21 / 75
自国の精霊王を軽く扱う家はうちだけだ
しおりを挟む
「それで、ウィーネさんはなんでそんなに私に覚えてないか聞くんですか?」
『ウィーネでいい。敬語もいらぬ。』
結局、シャーサには退出してもらった。
だって傍から見たら一人でペラペラ喋ってる変人だもん、この状態。
「じゃあウィーネ、本当に何で?私はそんな覚えないよ。」
『……いや、覚えていないのなら良い。忘れてくれ。』
「は?忘れられるわけないじゃん!というかなんでずっとここにいるの!?」
誰がはいそうですかって忘れるか!
あんだけ質問攻めされて忘れてくれって横暴にも程があるわ!
『…では我は戻る。何かあれば呼べ。』
むーっだ。別に大丈夫だもーん。頑固オヤジかよ。
あれま、向こうの方から口論が聞こえてくる。まさかさっき放置した…
「だいたい貴方はいつもいつも!」
「は?なんで掘り返してくるの?」
痴話喧嘩が出現した。
「ユークちゃぁぁぁん!ディアンが虐めるのぉ!ディアンにめっ!ってしてちょうだい!」
「あ、ちょっと、ユーク、俺は何もしてない。」
あーあ、まだ喧嘩してるのかー。
兄様じゃないけど、めんどくさい…。
「二人とも喧嘩ばっかりしてたら明日のアイスはあげません!すっごく美味しいのに。」
それに普通のカッチカチのアイスじゃないんだよ?
なんと、シャーサに低温でゆっくり固めてもらった効果で、口に入れると舌に触れる前に溶けちゃう位の代物なんだぞ!
「ユークの手作り…仲直りする。」
「甘い物…ディアンの説教…甘い物…説教………甘い物に決めたわ!仲直りする!」
結論、甘くて美味しいものは正義。
「あ、母様。ウィーネがずっと同じことばっかり聞いてくるの。」
「どんな風に?」
さっきまでずっと『覚えてないのか』と言われ続けたことを母様にチクる。
脚色はしてないよ?ちょっとしか。
「珍しいわね、ウィーネがそんなに取り乱すなんて。」
「母様、追い出そう?何だっけあの、第1王子?が欲しがってたでしょ?あげたら?」
おい兄様、自国の精霊王をおもちゃみたいな扱いするな。まあ私も散々無礼働いたけど。
「そうねぇ…でも本来精霊を譲渡するには契約精霊の同意がいるのよ?ディアンは魔力で無理やり譲渡したけど…」
「でも大丈夫だよー。さっき私ウィーネ怒らせた?し」
「じゃあ大丈夫ねー!」
ま、いっか。全員精霊王のことをかるーく扱っちゃってるし。
『で、我を移行させるのか?』
「うん。だってウィーネも嫌でしょ?私文句ばっか言うから。」
「ユーク、出ていったか?」
「見えてないだろうけど兄様も怖いし。」
それにローゼルクさんの血の直系は王家だし。ウィーネも向こうに行った方が良い待遇受けると思うし。
「どう?いいことじゃない?」
『…断る。』
は?今断るって言った?
「なんでよ!理由を教えて!」
『それは…お前が思い出したら言う。』
「やだ!じゃあ王子の方に行って!」
四六時中『思い出せ』って言われるのは嫌だし。
私は母様程おおらかじゃないし。
『強いて言うのなら……様子を見てみたいからだな。勿論我はお前の生活に関わらない。観察するだけだ。』
「それなら…ってなるかー!お風呂やトイレはどうすればいいの!」
『安心しろ、お前が良いと合図を出す時だけだ。まあ、合図を出さなければ勝手に見るがな。』
「むううう…わかった。」
納得は出来ないけど…でも何となく気になるんだよな。
これだけしつこく言われたら知りたくなるし。
『では契約完了だな。よろしく頼むぞ。』
「私がいいって言うまで無干渉でいてね!」
『ああ。』
そんなこんなで、謎のイケメン精霊王と契約しました。
『ウィーネでいい。敬語もいらぬ。』
結局、シャーサには退出してもらった。
だって傍から見たら一人でペラペラ喋ってる変人だもん、この状態。
「じゃあウィーネ、本当に何で?私はそんな覚えないよ。」
『……いや、覚えていないのなら良い。忘れてくれ。』
「は?忘れられるわけないじゃん!というかなんでずっとここにいるの!?」
誰がはいそうですかって忘れるか!
