20 / 78
還る
しおりを挟む
「神といえども運命を弄ぶ権利などあるものか。」
「たとえ神から与えられた運命でなくても、僕たちは自分で自分の運命を切り開きます。運命は決まっているものではなく、自分の選択によって少しずつ変わるものだと思うから。」
俺はアーサーの手を握る。
離せと言われても絶対に離さない。
「煩い!あいつと…………先代と同じ事言うなあ!お前らが好き勝手やるとあちこち調整しなきゃならないから、俺の仕事が増えるだろう!」
運命の神とやらは、そんな理由で?
なんて理不尽なんだろう。
「お前らなんて!」
そう、神が叫んだ瞬間。
目の前が真っ暗になった。
「可愛い僕の愛しの番。」
はっとなり見上げると、スパイス。
どうして?
「どうしたんだい?悪阻かな?でもああ、もうそんな時期は過ぎたよね。風邪かな?ダメだよ、気をつけないと。」
悪阻?
ふとみると、俺の腹は膨らんでいる。
しかし、それよりも…………
俺の足首から下が、ない。
「ああ、足が痛むのかな?君がいけないんだよ?僕の妻なのにアーサー殿下に色目を使うから。」
ああ、思い出した。
ここが幻なのか、今までが幻だったのか分からないけど、一番最初。
俺はアーサーと出会って、本当の恋をして。
狂ったこいつに監禁されたんだ。
そして、きっと助けると約束してくれたアーサーは殺されて。
その知らせを聞いて、絶望したんだ。
自分に力があれば、と強く望んで。
「たとえ神から与えられた運命でなくても、僕たちは自分で自分の運命を切り開きます。運命は決まっているものではなく、自分の選択によって少しずつ変わるものだと思うから。」
俺はアーサーの手を握る。
離せと言われても絶対に離さない。
「煩い!あいつと…………先代と同じ事言うなあ!お前らが好き勝手やるとあちこち調整しなきゃならないから、俺の仕事が増えるだろう!」
運命の神とやらは、そんな理由で?
なんて理不尽なんだろう。
「お前らなんて!」
そう、神が叫んだ瞬間。
目の前が真っ暗になった。
「可愛い僕の愛しの番。」
はっとなり見上げると、スパイス。
どうして?
「どうしたんだい?悪阻かな?でもああ、もうそんな時期は過ぎたよね。風邪かな?ダメだよ、気をつけないと。」
悪阻?
ふとみると、俺の腹は膨らんでいる。
しかし、それよりも…………
俺の足首から下が、ない。
「ああ、足が痛むのかな?君がいけないんだよ?僕の妻なのにアーサー殿下に色目を使うから。」
ああ、思い出した。
ここが幻なのか、今までが幻だったのか分からないけど、一番最初。
俺はアーサーと出会って、本当の恋をして。
狂ったこいつに監禁されたんだ。
そして、きっと助けると約束してくれたアーサーは殺されて。
その知らせを聞いて、絶望したんだ。
自分に力があれば、と強く望んで。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
280
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる