8 / 26
地獄の剣武会(開催前 奴隷への贖罪)
しおりを挟む
僕は奴隷たちを館に連れ帰った。
あんな所に閉じ込められいて更に馬車に乗ったのだ。
疲れているはずだ。
だからとりあえず一人一人に部屋を与えて休ませた。
侍従やメイドには変な顔をされたが僕がマリアを失い沈んでいる事を知っているからか特に何も言われなかった。
僕はコックを呼び出すと来客用の食事を彼女の人数分用意するよう頼んだ。
兄は相変わらず塞ぎこんで部屋から出てこないので丁度良い。
食事が出来たのでメイド達に彼女達をここに連れてくるように指示を出した。
そして彼女達以外、人払いをした。
「まず、食事をしようか?」
だが、彼女たちは座りもしなかった。
「とりあえず座ってよ」
ここまで話してようやく座ってくれた。
「さぁ、食事にしよう」
「あの、この食事は誰の物なのでしょうか?私たちの食事が見当たらないのですが?」
1人の少女が床を見てた。
「目の前にあるのが君たちの食事だよ」
「これを食べたら後でお叱りを受けるのでは無いですか?」
「いいから、目の前の食事は君たちのだ、何も言わずに平らげる事」
ようやく彼女達は手を付け始めた。
だが、彼女達は食事中に少し落ち着いたのポツリポツリと話し始めた。
「このスープとってもあったかい」
「あそこから出て来れるなんて思わなかった」
「こんな暖かい食事が死ぬ前に食べれるなんて思わなかったな」
「どうして、こんな優しくしてくれるのかな、、どうして」
聞いていて心が痛かった。
彼女たちは悪人じゃない。
元は解らないが、マリアと同じように辛い思いをした人達だ。
弱い立場で犠牲になった人達。
僕が本来利用して良い人達じゃない。
お金で買ったなんて思わない。
だけど、彼女達の協力がどうしても復讐に必要なんだ。
だから、僕は謝った。
彼女たちは意味も解らずこちらを見つめていた。
次に、僕はマリアや僕に何があったのか包み隠さず話した。
それが、辛い人生を歩んだ彼女達にお願いする礼儀だと思ったから。
僕が話し終わるころ一人の少女がぽつんと漏らした。
「セレナ様辛いんだね。でもね私はマリア様が羨ましいよ」
僕は怒鳴る様に答えてしまった。
「何がが羨ましいんだマリアはマリアはな「セレス様がいるから」」
言わせて貰えなかった。
「私達には誰もいないんだもの。どれ程悲惨な思いに遭っても怒ってくれる人は居なかった。多分これから死んでもただ終わるだけ、だれも悲しんでくれない。最初は体を売らされ娼婦になり、性処理奴隷として売られた、そして最後は廃棄奴隷、、ゴミ扱い、人生で一度も恋もしなかったし、誰からも愛されたりしなかった、、だからさぁ怒ってくれて復讐してくれるセレス様が居るマリア様が羨ましいんだよ」
「そうか」
僕は何も言えなくなってしまった。少なくとも僕やマリアには幸せな人生があった。糞勇者に壊されるまでは、、、だが彼女達にはそれすら無かったのだから。
「優しいねご主人様は」
「僕は優しくない、又君たちを地獄に送るのだから」
「優しくない人は泣かないよ」
「そんなこと無い」
「でもさぁ抱く事も出来ない女にこんな高級なドレスをくれてあんな豪華な食事をくれた人なんて居ないよ」
僕は涙が止まらなくなった。
「もう泣かないで良いよ」
「私達で良いなら自由にして良いよ」
沢山慰められるた。彼女たちはもうじき死んでしまうのに、僕なんか比べ物にならない地獄を味わってきたのに。
僕泣きやむと彼女達に約束した。
「貴方達の貴重な時間を3日間だけ僕に下さい。多分それは地獄の時間だと思う。だけど、それが過ぎたら残りの人生は貴方達が楽しく生きれるように、笑って生きれるようにする。だから、だから」
「それ以上言わなくて良いよ、、何を言っているんだいもう買っちゃって身も心もご主人様の物だろう」
「ねぁそれってプロポーズみたい、まぁ違うのは解っているんだけどね」
「私ってさぁ病気になる前は娼館のナンバー2だったんだから、男に抱かれる位なんでもないよ」
「そうそう、そこのナンバー1は私だけどね」
「泣きながら言うからさぁ、すぐに死ぬような事だと思ったよ。でもね、女としてそれでも良いかなって思っちゃった。嫌いな男に抱かれる位何ともないよ。3日間位問題ないさ」
「そうそう、ここにいるのは皆んな元は商売女なんだ。気にしないの」
彼女たちは健気に笑う。僕は余計に涙が止まらなくなった。
「辛気臭いのはもう終わり、、、でご主人様は私達に何を望むの」
「泣き虫なご主人様、泣いてないでお姉さんにいってごらん、何でもしてあげるからさ」
僕は計画の総てを話した。彼女たちは静かに聞いてくれた。そして手を貸してくれる事を約束してくれた。
最近、僕は神という者が解らなくなった。何故、天上勇気が勇者なのか、何故あんな性格の悪い者が王女なのか?少なくともマリアやここにいる彼女たちの方が優しく心は綺麗だ。「良い事をしていれば幸せになれる」そんなの総てて嘘だ。これが終わったら彼女達だけは幸せな余生が送れるように、死ぬ時まで何があっても面倒を見る。そう固く誓った。