あんだけ質問攻めされて忘れてくれって横暴にも程があるわ!
『…では我は戻る。何かあれば呼べ。』
むーっだ。別に大丈夫だもーん。頑固オヤジかよ。
あれま、向こうの方から口論が聞こえてくる。まさかさっき放置した…
「だいたい貴方はいつもいつも!」
「は?なんで掘り返してくるの?」
痴話喧嘩が出現した。
「ユークちゃぁぁぁん!ディアンが虐めるのぉ!ディアンにめっ!ってしてちょうだい!」
「あ、ちょっと、ユーク、俺は何もしてない。」
あーあ、まだ喧嘩してるのかー。
兄様じゃないけど、めんどくさい…。
「二人とも喧嘩ばっかりしてたら明日のアイスはあげません!すっごく美味しいのに。」
それに普通のカッチカチのアイスじゃないんだよ?
なんと、シャーサに低温でゆっくり固めてもらった効果で、口に入れると舌に触れる前に溶けちゃう位の代物なんだぞ!
「ユークの手作り…仲直りする。」
「甘い物…ディアンの説教…甘い物…説教………甘い物に決めたわ!仲直りする!」
結論、甘くて美味しいものは正義。
「あ、母様。ウィーネがずっと同じことばっかり聞いてくるの。」
「どんな風に?」
さっきまでずっと『覚えてないのか』と言われ続けたことを母様にチクる。
脚色はしてないよ?ちょっとしか。
「珍しいわね、ウィーネがそんなに取り乱すなんて。」
「母様、追い出そう?何だっけあの、第1王子?が欲しがってたでしょ?あげたら?」
おい兄様、自国の精霊王をおもちゃみたいな扱いするな。まあ私も散々無礼働いたけど。
「そうねぇ…でも本来精霊を譲渡するには契約精霊の同意がいるのよ?ディアンは魔力で無理やり譲渡したけど…」
「でも大丈夫だよー。さっき私ウィーネ怒らせた?し」
「じゃあ大丈夫ねー!」
ま、いっか。全員精霊王のことをかるーく扱っちゃってるし。
『で、我を移行させるのか?』
「うん。だってウィーネも嫌でしょ?私文句ばっか言うから。」
「ユーク、出ていったか?」
「見えてないだろうけど兄様も怖いし。」
それにローゼルクさんの血の直系は王家だし。ウィーネも向こうに行った方が良い待遇受けると思うし。
「どう?いいことじゃない?」
『…断る。』
は?今断るって言った?
「なんでよ!理由を教えて!」
『それは…お前が思い出したら言う。』
「やだ!じゃあ王子の方に行って!」
四六時中『思い出せ』って言われるのは嫌だし。
私は母様程おおらかじゃないし。
『強いて言うのなら……様子を見てみたいからだな。勿論我はお前の生活に関わらない。観察するだけだ。』
「それなら…ってなるかー!お風呂やトイレはどうすればいいの!」
『安心しろ、お前が良いと合図を出す時だけだ。まあ、合図を出さなければ勝手に見るがな。』
「むううう…わかった。」
納得は出来ないけど…でも何となく気になるんだよな。
これだけしつこく言われたら知りたくなるし。
『では契約完了だな。よろしく頼むぞ。』
「私がいいって言うまで無干渉でいてね!」
『ああ。』
そんなこんなで、謎のイケメン精霊王と契約しました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
332
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる