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#03「堕ちる」

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- 影象機関本部にて -
認証コンピュータ「生体認証ヲ行イマス。光ル位置二立ッテ静止シテクダサイ。」
千景「これ古いよな...」
タッ...ピー
認証コンピュータ「認証デキマシタ。オ通リクダサイ。」
ウィーン...
千歳「あの...千景さん?」
千景「ん?」
千歳「ここ僕通れないと思うんですけど...」
千景「あ、そっか。ちょ、月森さーん!!」
千歳(声デカいよ...)
月森?「ん?」
千景「この青年が処理官になりたいだそうで」
月森?「何?自殺志願者なのあなた?」
千歳「違いますよ...バカにしてるんですか...?」
千景「とりあえずいいですから。月森さん開けてほしいんすけど」
月森?「ん、りょーかい」
認証コンピュータ「認証ヲスキップシマシタ」
ウィーン...
千歳「ありがとうございます...あの、お名前は」
月森?「ん?さっき言ってたと思うけど...月森 澪っていうよ。」
千歳「月森さん...よろしくお願いします」
千景「で、とりあえず最高監に会わせないとすね」
千歳「最高監...?」

- 影因体関連事象対処機関統制最高監室にて -
澪「最高監、いらっしゃいますでしょうか」
最高監?「ああ、月森と遠野か」
千景「さっ最高監っ!?」
澪「なにあなた、会ったことないの」
千景「加入の時にちょっと...」
澪「顔覚えてないだけじゃないの?」
千歳「あ、あの...こんにちは、よろしくお願いします」
最高監?「ああ、よろしく。祓野 漂麻だよ。」
千歳「よろしくお願いします最高監。霧島と申します」
最高監「早速なんだが、千景、この少年がここに来た理由は?」
千景「処理官を志しているそうです」
最高監「ああ...わかっていたよ、やはり、そうか」
最高監「霧島。お前は何が動機で処理官を志した?」
千歳「震災の日、僕は家族を影に殺されました。全員です。3年経っても、家族の最期を知ることもできません。僕は、知りたいんです」
最高監「処理官、とは「命を差し出して向き合う」仕事だ。霧島は「知るため」に命を差し出すのか?」
千歳「「守りたい」んです。あの日のことを理解し、家族を奪ったこの世界を、少しでも修正するために」
最高監「霧島の信念は理解した。ただ、「処理官になる」というのは「堕ちる」ということだ。憎しみ、後悔、哀しみ。全て影因体になる苗床だ」
千歳「僕は決して、自分の感情には呑まれたくありません。自分を見失ったりしない」
最高監「...わかった。霧島。後日結果を千景から伝えてもらう」
千歳「わかりました。ありがとうございます」

澪「失礼しました」
ガチャッ
千景「連絡せんとだからeCHO交換しとこーよ」
千歳「あ、持ってないです」
千景「じゃあ、REVERBは?」
千歳「持ってないです」
千景「LINK-Eは?」
千歳「持ってないです」
千景「お前本当に現代人かよ!!!」
千歳「あ、RELINKなら使ってます」
千景「マイナーなアプリ使いやがって...」
ピッ
千景「千歳くん、eCHO作っといてな」
千歳「はい」
千景「じゃな、また後日」


- ??? -

最高監「処理官希望の16歳が訪ねてきたぞ」
???「え、本当?」
最高監「いい加減敬語使ってくれ」
???「わかりましたって...で、素質ありそうなんですか?」
最高監「ああ」
最高監「「過去に何かあった」方が、揺さぶられにくいからねえ」

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