6 / 8
6
しおりを挟む
「避妊しなくて大丈夫なのかな?」
僕は訊いてみた。不安を少しでも解消するために。
「大丈夫よ。妊娠しないと思うから」
「どうしてわかるの?」
「私、妊娠したことなにの。一度も。どんなハードなセックスをしてもね。たぶん、妊娠しづらい体質なんだと思う」
「・・・」
「私ね、子供好きなの。自分の子供もほしいと思うくらいにね。この子供がほしいって思いもセックス依存症の原因のひとつなんじゃないかって私は思ってるの。子供がほしいからセックスしたくなる。そう私は思ってるの」
「その可能性はあるかもね」
「でしょ。だから子供ができればセックス依存症も治るんじゃないかなって思ってる。まあ、妊娠したことないからわからないけどね」
母さんはどうだったんだろうか?母さんもセックス依存症だったと言った。でも父さんのおかげでセックス依存症が治ったと言った。その治った理由は妊娠したからではないか?
「母さんはどうだったんだろう?」
「私も気になってる。だから今度聞いてみようかなと思ってる」
「うん。それがいいと思う。僕も知りたいし」
「タクマがママさんのセックス依存症を治したかもしれないから?」
「まあね」
僕は斎藤家の長男だ。だから母のセックス依存症が治った原因が妊娠だったとしたら僕が母のセックス依存症を治したことになる。
「タクマがママさんのセックス依存症を治したのが事実だったらいいな」
ドアが開く。母が顔を出す。
「事実よ。私のセックス依存症は琢磨のおかげで治ったの」
母は言う。
「本当ですか?」
アリスが上体を起こして、母を見る。
「本当よ」
「妊娠を期に私のセックス依存症は治ったの。もちろんセックスをしたい気持ちがゼロになったわけではないわ。人並みにセックスしたい気持ちは残った。でも、一日に何回もセックスしたい気持ちはゼロになったわ」
「タクマ。聞いた。やっぱりタクマのおかげでセックス依存症が治ったんだって」
「うん」
「私もなかなか妊娠しない体質だったから琢磨を妊娠したときはすごく嬉しかったわ」
「私も妊娠できるでしょうか?」
「できると思うわ。私ができたんだからアリスちゃんもきっとできる。できると信じていればきっとできるわ」
「はい」
アリスは嬉しそうにうなずく。その目が希望に満ちている。
僕はマリッジブルーみたいな気持ちになっていた。もしアリスが僕の子供を妊娠したら世間はどう思うのだろうか?生まれてきた子供を僕はちゃんと育てられるのだろうか?友達に軽蔑されるのだろうか?そんなネガティブな考えが次々と浮かんで、僕の心を重くした。
「琢磨。不安?」
「うん」
「じゃあ、アリスちゃんの治療相手やめる?やめてもいいのよ。私は琢磨の気持ちを尊重するから。やめても非難しない」
アリスは不安そうな目で僕を見ている。
「やめないよ。僕はアリスの役に立ちたいと思ってる。アリスの悩みを解決してあげたいと思ってる。だからやめない」
「うん。じゃあ、頑張りなさい」
「うん」
「ところで母さん」
「何?」
「僕たちの話聞いてたの?部屋の外で」
「うん。2人がどんなセックスをするのか気になってね」
母は悪びれる様子もなく言った。
母親のセリフとは思えない。
「そういうこと、やめてくれるかな」
「わかったわよ。やめてあげる。2人で存分に楽しみなさい。孫の顔が見られる日を楽しみにしてるからね」
そう言って、母は出ていった。
「本当に素敵なママさんね。私のママも琢磨のママさんみたいだったらよかったのに。私のママは本当に自分のことしか考えてない人だったから・・・だからタクマが羨ましい」
