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元婚約者様は何も発言されません。
いえ、出来ないというのが、正解ですね。
仕方がないので、私は裁判長様にお聞きすることにしました。

「裁判長様、私の罪状をもう一度お願いできますでしょうか?」

裁判長様は少し躊躇われた後、

「罪状は、第5王子の暗殺未遂と、ウイング男爵令嬢を虐め怪我を負わせたとのことになります。」

裁判長様…そんなに震えなくても、貴方は何も罪を犯されていないのですから、私は何もしませんよ。

なお、この罪状ですが、私は関与しておりません。
なら何故裁判の最初に否定しなかったのか?ってなりますが、最初に否定してしまうと、宰相様、騎士団長様、そして国王陛下を罪に問う機会を失ってしまう可能性が高かったからです。

元婚約者様を追い詰めるために、この罪状は最後まで取っておく必要がありました。
もう逃げれないようにしてから使うために…。
味方をほぼゼロにしてから、突き落とさないと行けませんからね…この男は…。

「では、まず裁判長様その2つの罪に関して私は婚約破棄も国外追放もどちらも受け入れたいと思っていたので、受け入れておりましたが、ここで否定させていただきます。ウイング男爵令嬢の虐めとはなんでしょうか?ウイング男爵令嬢は確か元婚約者様の新しい良き人でしたよね?まさか私が嫉妬から虐めたと?ふふふふっ。笑わさないでください。このバカでしたらいつでもお渡ししますわ。逆に、貰っていただいてありがとうございますとお礼を言いたいぐらいですもの。ウイング男爵令嬢に私が何かしていたという証拠でもあるのでしょうか?まぁあったとしても全て曖昧なでっち上げでしょうけど。こんなこともあろうかと私には、第三者いえ第三国から影をつけております。そちらの記録を後程提出させていただきますので、虐めについての有無はそちらの記録にて確認できるかと。第5王子の暗殺未遂についても、第三国の影からの報告がそろそろ上がってくると思いますので、そちらをご覧下さい。」

私は、国外追放されるのは大歓迎でしたが、処刑は避けたかったので第三国に頼み影をつけてもらっておりました。
この国は信用できませんからね。
なんと言っても上が腐ってますからね。
私の影からの報告はまだ上がってきていないようなので、私は引き続き元婚約者様を潰そうと思います。
あら、潰すなんてはしたない言葉使ってしまいましたわ。
まぁいいでしょう。
こう見えて私も混乱しているはずなので…。

「元婚約者様、貴方に物言いをしたい方は、貴方が弄ばれた女性たちだけではないのですよ?勿論お分かりですよね?」
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