あんな所に閉じ込められいて更に馬車に乗ったのだ。
疲れているはずだ。
だからとりあえず一人一人に部屋を与えて休ませた。
侍従やメイドには変な顔をされたが僕がマリアを失い沈んでいる事を知っているからか特に何も言われなかった。
僕はコックを呼び出すと来客用の食事を彼女の人数分用意するよう頼んだ。
兄は相変わらず塞ぎこんで部屋から出てこないので丁度良い。
食事が出来たのでメイド達に彼女達をここに連れてくるように指示を出した。
そして彼女達以外、人払いをした。
「まず、食事をしようか?」
だが、彼女たちは座りもしなかった。
「とりあえず座ってよ」
ここまで話してようやく座ってくれた。
「さぁ、食事にしよう」
「あの、この食事は誰の物なのでしょうか?私たちの食事が見当たらないのですが?」
1人の少女が床を見てた。
「目の前にあるのが君たちの食事だよ」
「これを食べたら後でお叱りを受けるのでは無いですか?」
「いいから、目の前の食事は君たちのだ、何も言わずに平らげる事」
ようやく彼女達は手を付け始めた。
だが、彼女達は食事中に少し落ち着いたのポツリポツリと話し始めた。
「このスープとってもあったかい」
「あそこから出て来れるなんて思わなかった」
「こんな暖かい食事が死ぬ前に食べれるなんて思わなかったな」
「どうして、こんな優しくしてくれるのかな、、どうして」
聞いていて心が痛かった。
彼女たちは悪人じゃない。
元は解らないが、マリアと同じように辛い思いをした人達だ。
弱い立場で犠牲になった人達。
僕が本来利用して良い人達じゃない。
お金で買ったなんて思わない。
だけど、彼女達の協力がどうしても復讐に必要なんだ。
だから、僕は謝った。
彼女たちは意味も解らずこちらを見つめていた。
次に、僕はマリアや僕に何があったのか包み隠さず話した。
それが、辛い人生を歩んだ彼女達にお願いする礼儀だと思ったから。
僕が話し終わるころ一人の少女がぽつんと漏らした。
「セレナ様辛いんだね。でもね私はマリア様が羨ましいよ」
僕は怒鳴る様に答えてしまった。
「何がが羨ましいんだマリアはマリアはな「セレス様がいるから」」
言わせて貰えなかった。
「私達には誰もいないんだもの。どれ程悲惨な思いに遭っても怒ってくれる人は居なかった。多分これから死んでもただ終わるだけ、だれも悲しんでくれない。最初は体を売らされ娼婦になり、性処理奴隷として売られた、そして最後は廃棄奴隷、、ゴミ扱い、人生で一度も恋もしなかったし、誰からも愛されたりしなかった、、だからさぁ怒ってくれて復讐してくれるセレス様が居るマリア様が羨ましいんだよ」
「そうか」
僕は何も言えなくなってしまった。少なくとも僕やマリアには幸せな人生があった。糞勇者に壊されるまでは、、、だが彼女達にはそれすら無かったのだから。
「優しいねご主人様は」
「僕は優しくない、又君たちを地獄に送るのだから」
「優しくない人は泣かないよ」
「そんなこと無い」
「でもさぁ抱く事も出来ない女にこんな高級なドレスをくれてあんな豪華な食事をくれた人なんて居ないよ」
僕は涙が止まらなくなった。
「もう泣かないで良いよ」
「私達で良いなら自由にして良いよ」
沢山慰められるた。彼女たちはもうじき死んでしまうのに、僕なんか比べ物にならない地獄を味わってきたのに。
僕泣きやむと彼女達に約束した。
「貴方達の貴重な時間を3日間だけ僕に下さい。多分それは地獄の時間だと思う。だけど、それが過ぎたら残りの人生は貴方達が楽しく生きれるように、笑って生きれるようにする。だから、だから」
「それ以上言わなくて良いよ、、何を言っているんだいもう買っちゃって身も心もご主人様の物だろう」
「ねぁそれってプロポーズみたい、まぁ違うのは解っているんだけどね」
「私ってさぁ病気になる前は娼館のナンバー2だったんだから、男に抱かれる位なんでもないよ」
「そうそう、そこのナンバー1は私だけどね」
「泣きながら言うからさぁ、すぐに死ぬような事だと思ったよ。でもね、女としてそれでも良いかなって思っちゃった。嫌いな男に抱かれる位何ともないよ。3日間位問題ないさ」
「そうそう、ここにいるのは皆んな元は商売女なんだ。気にしないの」
彼女たちは健気に笑う。僕は余計に涙が止まらなくなった。
「辛気臭いのはもう終わり、、、でご主人様は私達に何を望むの」
「泣き虫なご主人様、泣いてないでお姉さんにいってごらん、何でもしてあげるからさ」
僕は計画の総てを話した。彼女たちは静かに聞いてくれた。そして手を貸してくれる事を約束してくれた。
最近、僕は神という者が解らなくなった。何故、天上勇気が勇者なのか、何故あんな性格の悪い者が王女なのか?少なくともマリアやここにいる彼女たちの方が優しく心は綺麗だ。「良い事をしていれば幸せになれる」そんなの総てて嘘だ。これが終わったら彼女達だけは幸せな余生が送れるように、死ぬ時まで何があっても面倒を見る。そう固く誓った。
17
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる