庶民的な転生公爵令嬢はふわふわ生きる

夜の恋バナ

少し探検して気付いたけど、所々に日本の旅館と共通するところが沢山ある。温泉の造り、料理の味付け、部屋や廊下など、日本と似ている。でもさー、たまーに旅館のロビーにある旅館の特別なお菓子？あれは流石になかった～。昔食べたもので美味しかったのは肉じゃがコロッケと豚饅頭だったな～。ああ、もう一回だけ食べたい…
っと、そろそろいいかな？
「ファール？入ってもいい？」
「は、はひ！どうぞ！」
間取りは私の部屋とおなじくらいだね～。でもなんだか自分が泊まる部屋よりも友達が泊まる部屋の方が特別に見える。
「いい香り～オレンジの匂い？」
「はい。精油をお皿に垂らしておくと夜は香りに包まれますよ。」
「この前に貰ったラベンダーの精油も使わせてもらってるよ！」
ファールは私の誕生日のプレゼントに毎年違った香りの精油をくれる。もう私、ファールの精油なしで寝られなくなりそー。
あ、そうだ！旅行の醍醐味の…
「恋バナしよ！」
「こいばな…？」
「あ、恋の話！自分の好きな人の事を話すの！」
でも私はファールの好きな人、知ってるからな～。惚気だけ聞くことになりそう。まあいっか。なんたって今日は女子会なのだから！
「好きな人…ですか？」
お、どんどん顔が真っ赤に染まっていく～。リンゴちゃんみたーい。
「うんうん。」
「優しくて、笑顔が素敵で、私が寂しい時にそばにいてくれて…それから、宝石のようにキラキラしてる人です！」
ほうほう、兄様もなかなかやるな…がっちりとファールの心を掴んでるヨ！じゃあ次に会ったときは結婚式ミュージック口ずさみながらアイアンクローしようかな～？
「ですが、私が隣に立っていいのか、不安になります…」
「なんで！？」
ファールは凄く頑張ってるじゃん！後輩令嬢たちからの憧れなんだよ！？
「大丈夫だよ！ファールは凄く頑張り屋さんだし、妖精さんみたいに可愛いし、物腰柔らかで…とにかくすっごく魅力的だよ！」
少なくとも私と兄様はそう思ってるよ！保証する！
「～～っ！あ、ありがとうございます。」
おっといけない、テンション上がり過ぎちゃった。ファールも眠いのか顔が赤いし、早く寝ないとね！
「もうそろそろ寝ようっか？」
「はい…そうですね。」
ふああ～、眠くなってきた…
「あの、ユーク様。一つだけ、お願いしてもいいですか？」
「んあ？どうしたの～？」
ううむ、目がショボショボしてきた…
「今日、ユーク様の隣で寝てもよろしいでしょうか…？」
隣で寝る…？じゃあパジャマパーティーだ！
「いいよ！一緒に寝よう！」
「あ、ありがとうございます！」
そんなこんなで、私の部屋で一緒に寝ることになりました。ふと思いついて、
「ファール、いつもありがとう。」
と言ってから寝た。返事がなかったから寝ちゃってたのかな？でもいつものお礼言えたから満足満足。今度は面と向かって言えるといいな～。お休みなさーい。