「母さんはもうアリスにとって義理の母親みたいなものじゃないかな?」
「そうなの?」
「だってアリスと僕は結婚を前提にお付き合いしてるようなものでしょ」
「うん」
「結婚を前提にお付き合いしてるんだったらアリスは斎藤家の一員だと思うんだ。だから僕の母さんはアリスにとって義理の母親ってことになると思うんだ」
「この国ではそうなの」
「正確には婚姻届ってものを出さないと家族の一員と世間には認められない。でも僕は世間なんて関係ないと思うんだ。その家族が結婚相手のことを家族と認めれば家族の一員になれると思うんだ」
「タクマは私を家族の一員と認めてくれるの」
「もちろんだよ。きっと母さんも認めてくれると思う。父さんもね」
「嬉しい。私、斎藤家の一員なんだね。嬉しいよ。タクマ」
アリスは抱きついてきた。
アリスは裸なので生の乳房の柔らかさを感じる。
「ありがとう。タクマ。タクマのおかげで素敵なママができた。本当にありがとう」
アリスは抱きついたまま言った。
「うん」
「私、頑張る。頑張ってママさんのような母親になる。だから私の治療を手伝ってくれると嬉しい。タクマなら私の依存症を治してくれる気がするの」
「できるかぎり協力するよ」
「ありがとう。キスしていい?感謝のキスをしたいの」
「いいよ」
アリスはキスをしてきた。
僕のファーストキスだった。16歳でファーストキスをしたことがある男子高校はたくさんいると思う。でも16歳で異世界の美少女とファーストキスをしたことがある男子高校生は少ないのではないか。さらにその異世界の美少女と結婚を前提のお付き合いをしたり、セックス依存症の治療の協力をしたりする男子高校生はほとんどいないのではないか。
そう考えると僕はすごく恵まれていると思った。
16歳まで『年齢=彼女いない歴』の僕が、こんな美少女と結婚を前提に付き合うことができて、しかも幾らでもセックスすることができるのだ。どう考えても恵まれている。一生分の運を使い果たしたような恵まれ方のように思える。
「アリス。僕はキミのことを大切にする。だからずっと僕のそばに居てほしい。居てくれるかな?」
「うん。居る。ずっとタクマのそばに。恋愛のことはわからない。でもタクマと一緒に居れば恋愛のこともわかる気がする。人を愛することもわかる気がする。だからタクマのそばに居させて」
「うん」
「ありがとう」
アリスは再びキスをしてきた。
「ねえ、タクマ。セックスしよ」
アリスは熱を帯びた目で僕を見つめながら言う。
「うん」
僕はうなずいた。
僕は訊いてみた。不安を少しでも解消するために。
「大丈夫よ。妊娠しないと思うから」
「どうしてわかるの?」
「私、妊娠したことなにの。一度も。どんなハードなセックスをしてもね。たぶん、妊娠しづらい体質なんだと思う」
「・・・」
「私ね、子供好きなの。自分の子供もほしいと思うくらいにね。この子供がほしいって思いもセックス依存症の原因のひとつなんじゃないかって私は思ってるの。子供がほしいからセックスしたくなる。そう私は思ってるの」
「その可能性はあるかもね」
「でしょ。だから子供ができればセックス依存症も治るんじゃないかなって思ってる。まあ、妊娠したことないからわからないけどね」
母さんはどうだったんだろうか?母さんもセックス依存症だったと言った。でも父さんのおかげでセックス依存症が治ったと言った。その治った理由は妊娠したからではないか?
