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PockET - ポケット

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#02「覚悟」

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言い表せない程真っ黒な「自分の影」に飲み込まれそうになったときだった。
ドォォォォンッ
千歳「影が、撃たれた!?」
???「リコイル!!!」
グニュゥッ
千歳「!?」
何故か、僕の頭の中は兄のことでいっぱいになっていた。
千歳「頭が...苦しい...」

パッ
千歳「!?....?」急に苦しさから解放されたように楽になった。
周りを見渡すと、1人、ベージュのロングコートを着た見覚えのある女が居た。
その女は次の瞬間、僕のもとに必死で走ってきた。
???「生きてる!?!?」
千歳「...はい」
???「あんた...今影因体になるとこだったよ?」
千歳「...え?」
???「自分の影に呑まれそうになったでしょ」
千歳「それなら今頃僕死んでます」
???「私が助けてやったの!!!」

帰り道、僕はその女と歩いていた。
千歳「あの...お名前は?」
???「ん?あー、千景。遠野 千景っていうよ。そっちこそ名前は」
千歳「霧島 千歳っていいます」
千景(霧島...ねぇ...。)
千景「...もしかして、千被り?」
千歳「そうですね、なんか悪かったですか?」
千景「いや、別に」「そんなことより、あんたどっかで見たことあんだけど、震災の時の静中の子じゃない?」
千歳「あ...あの時の女の人ですか」
千景「やっぱそうかい」

影因体は「人のストレスや執念」によって生まれると聞く。
千歳「僕はなんで影に呑まれそうになったんだろう...」
千景「んー、千歳くん、あなたお兄ちゃん見つかってないでしょ」
千歳「はい、3年前に亡くなりました」
千景「そのストレスだよ。あなた家族も失ってると思うんだけど、毎日亡くなった家族に触れてるとストレスも自分の見えないところで増幅していくんだよ」
千歳「そうなんですか...」
千景「うん。それにここ情素鉱の鉱脈地点の真上だし、さらに墓地っていうのもあって、負の感情がより情素鉱と反応した、っていうのだと思うよ」
千歳「そうですか...」
千歳「でも、家族を忘れるわけにはいきません」
千景「それは千歳くんがコントロールしていくしかないんだよ」
ストレスが和らぐ方法とか、嘘でも教えてくれればいいのに、現実を突きつけるとはこういうことなんだろうな、と思った。

千歳「あの...」
千景「ん?」
千歳「影象機関の人ですよね?」
千景「あぁ...そうだよ?」

そのとき、僕が何を思ったのかは分からないが、「兄を見つけたい」という信念だけが僕の中で揺らいでいた。

千歳「処理官って、高校生でもなれますか?」

千景「なれるよ、自分なんて中学生からやってんだから」

千歳「僕、処理官になりたいです」
千景「なりたいって、なんでよ。自分のストレスもコントロールしていかないといけない大変な仕事だよ?」
千歳「どこかで兄の存在の「断片」を見つけて、ちょっとでも前を向きたいんです」
千景「相当なストレスがかかるよ、自ら影因体に呑まれるわけにはいかないんだよ」
千歳「それでも、やってみたいんです」

千景「ええー...」

千歳「やらない損、よりやって損、のほうがいいでしょう?」
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