密偵の相方が、有能なのに俺の恋心には気付いてくれない
密偵のノクスの今日の任務は、悪徳領主の屋敷に潜入して、他国と通じている証拠を奪うこと。
商人に化けた相方のロウと二人、まんまと奥まで入り込んだ――までは良かった。
誤算は、来ないはずの時間に女たちが戻ってきたこと。
咄嗟にロウに引きずり込まれた先は、大型の化粧箱の中。
板一枚向こうには何人もの女の気配。そして箱の中は、成人した男二人が息を潜めるには狭すぎた。
密着すること数十分。
想いを寄せた相手との距離に耐えきれず、ノクスの身体はあまりにも正直な反応を返してしまう。
だがその原因である一回り以上年上の男は、そんなことは露ほども知らず、真顔でこう言った。
「その状態じゃ部屋から出られん。手早く済ませろ」
恋愛感情皆無の天然おじさん受けに、片思いをこじらせた年下攻めが一人で振り回される、潜入×年齢差BLラブコメ。
※短編連作形式
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