「母さんはどうだったんだろう?」
「私も気になってる。だから今度聞いてみようかなと思ってる」
「うん。それがいいと思う。僕も知りたいし」
「タクマがママさんのセックス依存症を治したかもしれないから?」
「まあね」
僕は斎藤家の長男だ。だから母のセックス依存症が治った原因が妊娠だったとしたら僕が母のセックス依存症を治したことになる。
「タクマがママさんのセックス依存症を治したのが事実だったらいいな」
ドアが開く。母が顔を出す。
「事実よ。私のセックス依存症は琢磨のおかげで治ったの」
母は言う。
「本当ですか?」
アリスが上体を起こして、母を見る。
「本当よ」
「妊娠を期に私のセックス依存症は治ったの。もちろんセックスをしたい気持ちがゼロになったわけではないわ。人並みにセックスしたい気持ちは残った。でも、一日に何回もセックスしたい気持ちはゼロになったわ」
「タクマ。聞いた。やっぱりタクマのおかげでセックス依存症が治ったんだって」
「うん」
「私もなかなか妊娠しない体質だったから琢磨を妊娠したときはすごく嬉しかったわ」
「私も妊娠できるでしょうか?」
「できると思うわ。私ができたんだからアリスちゃんもきっとできる。できると信じていればきっとできるわ」
「はい」
アリスは嬉しそうにうなずく。その目が希望に満ちている。
僕はマリッジブルーみたいな気持ちになっていた。もしアリスが僕の子供を妊娠したら世間はどう思うのだろうか?生まれてきた子供を僕はちゃんと育てられるのだろうか?友達に軽蔑されるのだろうか?そんなネガティブな考えが次々と浮かんで、僕の心を重くした。
「琢磨。不安?」
「うん」
「じゃあ、アリスちゃんの治療相手やめる?やめてもいいのよ。私は琢磨の気持ちを尊重するから。やめても非難しない」
アリスは不安そうな目で僕を見ている。
「やめないよ。僕はアリスの役に立ちたいと思ってる。アリスの悩みを解決してあげたいと思ってる。だからやめない」
「うん。じゃあ、頑張りなさい」
「うん」
「ところで母さん」
「何?」
「僕たちの話聞いてたの?部屋の外で」
「うん。2人がどんなセックスをするのか気になってね」
母は悪びれる様子もなく言った。
母親のセリフとは思えない。
「そういうこと、やめてくれるかな」
「わかったわよ。やめてあげる。2人で存分に楽しみなさい。孫の顔が見られる日を楽しみにしてるからね」
そう言って、母は出ていった。
「本当に素敵なママさんね。私のママも琢磨のママさんみたいだったらよかったのに。私のママは本当に自分のことしか考えてない人だったから・・・だからタクマが羨ましい」
「母さんはもうアリスにとって義理の母親みたいなものじゃないかな?」
「そうなの?」
「だってアリスと僕は結婚を前提にお付き合いしてるようなものでしょ」
「うん」
「結婚を前提にお付き合いしてるんだったらアリスは斎藤家の一員だと思うんだ。だから僕の母さんはアリスにとって義理の母親ってことになると思うんだ」
「この国ではそうなの」
「正確には婚姻届ってものを出さないと家族の一員と世間には認められない。でも僕は世間なんて関係ないと思うんだ。その家族が結婚相手のことを家族と認めれば家族の一員になれると思うんだ」
「タクマは私を家族の一員と認めてくれるの」
「もちろんだよ。きっと母さんも認めてくれると思う。父さんもね」
「嬉しい。私、斎藤家の一員なんだね。嬉しいよ。タクマ」
アリスは抱きついてきた。
アリスは裸なので生の乳房の柔らかさを感じる。
「ありがとう。タクマ。タクマのおかげで素敵なママができた。本当にありがとう」
アリスは抱きついたまま言った。
「うん」
「私、頑張る。頑張ってママさんのような母親になる。だから私の治療を手伝ってくれると嬉しい。タクマなら私の依存症を治してくれる気がするの」
「できるかぎり協力するよ」
「ありがとう。キスしていい?感謝のキスをしたいの」
「いいよ」
アリスはキスをしてきた。
僕のファーストキスだった。16歳でファーストキスをしたことがある男子高校はたくさんいると思う。でも16歳で異世界の美少女とファーストキスをしたことがある男子高校生は少ないのではないか。さらにその異世界の美少女と結婚を前提のお付き合いをしたり、セックス依存症の治療の協力をしたりする男子高校生はほとんどいないのではないか。
そう考えると僕はすごく恵まれていると思った。
16歳まで『年齢=彼女いない歴』の僕が、こんな美少女と結婚を前提に付き合うことができて、しかも幾らでもセックスすることができるのだ。どう考えても恵まれている。一生分の運を使い果たしたような恵まれ方のように思える。
「アリス。僕はキミのことを大切にする。だからずっと僕のそばに居てほしい。居てくれるかな?」
「うん。居る。ずっとタクマのそばに。恋愛のことはわからない。でもタクマと一緒に居れば恋愛のこともわかる気がする。人を愛することもわかる気がする。だからタクマのそばに居させて」
「うん」
「ありがとう」
アリスは再びキスをしてきた。
「ねえ、タクマ。セックスしよ」
アリスは熱を帯びた目で僕を見つめながら言う。
「うん」
僕はうなずいた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる