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地獄のレッスン、始まります
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あ~あ、昨日は情緒不安定だったな~。
兄様に励ましてもらえたからいつもの私、帰還!!
通常運転でふわふわするぞー!
「ユークちゃん、もうすぐ何歳―?」
「5さーい!」
「本当に不思議ねえ~、この前まではハイハイしてたと思ったらもうこんなにおっきくなって~。もう立派なお嬢様ね~。」
と朝から母様とずっとこんな調子です。
いや~、月日が経つのは早いね~。
もう洗礼の儀まで半分だよ~。
と言ってもまだまだ先だけどね~。でも楽しみ~!
髪の毛も大分伸びてきたな~。
ふわふわしてる~。
もう朝から絶好調だよ~!
「ということで、5歳の誕生会は盛大に行いたいと思いま~す!!」
「は~…ってええええ!?聞いてない!それにまだまだ先だよ、私の誕生日!」
「そりゃそうよ~、言ってなかったもの。どんな誕生会にするかの計画を立てるから今から考えるのよ~。」
「なるほど~じゃなくて!!」
はい、絶好調一瞬で終わりました~
…いやだよ!恥ずかしいもん!
これでも前世は謙虚さを好む日本人だったんだから!
「ユークちゃんは嫌なの?」
「う…」
母様、お願いだからそんな目で見ないで…
そんなうるうるした目で見ないで…
母様美人なんだからほだされちゃう…
「サーシャぁ、ユークちゃんが反抗期になっちゃったわ…」
「そのようですね…私も悲しいです…」
サーシャまで母様に乗らないでよぉ…
私に味方はいないのか…
「(サーシャ、ディアンのいない今の内よ!)ディアンは面倒って言って誕生会は家のメンバーでしかしなかったのよ…」
「(はい、奥方様!このまま押していきましょう!)それもとても簡素なものばかり…。旦那様も奥方様もその件にはとても心を痛めていられるのです…」
(そこまで痛めてないけどね。)
(それは言わない約束です。)
そんなに言われたら良心があ…
「…参考までに、あくまで参考だよ?母様とサーシャはどれくらいの大きさの誕生会にしたいと思ってるの?」
あまりにも豪華だったら遠慮するけど…
参考のためなんだからね!
「普通…よね?」
「ええ。普通の規模…ですよ?」
ううむ、なんだか2人とも怪しいな…。
こうなったら…
「私が基準を決めるもん!」
「ええっ!?ユークちゃんが?まだわからないでしょう?」
「うん。だから…この前母様と父様、私と同じ歳の子の誕生会がもうすぐあるって言ってたよね?私も行く!それ見て決める!」
他家の誕生会、それも自分と同じ年齢の誕生日会と同じ規模なら浮かないはず!
「そうなの?でもあと少ししか時間がないわ。今回は私たちに…」
「いや!マナーも言葉遣いも頑張るから!お願い!」
恥…とは言えないけど恥ずかしい思いするくらいなら勉強するほうがましだい!
「じゃあ家族みんなで行きましょうか~。ユークちゃん、ディアンにも伝えておいてくれる?」
「え?」
何で私?別に母様達から伝えてもいいのでは?
「だって私たちが言っても信じてくれないもの~。ユークちゃんが言ってくれないとあの子は何があっても来ないわ~。本当に、このままにしておいていいのかしら?」
いや、母様達が言っても来ないなら私では無理でしょ…。
兄様基本的に興味のあることにしか動かないもん。
まあいいや。
「はーい。」
部屋を出る時、後ろから“予想以上に好調”という言葉が聞こえて、なんだか掌の上で踊らされてる感が否めないけど…
しーらない。私は純粋な4歳児だも~ん。
「兄様、この前母様達が言ってたカイラーシ侯爵家の誕生会の話憶えてる?」
「忘れた。」
やっぱり。あ~あ、なんでこんなに忘れっぽいのに勉強はできるんだろ…。
漫画のチートキャラかよ!
まあうちの家族みんなチートキャラみたいなものなんだけど!
「母様が家族みんなで行こうって。」
「ふーん。ユークは?」
「私?もちろん絶対いくよ~。視察の、そして私のために!!(恥をかかない為だよ!!)」
まあ誕生会は普通に楽しみ~。
もしかしたらカイラーシ侯爵令嬢とも仲良くなれるかも!友達ゲットのチャンス!
「へえ、茶会がユークのためになるんだ?今度は何をするの?」
「今度はって何!?私そんなにやらかしてないもん!」
「いや、やらかしてはない。でもユークは面白い。俺も行く。伝えておいて。」
むう、面白くなんかないもん!
でも兄様がこんなに人の事見てるなんて知らなかったな~。
あ、もしかして成長するにつれて興味のあるものが見つかったのかな?
これなら人付き合いも良くなるんじゃないか?
なんかよくわからないけど良かった~。
で、今日から母様のマナーのお師匠様、つまり王女専属の先生が集中レッスンに来てくれたのです!
だけど…
「お嬢様!そこは右の足からでございます!ああ、歩くときにも笑顔をお忘れなく!はい、1,2,3!」
厳しいよぉぉぉぉ!
頑張るって言ったのは私だけど!
でもふわふわ生きるって決めたのに~!
「ふふふ、マレージャ先生に教えていただけたらこれからの茶会のマナーもダンスも完璧だわ~。あ、そうだわ!ディアンも教えて頂いたら?」
「嫌だ。面倒。」
「将来ユークちゃんが社交界に出る時、婚約者がいなかったら親族がダンスの相手をするのよ?今のうちに習ったら…」
「教わってくる。」
と、こうしてマレージャ先生による2週間にわたるマナー、ダンス、挨拶、その他諸々の兄様との集中レッスンは幕を開けたのであった。
「お疲れ様でした。これでお嬢様も完璧な淑女でございます。3日後の夜会も大丈夫ですよ。」
「や、やっと…じゃなくて…ありがとうございました、マレージャ先生。」
「よろしい。では、私はこれで。」
ああああ…やっと終わったー!後は自主練だけ!
もー、散々だったよ~。
私はいろんなことを叩きこまれて、覚えられなかったり、身体が動かなかったりと沢山怒られたのに!
のに!
兄様は!半分で終わっちゃったの!
「じゃあ俺はユークの授業受けてるところ見ておくから。」
とか言って涼しい顔で後ろのソファーでダラダラしておりました。ずるーい!
まあダンスの時は練習に付き合ってくれたんだ~。
と、そんなこんなで遂に誕生会3日前!
さあ、頑張るぞーい!
兄様に励ましてもらえたからいつもの私、帰還!!
通常運転でふわふわするぞー!
「ユークちゃん、もうすぐ何歳―?」
「5さーい!」
「本当に不思議ねえ~、この前まではハイハイしてたと思ったらもうこんなにおっきくなって~。もう立派なお嬢様ね~。」
と朝から母様とずっとこんな調子です。
いや~、月日が経つのは早いね~。
もう洗礼の儀まで半分だよ~。
と言ってもまだまだ先だけどね~。でも楽しみ~!
髪の毛も大分伸びてきたな~。
ふわふわしてる~。
もう朝から絶好調だよ~!
「ということで、5歳の誕生会は盛大に行いたいと思いま~す!!」
「は~…ってええええ!?聞いてない!それにまだまだ先だよ、私の誕生日!」
「そりゃそうよ~、言ってなかったもの。どんな誕生会にするかの計画を立てるから今から考えるのよ~。」
「なるほど~じゃなくて!!」
はい、絶好調一瞬で終わりました~
…いやだよ!恥ずかしいもん!
これでも前世は謙虚さを好む日本人だったんだから!
「ユークちゃんは嫌なの?」
「う…」
母様、お願いだからそんな目で見ないで…
そんなうるうるした目で見ないで…
母様美人なんだからほだされちゃう…
「サーシャぁ、ユークちゃんが反抗期になっちゃったわ…」
「そのようですね…私も悲しいです…」
サーシャまで母様に乗らないでよぉ…
私に味方はいないのか…
「(サーシャ、ディアンのいない今の内よ!)ディアンは面倒って言って誕生会は家のメンバーでしかしなかったのよ…」
「(はい、奥方様!このまま押していきましょう!)それもとても簡素なものばかり…。旦那様も奥方様もその件にはとても心を痛めていられるのです…」
(そこまで痛めてないけどね。)
(それは言わない約束です。)
そんなに言われたら良心があ…
「…参考までに、あくまで参考だよ?母様とサーシャはどれくらいの大きさの誕生会にしたいと思ってるの?」
あまりにも豪華だったら遠慮するけど…
参考のためなんだからね!
「普通…よね?」
「ええ。普通の規模…ですよ?」
ううむ、なんだか2人とも怪しいな…。
こうなったら…
「私が基準を決めるもん!」
「ええっ!?ユークちゃんが?まだわからないでしょう?」
「うん。だから…この前母様と父様、私と同じ歳の子の誕生会がもうすぐあるって言ってたよね?私も行く!それ見て決める!」
他家の誕生会、それも自分と同じ年齢の誕生日会と同じ規模なら浮かないはず!
「そうなの?でもあと少ししか時間がないわ。今回は私たちに…」
「いや!マナーも言葉遣いも頑張るから!お願い!」
恥…とは言えないけど恥ずかしい思いするくらいなら勉強するほうがましだい!
「じゃあ家族みんなで行きましょうか~。ユークちゃん、ディアンにも伝えておいてくれる?」
「え?」
何で私?別に母様達から伝えてもいいのでは?
「だって私たちが言っても信じてくれないもの~。ユークちゃんが言ってくれないとあの子は何があっても来ないわ~。本当に、このままにしておいていいのかしら?」
いや、母様達が言っても来ないなら私では無理でしょ…。
兄様基本的に興味のあることにしか動かないもん。
まあいいや。
「はーい。」
部屋を出る時、後ろから“予想以上に好調”という言葉が聞こえて、なんだか掌の上で踊らされてる感が否めないけど…
しーらない。私は純粋な4歳児だも~ん。
「兄様、この前母様達が言ってたカイラーシ侯爵家の誕生会の話憶えてる?」
「忘れた。」
やっぱり。あ~あ、なんでこんなに忘れっぽいのに勉強はできるんだろ…。
漫画のチートキャラかよ!
まあうちの家族みんなチートキャラみたいなものなんだけど!
「母様が家族みんなで行こうって。」
「ふーん。ユークは?」
「私?もちろん絶対いくよ~。視察の、そして私のために!!(恥をかかない為だよ!!)」
まあ誕生会は普通に楽しみ~。
もしかしたらカイラーシ侯爵令嬢とも仲良くなれるかも!友達ゲットのチャンス!
「へえ、茶会がユークのためになるんだ?今度は何をするの?」
「今度はって何!?私そんなにやらかしてないもん!」
「いや、やらかしてはない。でもユークは面白い。俺も行く。伝えておいて。」
むう、面白くなんかないもん!
でも兄様がこんなに人の事見てるなんて知らなかったな~。
あ、もしかして成長するにつれて興味のあるものが見つかったのかな?
これなら人付き合いも良くなるんじゃないか?
なんかよくわからないけど良かった~。
で、今日から母様のマナーのお師匠様、つまり王女専属の先生が集中レッスンに来てくれたのです!
だけど…
「お嬢様!そこは右の足からでございます!ああ、歩くときにも笑顔をお忘れなく!はい、1,2,3!」
厳しいよぉぉぉぉ!
頑張るって言ったのは私だけど!
でもふわふわ生きるって決めたのに~!
「ふふふ、マレージャ先生に教えていただけたらこれからの茶会のマナーもダンスも完璧だわ~。あ、そうだわ!ディアンも教えて頂いたら?」
「嫌だ。面倒。」
「将来ユークちゃんが社交界に出る時、婚約者がいなかったら親族がダンスの相手をするのよ?今のうちに習ったら…」
「教わってくる。」
と、こうしてマレージャ先生による2週間にわたるマナー、ダンス、挨拶、その他諸々の兄様との集中レッスンは幕を開けたのであった。
「お疲れ様でした。これでお嬢様も完璧な淑女でございます。3日後の夜会も大丈夫ですよ。」
「や、やっと…じゃなくて…ありがとうございました、マレージャ先生。」
「よろしい。では、私はこれで。」
ああああ…やっと終わったー!後は自主練だけ!
もー、散々だったよ~。
私はいろんなことを叩きこまれて、覚えられなかったり、身体が動かなかったりと沢山怒られたのに!
のに!
兄様は!半分で終わっちゃったの!
「じゃあ俺はユークの授業受けてるところ見ておくから。」
とか言って涼しい顔で後ろのソファーでダラダラしておりました。ずるーい!
まあダンスの時は練習に付き合ってくれたんだ~。
と、そんなこんなで遂に誕生会3日前!
さあ、頑張るぞーい!
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