【石のやっさん旧作】勇者に寝取られた幼馴染が銅貨3枚で売られていた。

石のやっさん

文字の大きさ
11 / 28

洗体

しおりを挟む
「あの…割り増し料金貰っていいですか?」

ようやく来てくれた冒険者ギルドの透き通った洗体師のお姉さんの最初の一言がこれだった。

「ちゃんとした理由があるなら構いません」

「いや…汚すぎるでしょう…」

確かに、言われて見ればそうだ。

俺が出来るだけ頑張ったとはいえ、依然として体には汚物がこびり付いていて、虫もついている。

誰が見ても、ホームレスの方がまだ綺麗…そう言うだろう。

よく見たら、俺もリリとしていたから、かなり汚く臭いが移っている。

本来の洗体の料金は通常のオークで銀貨3枚。

だが、リリは汚すぎるから…銀貨4枚は欲しいらしい。

「それじゃ、俺も一緒に洗って貰って銀貨6枚でどうだ?」

「まぁあんたは小さいし、簡単に終わりそうだから、それで手を打つよ」

早速作業に掛かって貰う。

リリが包まっている毛布を剥がし..奴隷紋を使い、制止させた。

リリは顔が真っ青で何か抗議の目でこちらを見ている。

心がチクチクと痛むが無視した。

散々、酷い目にあったからか、体は震えていた。

「へぇ~、貴方が、あれ買ったんだ…まさか買う人間がいるなんて思わなくて壺屋の親父驚いていたよ」

「知っているんですか?」

「知っているも何も、まぁ悪く思わないでくれよ、『豚聖女』って名前で彼女は有名人だぜ、此の世界で一番汚ない女って…知らない魔族を探す方が難しい」

確かに魔族にとっては天敵の勇者パーティの聖女…そして、その後の事を考えたら、当たり前の事だ。

「確かに…だが今は俺の者だから余り悪く言わないで欲しい」

「そりゃ、そうだ…それじゃこれから綺麗にしていくから…私に掛かればどんな、奴でもピカピカだ…」

彼女の体が急に溶けだした。

「スライム?」

「そう、私はクィーンスライム…だから包み込んで、汚物を溶かすのはお茶の子さいさいさぁ…しかし、流石に汚いねー」

リリは、奴隷紋で動けないが、目からは涙を流していた。

何をしているのか解かるから俺は何とも思わないが…知らない状況でみたら、スライムに捕食されている様にしか見えない。

「ぐぼっぼぼぼぼっううぇぇぇlごぼっ」

うん、溺れている様に見えるな…

そんな状態で15分…

「うげぇぇぇーーごばぁ~ごぼっ..ハァハァ~」

スライムの彼女から出して貰ったリリが鼻から口から粘着質の物を吐き出していた。

「さぁ、終わったよ、体中に入り込んで全部汚物をとったから、綺麗になったよ…口の中も股の中も肛門の中も全部ね..ついでにあそこの毛も腋毛も鼻毛も適当な長さに溶かして置いたから、随分、見栄えも良くなっただろう」

確かに言うだけあって、肌の艶は昔のリリだ、臭いを嗅いでも、もう生臭い汚物の香りはしない。

ただ、股からは膿が出ていて、肛門からは液体が流れているが…

膿は病気だし…肛門は開きっぱなしだから仕方がない。

「しかし、綺麗になると服が必要だな」

「それなら、お金くれるなら、女にとって必要な物、買ってこようか?手間賃は銀貨1枚で良いや…どう?」

しかし、リリはかなり汚かったんだな…スライムの彼女がまるでドブみたいに濁っている。

「それじゃ、お願いしようかな? それでそれ大丈夫なんですか?」

「スライムは悪食だからね…だけど、食べれると美味しいは違うから…これは流石に吐き気がする程気持ちが悪い…それじゃ、今度はあんただ…」

「あっごぼごぼっぐえぇぇぇぇぇーーー」

体中にスライムが入って来る感覚に襲われる…ううっ、こんな事なら先にしておくべきだった。

リリの汚物も一緒に口や鼻や目から入ってくるから…気持ち悪い。

俺の方は3分も掛からずに終わった。

「ぐえぇぇぇぇーーっ」
あれ、本当に気分が良い…体臭も全くしない。

「凄いな、お風呂に入った時以上に快適だ」

「そりゃ、そうだよ、これでもプロだからね…それじゃ後は買い物だね? 何が必要かな?」

「洋服と下着、あとは女性に必要な物をお任せでお願いしたい」

「解かった、それじゃ採寸してから行ってくる」

買い物から帰ってきた彼女に少し色をつけて金貨1枚払うと彼女はホクホク顔だった。

「そういえば遅ればせながら、私はスラミーっ…指名依頼宜しくね」

笑顔で手を振りながら帰っていった。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

処理中です...