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悪役令嬢と悪女は違いますが?ナニか?
20 一週間ナニしてた?
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「中々の悪女だのう。その男爵の娘は。これ程の数の貴族同士の契約を壊しておいて反省の色もないとは・・・」
国王陛下が呆れた顔をしながら資料を捲る。
「今後は国民全てに対して聖女という役割に対する認識を徹底して教育し直すしかないだろうな・・・」
「誘惑に負けた、股も頭も緩い貴族子息もおかしいのですわ。貴族そのものの教育も見直さなくてはいけません」
そう言って、扇の向こうで更に渋顔になり溜息をつく王妃。
「学園に通う男子生徒の半分程度は誘いに乗らず、彼女との間に距離を取っていた為、難を逃れております」
シレッと発言するノイン。
それ半分はダメダメって事だよね、とその場の全員が遠い目をしたのは言うまでもない。
「所で、フレデリックは一体何処に行ったのだ? 帰国してから一度だけ挨拶しに来たが、その後全く城で見かけんのだが・・・ ちと遅くなったが誕生祝いのパーティと、カサブランカ嬢との婚姻式両方の予定を決める頃だろう?」
国王の質問に、側近であるノインと護衛騎士であるアレンの表情が引き攣った。
×××××××××××
王城の中にある離宮の1つに王子宮と呼ばれる場所があり、デビュタント後の王子達の為の住居区である。
王太子は次代の王なので立太子後は王太子宮が与えられ、そちらが住居となるがその他の王子は独身のうちは王子宮で過ごすのが慣例である。
その一室、フレデリック王子の私室の奥の寝室に人が5、6人寝転がっても余裕がありそうな頑丈な寝台。
そのシーツの上で朝から一戦交え、ヘトヘトのカサブランカがベッドの住人になるのを今日こそ阻止するためフレデリックとの攻防戦を展開中である。
「もう~!あと10日で卒業式なんでしょ?! 部屋に閉じこもってる場合じゃないんじゃないの?」
ムッとした顔をしながらカサブランカの頬を両手で包むようにして、右手の親指で彼女の唇をつうっと撫でるフレデリック。
「あ~、メンドクセェ。卒業式なんかバックレようかな」
どうやら鉄面皮王子が、ぶっ壊れた模様である。
「無表情王子は何処に行ったのよ?!」
「あんなもん、フリだフリ。お前以外に御愛想振ったって仕方ねえだろ?」
「え~・・・ 子供の時から周りを騙してたの?」
「いんや、面倒だっただけ。俺ってやたら顔が整ったガキだったからさ、侍女とか貴族の娘とかがウザかったんで無表情と無口を貫いたら、あんまり寄って来なくなったかったからさ。楽だったんだよ」
そんな事を言いながら抱き締められたら、何だか子供時代に損をしてたんじゃないかと心配になるではないか。
「もっと早く私が思い出してたら無表情じゃなかったのかしら・・・」
ちょっとだけフレデリックは考えてから、
「いや。どうせお前以外に興味が無かっただろうから一緒だ。むしろお前の前だけでぶっ壊れてるとか陰口叩かれたんじゃね?」
ヘラヘラ笑いながら、婚約者の額にキスを落す美貌の王子様に、喜んだら良いのか納得すれば良いのかよく分からないカサブランカが目を白黒させる。
国王陛下が呆れた顔をしながら資料を捲る。
「今後は国民全てに対して聖女という役割に対する認識を徹底して教育し直すしかないだろうな・・・」
「誘惑に負けた、股も頭も緩い貴族子息もおかしいのですわ。貴族そのものの教育も見直さなくてはいけません」
そう言って、扇の向こうで更に渋顔になり溜息をつく王妃。
「学園に通う男子生徒の半分程度は誘いに乗らず、彼女との間に距離を取っていた為、難を逃れております」
シレッと発言するノイン。
それ半分はダメダメって事だよね、とその場の全員が遠い目をしたのは言うまでもない。
「所で、フレデリックは一体何処に行ったのだ? 帰国してから一度だけ挨拶しに来たが、その後全く城で見かけんのだが・・・ ちと遅くなったが誕生祝いのパーティと、カサブランカ嬢との婚姻式両方の予定を決める頃だろう?」
国王の質問に、側近であるノインと護衛騎士であるアレンの表情が引き攣った。
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王城の中にある離宮の1つに王子宮と呼ばれる場所があり、デビュタント後の王子達の為の住居区である。
王太子は次代の王なので立太子後は王太子宮が与えられ、そちらが住居となるがその他の王子は独身のうちは王子宮で過ごすのが慣例である。
その一室、フレデリック王子の私室の奥の寝室に人が5、6人寝転がっても余裕がありそうな頑丈な寝台。
そのシーツの上で朝から一戦交え、ヘトヘトのカサブランカがベッドの住人になるのを今日こそ阻止するためフレデリックとの攻防戦を展開中である。
「もう~!あと10日で卒業式なんでしょ?! 部屋に閉じこもってる場合じゃないんじゃないの?」
ムッとした顔をしながらカサブランカの頬を両手で包むようにして、右手の親指で彼女の唇をつうっと撫でるフレデリック。
「あ~、メンドクセェ。卒業式なんかバックレようかな」
どうやら鉄面皮王子が、ぶっ壊れた模様である。
「無表情王子は何処に行ったのよ?!」
「あんなもん、フリだフリ。お前以外に御愛想振ったって仕方ねえだろ?」
「え~・・・ 子供の時から周りを騙してたの?」
「いんや、面倒だっただけ。俺ってやたら顔が整ったガキだったからさ、侍女とか貴族の娘とかがウザかったんで無表情と無口を貫いたら、あんまり寄って来なくなったかったからさ。楽だったんだよ」
そんな事を言いながら抱き締められたら、何だか子供時代に損をしてたんじゃないかと心配になるではないか。
「もっと早く私が思い出してたら無表情じゃなかったのかしら・・・」
ちょっとだけフレデリックは考えてから、
「いや。どうせお前以外に興味が無かっただろうから一緒だ。むしろお前の前だけでぶっ壊れてるとか陰口叩かれたんじゃね?」
ヘラヘラ笑いながら、婚約者の額にキスを落す美貌の王子様に、喜んだら良いのか納得すれば良いのかよく分からないカサブランカが目を白黒させる。
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