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巡る季節と変わり始める関係

交差する目論みと疑惑の容疑:天人視点

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時雨が玄関から飛び出して行った後、私は自分の行動に頭を抑える。

(少しずつ、少しずつ時雨を私という存在に慣らしているというのに…これで時雨に距離を取られたらどうするのですか!しっかりしてください私!)

 焦っていた天人だったが、心の奥深くで時雨に交わさせた約束を思い出し、顔には出さず心の中でほくそ笑んだ。

 (どちらにしろ時雨はもう私から逃れられません。私のような神様に見初められて可哀想で可愛い時雨。貴方の一生が終わっても手放してなんかあげません。)

 時雨と関わるうちに天人は欲を覚えた、
最初は時雨が生きている間だけだったはずなのに、今では終わったあとの事を考えている。


 そして時雨が居ないのにここに居ても意味は無いと言うように、

天人は常世へと繋がる道を開く。

(また、雨が降る日までお別れです時雨)

________________



「____漸くお帰りかな?」

 そう天人に声をかけるのは天人の元主人であった。


「何故、貴方様が私の宮に居るのですか。」

天人の冷たい目線などどこ吹く風で、お酒を飲んだのか出来上がってるような状態の元主人は言葉を続ける。

「なに~?冷たいじゃないか、僕これでも君の主人「元です。」……食い気味に答えなくたって良いじゃんか~冷たい~。」

 天人の言葉に落ち込んだ様子をみせ笑った元主人に早く本題に入れと言うように

「それで、要件は?」



その瞬間、空気が揺れた



「人間に真の名を教え、約束を交わしたらしいな…」




 さっきまで、おちゃらけていた目の前の神が射抜くように天人へ目を向ける。
 
 その眼を向けられても天人は微動だにせず堂々と答える

「えぇ、教えましたし約束も交わしましたよ。」

その言葉に天人の全てを見透かすような神の目が向けられる。

 


 目の前の元主人と見つめあいどれぐらい時間が過ぎたのだろうか、漸く元主人はため息を吐き天人から目を外した。


「大切に囲いなさい、途中で引き返すことは元主人としても神としても男としても許さないよ。」 

 その言葉を聞いた天人は思った
(そういえば、この方も私を拾い囲ったんだったな…育ての親に似ると言うことか)
 
「当たり前のことをわざわざ仰っしゃりに来たのですか」


「…君、本当可愛くない」
そう言いつつも目元が緩んでるのだから。本当は、可愛くて可愛くて仕方がないのだろう。

 元主人の様子に天人も微笑む。
だが、目の前の神は爆弾発言を落とす。




「でも、驚いたよ~君が、数千歳以上年下のショタコンだったなんてね!道理で、年上のうるわしい女神たちに口説かれても靡かない訳だ」

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