奴隷譲渡!? 勇者パーティを追放される俺は文句を言わない代わりに、勇者が父親の遺産で貰った女奴隷を貰う事にしました。

石のやっさん

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第38話 魔王軍SIDE ハニートラップ

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「それでフレイアどうするの?」

ヘルムが私に聞いて来たわ。

「本当にアリア様は面倒くさい事は全部、こちらに押し付けて来るわね……殺し専門の私達に殺さずに勇者達をどうにかしろなんて、本当に面倒くさいわ」

「そうね、人を切断するのは得意だけど、それ以外は苦手だものね」

「大体、私達は殺戮専門なのよ! それなのにどうしろって言うのよ……」

ヘルムとオルトはまぁこう言うのは解っているわ。

「殺しちゃいけないなら……色仕掛けしかないかしらね?」

「ラウム……色仕掛け?」

「そうよ、フレイヤ! 殺戮部隊とか言われて数百年忘れちゃったかも知れないけど、私達は堕天使なのよ……本気で落とす気になれば『魅了』が使えるわ……アリア様は女性の姿を好むから私達も女性の姿をとっているけど、両性具有だから、自分の意思で男にも女にもなれるのよ? 忘れちゃったの?」

「ラウム、そう言えばそうだけど? それでどうするの?」

「フレイヤもリーダーなのに相変わらずの脳筋ね! 殺せないんだから絡め手を使えば良いのよ」

私以外の二人もキョトンとしながらラウムを見つめている。

一体、ラウムは何を考えているのかしら?

「脳筋? まぁ私はそういう部分があるのは認めるわ。それでどうするの? 何も策が無い訳じゃないんでしょう?」

「そうね! 簡単に言うなら『魅了』を使って骨抜きにして聖剣を含む聖なる武器を隙を狙って全部奪っちゃうのよ!」

「奪っても私達じゃ使えないよ? 堕天しているんだから」

「ヘルム……使えないけど、元天使だから聖なる武器を持つことはできるわ! そのまま飛んでいって近くの火山に捨てちゃえば良いのよ! 人間じゃどう頑張ってもマグマの中には入れないわ」

「そうね……聖剣と聖なる武器が無くなったら、勇者ライト達も旅を諦めるわね……うん、その作戦凄くいいわ」

「フレイヤ、あなたは甘いわ! それで作戦はほぼ成功だけど……更にこの作戦のミソは『魅了』よ! この際、しっかりと虜にしてメロメロにするのよ! あとは、そのまま消えてしまえば良いわ」


「え~と……それでどうなるのよ?」

「ハァ~魔王軍に入ったから、すっかり昔の事を忘れちゃったのね。いかに勇者パーティでも天使クラスの魅了をとくのは難しい筈よ! その状態で私達がいなくなれば、それこそ討伐すら忘れて私達を探す筈だわ」

「出会っちゃったらどうするの?」

「馬鹿ね、姿を変えて近づいて、離れたらすぐに元の姿に戻れば良いじゃない?」

「あっ……」

「成程、勇者パーティは聖なる武器を失った挙句、居ない相手を恋焦がれ探し回るわけね」

「さすが、オルト。その通りよ!」

「それじゃ、それでいきますか?」

ヘルムたち三人は首を縦に振った。

◆◆◆

「そろそろ、勇者パーティが居る街が近づいてきたわ」

「人間に見つかると不味いわ」

「それじゃ、この辺りで下に降りますか」

「そうね」

4人で下に降り準備に入ります。

「それで、誰が誰を相手するわけ」

「はい、はーい!剣聖のリメルは私が相手するわ。 メタモルフォーゼ!」

ヘルムの姿が光に包まれ、線の細い金髪の王子様風の美少年に変わった。

「こんな物かな?」

魔王軍の情報網からすると、剣聖リメルは王子様タイプが好きなようだからこれで良いわね。

「それじゃ、私は聖女マリアンヌが良いのかな? そうーれ。メタモルフォーゼ……こんな物かな?」

オルトの姿が銀髪の綺麗な男性に変わった。

これは……昔の勇者の姿じゃない。

だれだっけ……確か『銀嶺』とか呼ばれていたような気がする。

「フレイヤどうかな?」

「良いんじゃない?」

「それなら、私は賢者リリアね……メタモルフォーゼ……こんな物かしら?」

赤髪の頼りになりそうな美青年の姿に変わった。

この姿は数百年前の『赤髪の獅子』と言われた勇敢な騎士の姿だ。

「ちょっと待って……もしかして私は勇者ライトの相手しないといけないの?」

「「「うん」」」

なんか嫌だな。

「クソっ! だから、皆さっさと相手を決めて変身したのね……仕方が無いわね……美少女と言えば若き日のエルダお婆さんだけど、バレるかも知れないわね……仕方ないわ……メタモルフォーゼと」

エルダお婆さんまでいかないが、昔いたという銀髪の薄幸の姫エリザベルダ姫の姿に変わった。

「これならいけるわよね」

「「「うん」」」

本当なら、此処までする必要はないけど……なんだかんだ言っても私達は『面白い事が好き』

殺戮が出来ないなら、これはこれで楽しませて貰おうかしらね。

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