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第三章 メイドの恋
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指摘されてハーブが入っている布袋を開けると、入れた覚えのないハーブが混ざっていた。
「……そのようですね」
湯に媚薬草が混ざっていると知ったフィナは、体にじんわりと広がる温もりが普通ではないことに気づく。ハーブがよく効いているのだろうと思っていたが、そうではなかったようだ。
「……申し訳ございません」
フィナは媚薬草を飲まされるかもしれないと注意はしていたつもりだった。けれどまさか、アルバが使うものにまで媚薬草が紛れ込むとは思わなかったのだ。それでも念入りに確認するべきだったのだが、確認したところでフィナが浴槽から離れている隙に精霊は媚薬草を入れてしまうだろう。
なので、普通の入浴で終わらせていればよかったのだ。
「俺は大丈夫。体内に取り込むよりはまだいいよ。ちょっと肌が敏感になっているだけだから」
そうは言っても、アルバはフィナよりも長く湯に浸かっている。穏やかな表情とは裏腹に、彼の下半身はバキバキと音がしそうなほど大きくなっていた。下だけ別の生き物のように見える。物騒だった。
「今更急いで出ても違いはないだろうし、このまま体を洗おうか」
もっと驚いて今すぐ浴槽から出てもおかしくないのに、アルバは実にのんびりしている。なのでフィナも媚薬が混じる湯から逃げられなかった。まさか主を置いて我先に出ようなど、あり得ない話だ。
「大丈夫なのですか?」
「またお湯を作るのも時間がかかるよね。だからって井戸の水を被ったら、風邪をひいてしまうかもしれないし」
「……そうですね」
「でも、フィナは怖かったらお湯から出ていいからね」
「いいえ、私もこの程度であれば大丈夫です」
アルバの顔だけを見れば、余裕そうに見える。彼が大丈夫だと言うのなら、大丈夫なのかもしれない。フィナは病気や怪我をした時の知識はあったが、性的な知識は必要ないと本人が判断してしまったために最低限しか備わっていなかった。男性の股間にあるものを女性の股の中に入れたら子どもができるくらいのことしか知らず、その他細かな部分は何も知らない。だから信じてしまったのだ。
それにフィナはまだ入ったばかりで、それほど効果は感じていない。腰の辺りがむずむずするだとか、昨晩アルバによって執拗に責められた箇所が疼くだとか、股の間が濡れているような気がするだとか。そんなことは、メイドとしての仕事ができるのであれば些事である。
そうして媚薬草が混じった湯で体を洗った後、アルバはすこし疲れている様子を見せた。時折、目がぼんやりとしているし、口数も減っている。ダイニングルームにあるソファに座ると、長く息を吐いてぼうっと窓の外を眺めている。下半身にある大きな男根は着替えている最中も上を向いており、それは今も続いている。実際はとても辛いのだろう。
そんな彼にフィナはネグリジェ姿で近づき、包帯を巻くために寝間着のボタンを外していく。
アルバは肌が腰まで露わになると、腹にある蛇の形をした痣に触れ、目を細めた。
「結構、育ったねぇ」
「……そうですね」
まるでお腹の子どもが大きくなっていくのを喜ぶ母親のように見え、フィナは目を背けてしまう。アルバは後どれくらい生きられるのだろうか。蛇の頭と尾の距離はフィナの拳二つ分である。なら、三週間ほどだろうか。もうたったそれだけの時間しか残されていなかった。
だというのに、アルバはその日を待ち遠しそうにしている。
彼は死に際ですら笑みを見せてくるかもしれない。寿命でも病気でもなく、毒のせいで死ぬというのに。
死にたくないと嘆きながら日々を送るよりはいいのだろう。それでも、そんな様子がすこしも見られないことにフィナの胸がチクチクと痛む。アルバは「フィナがいてくれてよかった」と言いながらも、この世に何の未練もないということだ。彼女は惜しむ要素の一つにもなれていないのだろう。
「アルバ様、包帯を巻き終わりました」
「いつもありがとう。じゃあ、フィナの部屋に行こうか」
「はい、立てそうですか」
「……思ったより、辛いかも」
「アルバ様」
時間が経つに連れて、辛さが増していったのだろう。浴槽から出た際、体を拭いたにも関わらずアルバの首筋には汗が浮かんでいた。
「肌に触れるだけでこんなに辛いなら、フィナは昨日すごく辛かったよね」
「…………いいえ」
それほどでもない、とフィナは首を横に振る。
むしろ媚薬を飲んでしまったことより、アルバにされた行為の数々の方が衝撃が強かった。そのため、やや返事をするのが遅くなる。
アルバはフィナが差し出した両手を掴むと、彼女の負担にならない程度に力を込めて立ち上がる。
「はぁ……フィナの手、気持ちいい」
「必要でしたら、いくらでも使ってください」
「フィナはたまに大胆なことを言うよね」
「そうでしょうか。手を握るくらいは何も……大胆ではないと思いますが」
どうしてそんなことを言うのか分からず、フィナは目を丸くしてアルバを見る。
彼はその視線を受けると、微笑ましいものを見つめるようににこにこと笑う。
「いつか意味が分かるんじゃないかな」
「……そうなのですね」
フィナの部屋に入ったアルバは、彼女に支えられながらゆっくりとベッドに腰を下ろした。けれどアルバの手はフィナから離れない。手を掴んだまま、動かずにいた。なのでフィナは黙って彼が手を離すのを待っている。
アルバが話しかけなければ、室内は途端に静かになる。媚薬のせいでわずかに乱れた呼吸の音だけがフィナの耳に届き、彼女はアルバの手を握り返した。……実を言えば、フィナの体もまずい状況にあった。アルバの指に触れていると、肌を撫でられた感触がまざまざと蘇ってくる。息を乱さないように気をつけてはいるが、ショーツに染みができそうだった。理性が狂うほどではないが、すこし辛い。
「ごめん、フィナ」
「謝っていただくようなことは何もないと思います。それより、お体の調子はどうですか。必要なものがあれば、すぐに用意します」
普段の調子で話しかければ、アルバは頬を真っ赤にしていた。
「うん、大丈夫……」
「とてもお辛いのではないですか」
「フィナ? 俺はもう寝るから大丈夫だよ」
「ですが、アルバ様。先ほどから、ずっと私の手を掴んでいます」
「あ」
どうやら無意識だったらしい。アルバは自分の行動に驚いた様子で、すぐにフィナから手を離した。
二人が入った湯には媚薬以外にも、フィナが選んだハーブが入っている。中には血行をよくする効果があるので、そのせいで媚薬の巡りまでよくなってしまったのかもしれない。入浴中のアルバは表情を崩さなかったのに、今は苦しそうだ。
「体に媚薬がかかる程度なら大丈夫だと思っていたけど、そうじゃなかったみたいだ。……やっぱり俺、自分の部屋で寝るね。今日はフィナと一緒に寝ようと思っていたけど、こんな調子だと我慢できなくなりそうだから」
アルバは立ち上がろうとするが、その体はすぐにふらついた。反射的にフィナは手を差し出し、彼を支えようとする。けれどフィナだって、同じ湯に浸かっていたのだ。そんな状態で自分よりも体の大きい男性を受け止めるのには無理があり、どうにか床に倒れないよう動くのが精一杯だった。結果、二人で一緒にベッドへ倒れることになる。
「あ、ごめん」
「……アルバ様。何か、我慢していることがあるのですか」
教えて欲しい、と蜜色の瞳が心配そうに揺れる。
「アルバ様が媚薬草の存在に気づいても入浴を止めなかったのは、私のせいなのではないですか?」
「フィナ……」
今日一日だけで多くの失敗を重ねた。本来、フィナはそのようなことがあっても毅然とした態度でいるべきだ。自分の犯した失敗で落ち込む姿をアルバに見せるべきではない。だからフィナも気をつけていた。……それでも、アルバは気づいてしまう。媚薬が入っているからと焦って浴槽から出たら、フィナはどんな気持ちになったのだろう。アルバが終始何でもないことのように振る舞ってくれなければ、さらに自信を喪失していたに違いない。
媚薬草を入れたのは精霊だ。
けれど、この結果を招いたのは自分なのだとフィナは思った。
ならばその責任を取るべきだ。
フィナは不慣れな手つきでアルバの背に腕を回した。
「我慢しないでください」
「……そのようですね」
湯に媚薬草が混ざっていると知ったフィナは、体にじんわりと広がる温もりが普通ではないことに気づく。ハーブがよく効いているのだろうと思っていたが、そうではなかったようだ。
「……申し訳ございません」
フィナは媚薬草を飲まされるかもしれないと注意はしていたつもりだった。けれどまさか、アルバが使うものにまで媚薬草が紛れ込むとは思わなかったのだ。それでも念入りに確認するべきだったのだが、確認したところでフィナが浴槽から離れている隙に精霊は媚薬草を入れてしまうだろう。
なので、普通の入浴で終わらせていればよかったのだ。
「俺は大丈夫。体内に取り込むよりはまだいいよ。ちょっと肌が敏感になっているだけだから」
そうは言っても、アルバはフィナよりも長く湯に浸かっている。穏やかな表情とは裏腹に、彼の下半身はバキバキと音がしそうなほど大きくなっていた。下だけ別の生き物のように見える。物騒だった。
「今更急いで出ても違いはないだろうし、このまま体を洗おうか」
もっと驚いて今すぐ浴槽から出てもおかしくないのに、アルバは実にのんびりしている。なのでフィナも媚薬が混じる湯から逃げられなかった。まさか主を置いて我先に出ようなど、あり得ない話だ。
「大丈夫なのですか?」
「またお湯を作るのも時間がかかるよね。だからって井戸の水を被ったら、風邪をひいてしまうかもしれないし」
「……そうですね」
「でも、フィナは怖かったらお湯から出ていいからね」
「いいえ、私もこの程度であれば大丈夫です」
アルバの顔だけを見れば、余裕そうに見える。彼が大丈夫だと言うのなら、大丈夫なのかもしれない。フィナは病気や怪我をした時の知識はあったが、性的な知識は必要ないと本人が判断してしまったために最低限しか備わっていなかった。男性の股間にあるものを女性の股の中に入れたら子どもができるくらいのことしか知らず、その他細かな部分は何も知らない。だから信じてしまったのだ。
それにフィナはまだ入ったばかりで、それほど効果は感じていない。腰の辺りがむずむずするだとか、昨晩アルバによって執拗に責められた箇所が疼くだとか、股の間が濡れているような気がするだとか。そんなことは、メイドとしての仕事ができるのであれば些事である。
そうして媚薬草が混じった湯で体を洗った後、アルバはすこし疲れている様子を見せた。時折、目がぼんやりとしているし、口数も減っている。ダイニングルームにあるソファに座ると、長く息を吐いてぼうっと窓の外を眺めている。下半身にある大きな男根は着替えている最中も上を向いており、それは今も続いている。実際はとても辛いのだろう。
そんな彼にフィナはネグリジェ姿で近づき、包帯を巻くために寝間着のボタンを外していく。
アルバは肌が腰まで露わになると、腹にある蛇の形をした痣に触れ、目を細めた。
「結構、育ったねぇ」
「……そうですね」
まるでお腹の子どもが大きくなっていくのを喜ぶ母親のように見え、フィナは目を背けてしまう。アルバは後どれくらい生きられるのだろうか。蛇の頭と尾の距離はフィナの拳二つ分である。なら、三週間ほどだろうか。もうたったそれだけの時間しか残されていなかった。
だというのに、アルバはその日を待ち遠しそうにしている。
彼は死に際ですら笑みを見せてくるかもしれない。寿命でも病気でもなく、毒のせいで死ぬというのに。
死にたくないと嘆きながら日々を送るよりはいいのだろう。それでも、そんな様子がすこしも見られないことにフィナの胸がチクチクと痛む。アルバは「フィナがいてくれてよかった」と言いながらも、この世に何の未練もないということだ。彼女は惜しむ要素の一つにもなれていないのだろう。
「アルバ様、包帯を巻き終わりました」
「いつもありがとう。じゃあ、フィナの部屋に行こうか」
「はい、立てそうですか」
「……思ったより、辛いかも」
「アルバ様」
時間が経つに連れて、辛さが増していったのだろう。浴槽から出た際、体を拭いたにも関わらずアルバの首筋には汗が浮かんでいた。
「肌に触れるだけでこんなに辛いなら、フィナは昨日すごく辛かったよね」
「…………いいえ」
それほどでもない、とフィナは首を横に振る。
むしろ媚薬を飲んでしまったことより、アルバにされた行為の数々の方が衝撃が強かった。そのため、やや返事をするのが遅くなる。
アルバはフィナが差し出した両手を掴むと、彼女の負担にならない程度に力を込めて立ち上がる。
「はぁ……フィナの手、気持ちいい」
「必要でしたら、いくらでも使ってください」
「フィナはたまに大胆なことを言うよね」
「そうでしょうか。手を握るくらいは何も……大胆ではないと思いますが」
どうしてそんなことを言うのか分からず、フィナは目を丸くしてアルバを見る。
彼はその視線を受けると、微笑ましいものを見つめるようににこにこと笑う。
「いつか意味が分かるんじゃないかな」
「……そうなのですね」
フィナの部屋に入ったアルバは、彼女に支えられながらゆっくりとベッドに腰を下ろした。けれどアルバの手はフィナから離れない。手を掴んだまま、動かずにいた。なのでフィナは黙って彼が手を離すのを待っている。
アルバが話しかけなければ、室内は途端に静かになる。媚薬のせいでわずかに乱れた呼吸の音だけがフィナの耳に届き、彼女はアルバの手を握り返した。……実を言えば、フィナの体もまずい状況にあった。アルバの指に触れていると、肌を撫でられた感触がまざまざと蘇ってくる。息を乱さないように気をつけてはいるが、ショーツに染みができそうだった。理性が狂うほどではないが、すこし辛い。
「ごめん、フィナ」
「謝っていただくようなことは何もないと思います。それより、お体の調子はどうですか。必要なものがあれば、すぐに用意します」
普段の調子で話しかければ、アルバは頬を真っ赤にしていた。
「うん、大丈夫……」
「とてもお辛いのではないですか」
「フィナ? 俺はもう寝るから大丈夫だよ」
「ですが、アルバ様。先ほどから、ずっと私の手を掴んでいます」
「あ」
どうやら無意識だったらしい。アルバは自分の行動に驚いた様子で、すぐにフィナから手を離した。
二人が入った湯には媚薬以外にも、フィナが選んだハーブが入っている。中には血行をよくする効果があるので、そのせいで媚薬の巡りまでよくなってしまったのかもしれない。入浴中のアルバは表情を崩さなかったのに、今は苦しそうだ。
「体に媚薬がかかる程度なら大丈夫だと思っていたけど、そうじゃなかったみたいだ。……やっぱり俺、自分の部屋で寝るね。今日はフィナと一緒に寝ようと思っていたけど、こんな調子だと我慢できなくなりそうだから」
アルバは立ち上がろうとするが、その体はすぐにふらついた。反射的にフィナは手を差し出し、彼を支えようとする。けれどフィナだって、同じ湯に浸かっていたのだ。そんな状態で自分よりも体の大きい男性を受け止めるのには無理があり、どうにか床に倒れないよう動くのが精一杯だった。結果、二人で一緒にベッドへ倒れることになる。
「あ、ごめん」
「……アルバ様。何か、我慢していることがあるのですか」
教えて欲しい、と蜜色の瞳が心配そうに揺れる。
「アルバ様が媚薬草の存在に気づいても入浴を止めなかったのは、私のせいなのではないですか?」
「フィナ……」
今日一日だけで多くの失敗を重ねた。本来、フィナはそのようなことがあっても毅然とした態度でいるべきだ。自分の犯した失敗で落ち込む姿をアルバに見せるべきではない。だからフィナも気をつけていた。……それでも、アルバは気づいてしまう。媚薬が入っているからと焦って浴槽から出たら、フィナはどんな気持ちになったのだろう。アルバが終始何でもないことのように振る舞ってくれなければ、さらに自信を喪失していたに違いない。
媚薬草を入れたのは精霊だ。
けれど、この結果を招いたのは自分なのだとフィナは思った。
ならばその責任を取るべきだ。
フィナは不慣れな手つきでアルバの背に腕を回した。
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