむように動きを止められる。
大学3年になる、上津野二。二と書いてアルと読む。
弟の空を入れて、俺たち北村3兄弟の幼馴染の男だ。
「はなせぇえ!はなせよお!」
足がばたつく。
「陸、本当に背が伸びなかったねぇ。」
「ちきしょう!お前が俺に濃厚なキスなんかして、オメガ因子目覚めさせるからだろー!兄さんを守れるカッコイイアルファになる予定だったのにぃ!」
「それは残念でした。陸は俺のオメガになるって、最初から決まってるんだよ?」
あっかんべーをしてやる。
「いい加減、あきらめな?陸。今日で18歳だよね、おめでとう。」
「…………あ、ありがと。」
「約束、覚えてる?」
「………ぐ。」
忘れるものか。
先月ヒートが来た時に、体を弄られて、体が溶けるようなキスを何度もされた。
でも、最後まではしてくれなくて。
散々じらされて高められて、手だけで発散させられて。
約束してしまったのだ。
18歳の誕生日に、処女をあげると。
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