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悪役令嬢と悪女は違いますが?ナニか? 

19 その責任は何処にある?

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  そして現状に至る。


 処女に何てことしやがる。この鬼畜め・・・・ 


 そう文句を言いたいのを我慢したのは、弱みを握られたからに違いない。


 そう、惚れた弱みっていうじゃない?

 何回生まれ変わっても、どんな姿になっても自分を望んでくれる存在なんてそうそう居るもんじゃないわよね?


 今迄はずっと一人で何度も生きる事を繰り返していると思っていた。

 でも本当は一人じゃ無くて、いつも近くにいて自分を望んでくれる存在が居たんだ―― と。

 何だかちょっとだけ嬉しくなって。

 ちょっとだけ恥ずかしくなって。

 ちょっとだけ幸せだなあと感じて。

 カサブランカはニンマリ笑うと、執着王子フレデリックの横でもう一度眠る為に目を閉じたのだった。


××××××××××


 夜会から、一週間経った。

 隣国から国王陛下夫妻と、宰相、王太子夫妻、そしてカサブランカの両親である公爵夫妻や外交官達、騎士団長以下護衛達が次々と帰国した。


 「で? その例の聖女の頭は正常だったのか?」


 玉座に座るお髭の国王陛下は渋顔になりつつ、第2王子が纏め宰相の息子のノインが仕上げたという報告書を隣に座る王妃に手渡すが、王妃は報告書をそのまますぐ後ろに控えていた女官長に渡してしまう。わざわざ不快な気分になる為に文字で再確認する必要は無い、という意思表示だろう・・・


 「くだんの男爵令嬢は狂人ではありませんでした。また、フレデリック殿下の催眠術と王宮魔道士の鑑定により魅了系の魔法は使えないことが判明しております。それから聖女としての浄化や治癒の魔法は他の聖女と遜色無い程度に使えます。ただ、様々な知識に偏りがあり考え方もでした」


 ノインの眉根の間がメガネの向こうでやたらと狭くなるのが誰の目にも明らかになり、その隣のアレンが発言のために挙手をした。

 宰相閣下が彼の発言を促す。


 「今回の聖女プルメリアに関しては、騎士団と共に行動するのはいささか問題があるかと思われます。学園内での異性問題があまりにも常軌を逸しており騎士団の品位を著しく貶める事態に陥るのが必須と思わざるを得ません」


 騎士団の総括である王太子が今度は渋顔になり、騎士団長でありアレンの父であるジャージル侯爵に目を向ける。


 「騎士団の古参ジジイばかりで固めれば何とかなるかも知れませんが・・・」

 「そうだね。騎士団が付きと噂されると外聞が悪すぎるからね・・・ あ~、でも・・・」


 王太子が額に手を当て、ゲンナリとした表情で考え込むのを隣の王太子妃が心配そうに見つめている。


 宰相がノインの発言を更に促した。


 「彼女との交際が原因で婚約を解消した貴族子息達に関しても聞き取りが終わり、すべて報告書に纏めてあります。それと円満解消出来なかった貴族家からの申し立てが裁判所に貯まっているという報告がありました。そちらも全て記載済みです」


 そう言って、すべての資料が宰相から国王にて渡された。


 
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